2003年11月26日 “プロジェクト New TORAY 21” 進捗状況とこれからの経営 東レ株式会社 代表取締役社長 榊原定征 1 “プロジェクト New Toray21” 02年/4月 04年/3月 直近の課題・改革 抜本的体質強化の推進 抜本的体質強化の推進 <改革プロジェクト> 1. 営業改革 2. トータルコスト競争力強化 3. グローバル生産改革 4. 事業構造改革 (赤字事業・赤字会社の削減・黒字化) 5. 財務体質強化 6. 研究改革 7. 賃金制度・年金制度改革 07年/3月 中期の課題・改革 「先端材料」の拡大 「先端材料」の拡大 (成長3領域の事業拡大) (成長3領域の事業拡大) “New “NewValue ValueCreator” Creator” の推進 (新素材・新商品の開発・ の推進(新素材・新商品の開発・ 新商流の開拓) 新商流の開拓) 海外事業の収益拡大 海外事業の収益拡大 (中国・アセアンを中心に) (中国・アセアンを中心に) 研究・技術開発機能の 研究・技術開発機能の 更なる強化 更なる強化 長期の展望 売上高: 売上高: 1兆5,000億円 1兆5,000億円 営業利益: 営業利益: 1,200億円 1,200億円 ROA:約8% ROA:約8% (自前主義からの脱却) (自前主義からの脱却) 特許・ブランドなどの知的 特許・ブランドなどの知的 財産の戦略的展開 財産の戦略的展開 (“TOREX”の展開など) (“TOREX”の展開など) 目標 2005年/3月期: 連結営業利益500億円以上 2010年近傍 21世紀型“New Value Creator”への業態転換 ROE:約10% ROE:約10% 高収益事業構造 高収益事業構造 への転換 への転換 2 改革プロジェクトの進捗状況 プロジェクト 目標 成果 評価 ¾ 営業スタッフの意識改革、顧客基点の発想と行動の徹底 (“New Value Creator”への転換) ¾ 営業指標の設定(部門別ROA、一人当たり売上高・営業 利益・在庫など) ¾ IT武装化、営業適正人材の確保・育成、人事評価システ ムの見直し <意識改革の推進> <“NVC”による利益拡大> 03/3月期 04/3月期 05/3月期 トータルコスト競 争力強化 (TCプロジェクト) ¾ 生産固定費・外注加工費の削減 ¾ 購買物流費の削減 ¾ 要員の効率化 ¾ 本社経費の削減 <TCプロジェクトによる総費用削減効果> 03/3月期(実績) 04/3月期(見通し) 05/3月期(目標) 140億円 125億円 100億円以上 グローバル生産 改革 (GRプロジェクト) ¾ グローバルな生産の効率化・体質強化 ¾ 生産拠点・生産能力の最適化 ¾ 生産固定費の削減 <繊維>岡崎ナイロンタイヤコード用原糸設備のエアバッグ゙用改 造。TTS社ナイロンエアバッグ用原糸生産設備設置、など。 <フィルム>中国YTP社での増設、HV用途の減少に対応し たTPA, TPEuの包工材展開、など。 ○ 事業構造改革 (CSプロジェクト) ¾ 赤字事業・会社の黒字化・削減 ¾ 東レ本体事業、関係会社の総点検 → 収益性・成長性、 戦略的優先順位が低い事業は縮小、整理、再編、売却 ¾戦略的M&A、グローバルアライアンスの推進 <赤字事業・会社の黒字化>03/3→04/3 赤字200億円削減 <関係会社の戦略的整理・統合>22社について決定済み <戦略的M&A>デュポンからフッ素繊維事業買収、水道 機工への出資、ROPURの子会社化 ○ 財務体質強化 (FKプロジェクト) ¾ 収益改善、設備投資の効率化、在庫圧縮、保有意義の 低い資産の売却により、 有利子負債を削減 <02/3> <03/3> <03/9> <04/3> <05/3> 当初計画 5,600 → 5,300 → 5,000 実績 5,853 → 5,461 → 5,304 →(5,100)→(5,000以下) 営業改革 → 2005年/3末 5,000億円規模へ圧縮 (実績) (見通し) (ターゲット) 売上高 156億円 270億円 380億円 総利益 26億円 55億円 90億円 ○ ◎ ◎ ( )内は見通し 研究改革 ¾自前主義からの脱却、産官学・他社との連携強化 ¾技術融合への対応 ¾社外研究者や任期制採用など組織・人材面での改革 賃金制度・年金 制度改革 ¾資格制度の再編と新賃金制度の導入 ¾厚生年金基金の代行返上など現行年金制度の見直し ¾共同研究、委託研究などでの社外連携の推進(150件)、 国家プロジェクトへの参画(28件)、大学や公的研究機関 との連携を深めるためのオープンラボの設置 ¾先端融合研究所、TFRC(中国)の設立 ○ 03年4月より、管理・専門職の賃金について、個人の業績・ 成果を反映する変動部分を大幅に拡大。組合員層につい ても同様の方針で改訂すべく労組と協議中(04/4∼)。 ○ ◎:計画以上の進捗、○:計画通り進捗 3 収益改善の状況 (1)5事業2社の収益改善 (2)黒字事業の収益の拡大 (3)体質強化 (1)5事業2社の収益改善 (2)黒字事業の収益の拡大 (3)体質強化 事業・会社 (1) 単 体 02/3→05/3 02/3→03/3 03/3→04/3 02/3→04/3 収益改善計画 改善実績 改善見通し 累計見通し 改善のための主な方策 繊維 固定費削減、新商流の構築、機能資材の拡販 PETフィルム 工材・包材用途の拡販、 最新鋭M/C(三島)の立ち上げ 炭素繊維 産業用途、新規航空機用途の拡販 外販ラクタム 300 110 130 240 カラーフィルター (2) 単位:億円 ラクタム収益改善 中小型へ特化、機器・技術販売促進 TPA (米国フィルム会社) 付加価値包工材拡販、生産基盤強化 TPEu (仏フィルム会社) 付加価値包工材の拡販、要員削減等合理化 海外繊維事業 ASEAN ・中国関係を中心に増益 上記(1)以外の単体 医薬・医療、樹脂、電情材等で増益 200 32 80 112 抜本的な体質強化策の 推進 200 140 125 265 トータルコストダウン(TC−1,2)プロジェクトで 実現する収益改善額 体質強化の重複分消去 −170 −140 −125 −265 体質強化による収益改善の内、上記事業に関 する分は重複しているため消去 計 530 142 210 352 計画・実績 300 以上 国内子会社 上記以外の海外子会社 (3) 増益額 : 142 210 352 50億円以上 30∼50億円 10∼30億円 4 収益改善の状況 (1)黒字事業の収益の拡大 (2)赤字事業の黒字化・削減 (1)黒字事業の収益の拡大 (2)赤字事業の黒字化・削減 億円 1,500 1500 1,300 1300 黒字額 赤字額 営業利益 1,100 1100 900 900 700 700 500 500 300 300 100 100 -100 -100 -300 -300 -500 -500 91/3 92/3 93/3 94/3 95/3 96/3 97/3 98/3 99/3 00/3 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 (見通し) (ターゲット) 東レ本社:管理ベースの利益合計 子会社:経常利益の単純合計(持分法子会社利益除く) 5 連結営業利益推移 億円 1200 新たな発展へ 1000 800 実績 “NT21”計画値 現時点での見通しおよびターゲット 717 1000 1000億円達成時の 主要財務指標イメージ 売上高営業利益率 約8% 719 “プロジェクトNT21” ROA: 約7% 700 ROE: 約10% 600 476 400 200 540 512 500 330 350 323 188 220 0 '97/3 '98/3 '99/3 '00/3 '01/3 '02/3 '03/3 '04/3 '05/3 (見通し) (ターゲット) 早期に達成 6 “プロジェクトNT21”から新たな発展へ NT21による 収益改善 新たな発展 持続的成長へ 直近の課題・改革/抜本的体質強化の推進 直近の課題・改革/抜本的体質強化の推進 7つの改革プロジェクトの達成 7つの改革プロジェクトの達成 04/3月期連結営業利益見通し540億円 04/3月期連結営業利益見通し540億円 “NT21”計画値を1年前倒しで達成 “NT21”計画値を1年前倒しで達成 03/3月期 04/3月期 中期の課題・改革への本格的取り組み 中期の課題・改革への本格的取り組み 「先端材料の東レ」への転換 「先端材料の東レ」への転換 05/3月期 05/3月期連結営業利益ターゲット700億円 05/3月期連結営業利益ターゲット700億円 → 連結営業利益1,000億円の早期達成へ → 連結営業利益1,000億円の早期達成へ 新しい ステージへ 7 新たな発展 持続的成長への課題 05/3月期連結営業利益ターゲット700億円 → 連結営業利益1,000億円早期達成に向けての課題 億円 1200 1,000 1000 • 先端材料、NVC他 +100 • TC−3 +100 • 海外事業の収益改善 + 80 800 600 700 • 先端材料の拡大 • New Value Creatorの推進 +300以上 • 海外事業の収益拡大 • 恒久的な体質強化 540 400 200 0 04/3 (見通し) 05/3 (ターゲット) 早期に達成 8 TC−3(05/3月期トータルコスト削減プロジェクト)計画の概要 削減見通し(億円) 東レ本体(TC−1,TC−2の積み残し・追加分、 過剰な経費削減による障害の是正・緩和) 50∼60億円 国内関係会社(TC−2の一層の深化) 30∼35億円 海外関係会社(TC−2の一層の深化・要員削減) 20∼25億円 合 計 100∼120億円 9 「先端材料」の拡大 東レのコア技術を活用して開発した「先端材料」を、継続的に成長3領域(情報・通 東レのコア技術を活用して開発した「先端材料」を、継続的に成長3領域(情報・通 信、ライフサイエンス、環境・安全・アメニティー)に供給し、高い成長を実現。 信、ライフサイエンス、環境・安全・アメニティー)に供給し、高い成長を実現。 「先端材料」の売上高および営業利益推移 億円 億円 売上高 5000 営業利益 600 4500 500 4000 3500 400 環境・安全・アメニティー他 3000 2500 300 ライフサイエンス 200 情報・通信 2000 1500 1000 100 500 0 0 03/3月期 04/3月期 05/3月期 (見通し) (ターゲット) 早期に達成 03/3月期 04/3月期 05/3月期 (見通し)(ターゲット) 早期に達成 10 「先端材料」の拡大 (情報・通信) 3,000 2,000 600 IT関連機器他 電子情報材料 IT関連樹脂・フィルム 営業利益 次世代先端材料の拡大 既存先端材料の拡大 棒グラフ: 売上高(左軸←) ・液晶カラーフィルター ・プラズマディスプレイ ・スピンレスコーター ・ペースト材料 ・STEMCO増設 ・回路材料 ・エレクトロコーティング剤 ・次世代カラーフィルター ・プラズマディスプレイ海外展開 ・有機EL ・次世代回路・実装材料 ・次世代ペースト材料 ・CMP ・カーボンナノチューブ 400 営業利益(億円) 売上高(億円) 4,000 200 折れ線グラフ: 営業利益(右軸→) 1,000 0 04/3月期 05/3月期 (見通し) (ターゲット) 早期に達成 将来展望 0 11 「先端材料」の拡大 (ライフサイエンス) 800 150 次世代先端材料の拡大 ファインケミカル 医療材 医薬 営業利益 既存先端材料の拡大 600 棒グラフ: 売上高(左軸←) ・“フエロン”、“ドルナー”の拡販 ・新規止痒薬(TRK−820) の販売開始 ・人工腎臓、治療カラム、 医療用具の拡販 ・ニューゼオライト <医薬> ・ “フエロン”、“ドルナー”の適応症拡大・徐放化 ・新規止痒薬(TRK−820) の拡大 ・中等度鎮痛薬の販売開始 ・泌尿器、アレルギー系新薬 <医療材> ・次世代“トレスルホン”人工腎臓の拡大 ・新規治療カラム ・次世代医療用具 <バイオツール> ・DNAチップ ・蛋白質分画装置他 ・DDS 100 営業利益(億円) 売上高(億円) 1,000 400 50 折れ線グラフ: 営業利益(右軸→) 200 0 04/3月期 05/3月期 (見通し) (ターゲット) 早期に達成 将来展望 0 12 「先端材料」の拡大 (環境・安全・アメニティー他) 4,000 500 3,000 2,000 先端材料の拡大 <複合材料> ・産業用途(自動車、建材、風車、CNGタンク等)の拡大 ・航空機用途(A380, B 7E7)の拡大 ・燃料電池電極 <水処理> ・ロメンブラ事業のグローバル展開 ・PVDF, MBR事業のグローバル展開 ・海水淡水化プロジェクトのグローバル展開 ・国内上・下水関連事業の拡大 <非石化製品> ・ PLAの総合的展開(繊維、フィルム、樹脂) ・3GT繊維・バンブー繊維の拡大 <次世代バイオ製品> 400 300 営業利益(億円) 売上高(億円) 高機能繊維・樹脂他 水処理 炭素繊維・複合材料 営業利益 200 棒グラフ: 売上高(左軸←) 折れ線グラフ: 営業利益(右軸→) 1,000 100 0 04/3月期 05/3月期 (見通し) (ターゲット) 早期に達成 将来展望 0 13 “New Value Creator”の推進 新素材・新商品の開発、新商流の開拓 「もの」+「新しいサー 新たなビジネス ビス」、「新しい生産流 モデルの構築 通の仕組み」等の知恵、 ノウハウ 21世紀型の新しい事業形態: “New Value Creator” への転換 億円 億円 売上高 700 新しい価値 の提供 総利益 顧 客 消費者 200 180 600 160 500 140 400 120 新事業その他 情報・通信機材 プラスチック・ケミカル 繊維 100 300 80 60 200 40 100 20 0 *セグメントは単体の分類。 0 03/3月期 04/3月期 05/3月期 (見通し) (ターゲット) 早期に達成 03/3月期 04/3月期 05/3月期 (見通し) (ターゲット) 早期に達成 14 海外事業の収益拡大 海外統括会社を設立した中国・ASEAN3国ならびに韓国などアジアにおける収益 海外統括会社を設立した中国・ASEAN3国ならびに韓国などアジアにおける収益 拡大と共に、欧米先進国での収益を極大化する。 拡大と共に、欧米先進国での収益を極大化する。 海外連結子会社営業利益推移(単純合計) <アジア> <欧米> 250 250 140 200 140 120 120 100 100 80 80 60 60 40 40 20 20 0 0 200 150 150 100 100 50 50 0 韓国 ASEAN 中国 0 中国事業の 黒字化 -20 -50 -50 03/3月期 04/3月期 05/3月期 (見通し) (ターゲット) 米国事業の 黒字化 早期に達成 欧州 米国 -20 -40 -40 03/3月期 04/3月期 05/3月期 (見通し) (ターゲット) 早期に達成 15 セグメント別営業利益推移 億円 1,200 1,000 800 新事業その他 医薬・医療 住宅・エンジニアリング 情報・通信機材 プラスチック・ケミカル 繊維 600 400 200 0 03/3月期 04/3月期 (見通し) 05/3月期 早期に達成 (ターゲット) 16 これからの経営 経営改革の継続 経営改革の継続 事業構造改革の推進 事業構造改革の推進 強い企業体質の定着 強い企業体質の定着 成長戦略の推進 成長戦略の推進 (1)意識改革 • 危機意識/緊張感の持続 • 現場主義/解析力の強化 • ベクトルの共有化 (2)体質強化/ 国際的な競争力強化 • トータルコスト削減の継続 • 自助努力の継続 • 財務体質の強化 • コーポレート・ガバナンスの強化 • 組織形態の改革 • 経営管理システムの拡充 (1)企業倫理 • 重点4分野の拡大 • 成長3領域での拡大 • 既存事業「先端材料」の拡大 (2)“New Value Creator” の推進 (3)低収益事業の見直し (3)経営形態の改革 社会的責任の遂行 社会的責任の遂行 (1)「先端材料」の拡大 • 新素材開発 • 新商品企画 • 新商流開拓 • 品種別利益管理の徹底 • 赤字事業・会社の黒字化 • 赤字事業・会社の整理 (4)海外事業の収益拡大 CSRの強化 CSRの強化 (2003/11/1) CSR委員会設置(2003/11/1) CSR委員会設置 • 企業倫理委員会/法令遵守 委員会/人権推進委員会 • 行動規範(8原則) • 企業倫理・法令遵守ハンド ブック (2)安全・環境 • 製品安全委員会/ 全社安 全大会/地球環境委員会 • 環境10原則/環境3カ年 計画 • レスエナジーリサイクルの 推進 (3)情報開示 • 広報委員会 • 情報開示5原則 • 経営の透明性と説明責任 CSR: Corporate Social Responsibility 17 本資料中の業績予想、見通し及び事 業計画についての記述は、 現時点における将来の経済環境予想 等の仮定に基づいています。 本資料において当社の将来の業績を 保証するものではありません。 18
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