VOL.2 2008.3 - エイチアイ

BUSINESS
REPORT
VOL.2 2008.3
(2007年4月1日~ 2008年3月31日)
笑顔になれるインターフェースへ
©2008 HI CORP. ©2008 Yahoo Japan
証券コード:3846
(JASDAQ)
VISION
技術力の向上により、
常に先進的でユニークな
製品やサービスを創造する。
快適なヒューマン・インターフェースの創造による、
豊かなコンピュータライフを提案します。
「人と人とが向き合うように、コンピュータと向き合うことができたら。
」それは、身の回
りのあらゆるところにコンピュータが存在し、有機的に繋がっている、
「ユビキタス」社会
に近づきつつある現代に暮らす私たちの、誰もが感じる思いではないでしょうか。エイチ
アイが持つ高いミドルウェア技術やデザイン力、それらを利用したサービス提供などを通
じて目指しているのは、真に豊かなコンピュータライフの実現です。そのための一歩と
して、人間と機械の間に入って処理を行うもの
(=ヒューマン・インターフェース)
に「人間
らしさ」を加えるという試みを進めています。操作性ばかりに特化した無機質なインター
フェースに、楽しさと利便性を付加することで、誰もがコンピュータやプログラムの存在
を意識しない、ストレスのないコンピューティングになるのでは、と考えているからです。
自然で楽しく
「技術」
の難しさを感じさせないコンピューティングを、高度な技術によって
実現する。エイチアイは、常に世の中に新しい価値を提供しつづけることができる企業で
ありたいと考えています。
CONTENTS
1
2
……… トップメッセージ
11
……… 連結財務諸表
3
……… 事業戦略
13
……… 株式情報
9
……… 連結決算ハイライト
14
……… 会社概要
トップメッセージ
ケータイからAV・家電まで! クオリティの高い洗練された
ヒューマン・インターフェースが
求められる時代に!
株式会社エイチアイ
代表取締役社長兼CEO
川端 一生
当社は、携帯電話や家電、AV機器など身の回りにある電気・電子機器における快
適なヒューマン・インターフェースの実現を通じて、皆さまに豊かなコンピュータ
ライフを提供しております。これまでに、主力製品であるリアルタイム3D描画エン
ジンMascotCapsuleシリーズの開発とライセンス販売を手がけ、国内はもちろん、
米国、欧州、韓国、中国などの携帯電話端末にも数多く採用されています。当社の
強みは、高い技術開発力と充実した商品ラインナップ、そしてライセンス料とロイ
ヤリティ収入を中心とする高収益ビジネスモデルにあります。
また、2007年からは携帯電話だけでなく家電製品におけるユーザインターフェー
スを豊かにするための開発にも力を入れています。当社が長年ゲーム業界で培って
きた3Dグラフィックスの技術力やそのデザイン力の高さには定評があり、今後、こ
のようなデザインや演出の手法を家電業界にも吹き込みたいと考えております。
当社は2009年4月で創立20周年を迎えます。これまでの20年間、グラフィックス
やユーザインターフェースに関する豊富な経験を培ってまいりました。ようやく今、
携帯電話だけでなく、身の回りの家電製品や情報機器の世界にもクオリティの高い
洗練されたヒューマン・インターフェースが求められるようになり、当社の力がよ
り発揮しやすい時代になりました。これまで積み重ねてきた最先端の技術や豊富な
経験を活かし、これからの変化の激しい時代において常に新しい価値を世の中に提
供しつづけていけるよう、一層精進してまいります。
2
事
業
戦
略
①
グラフィックス関連技術の拡充と搭載デバイスの拡大
当社では、低解像度・低スペックの組込み機器にも搭
グラフィックスAPIとして広く採用されている
「OpenGLⓇ
載可能な製品や、高速化の進む3Dハードウェアアクセ
ES1.1」に 対 応 し た 新3D描 画 エ ン ジ ンMascotCapsule
ラレータの性能を十分に引き出せる新3D描画エンジン
Renderionを 開 発 し ま し た。 こ れ に よ り 低 価 格 帯 の 家
など、MascotCapsuleシリーズのバリエーションを増や
電や携帯電話など、描画処理用のサブCPUであるグラ
すとともに各製品のブラッシュアップを進めて、グラ
フィックスアクセラレータが未搭載のデバイスについて
フィックス関連技術の拡充を図っていきます。
も、低コストでのOpenGL ES1.1対応が可能になるばか
また、従来の携帯電話市場に加え、今後は携帯電話以
りか、3D描画エンジンMascotCapsuleと組合わせること
外のデバイス向けにMascotCapsuleの搭載を拡大して、
で、描画性能と利便性を一段と向上させたソリューショ
搭載台数の急速な増加を目指します。
ンとして提供することが可能となりました。
こうした戦略に基づき、2007年5月には携帯電話より
また、2007年9月にはルネサスソリューションズ社と
も低スペックな環境下での3Dグラフィックス表示に特
MascotCapsuleシリーズのライセンスおよび販売提携契
化した3D描画エンジンMascotCapsule nano、同年10月
約を締結。多くの家電に使われているルネサス テクノロ
には表現力の向上と開発効率の向上を同時に両立させ
ジ社のCPUにMascotCapsuleを搭載し、携帯電話の2倍以
るプロフェッショナルなリアルタイム3D描画エンジン
上の市場規模を持つ情報機器
(携帯電話を除く)や家電、
MascotCapsule eruptionを開発。2008年5月には国際標準
AV市場への拡大を図っていきます。
グラフィックス関連技術の拡充
携帯電話向け3D描画エンジンの提供者から、総合的なグラフィックス関連技術の第一人者を目指す。
世界初の携帯電話向け
3D描画エンジンの提供
3G携帯電話の普及に
対応した高速化・高機能化
サービス・デザイン・技術を提供する
グラフィックス関連技術の第一人者へ
高速化の進む3Dハードウェアアクセラレータへの対応
携帯電話以外の多様なデバイスへの搭載に向けた開発
3D描画エンジンの提供者
MascotCapsule Renderion
MascotCapsule eruption
MascotCapsule nano
V3 ∼ V4
MascotCapsule eXtension
V1 ∼ V2
Phase 1
Vx・MascotCapsule UI
Phase 2
Phase 3
現在
3
Phase 4
新3D描画エンジン「MascotCapsule Renderion」を発表
低価格帯の組込み機器向けへの搭載を推進し、低コストでのメーカの国際標準対応を支援。
サービス・アプリケーション
MascotCapsule® 3D描画エンジン
レ イ ヤ ー
eruption
V4
V3
OpenGL ES1.1
nano
ハードウェア:GPU
(グラフィックスアクセラレータ)
Renderion
OS / CPU
搭載デバイスの拡大
ユーザインターフェース(UI)を必要とする多様なデバイスへの搭載・普及・拡大。
搭載デバイスの拡大スキーム
家電用
リモコン
ビデオカメラ
カーナビ
デジカメ
MascotCapsule 㧗 CPU
搭載デバイスの拡大に向けたロードマップ
家電操作
パネル
OA機器
多様な搭載デバイスからの
ライセンス売上が本格化
2010年3月期
マーケティング活動の強化
家電等向けUI開発案件の受託
(各種デバイスにおけるデファクトへ)
CPU
提携メーカにライセンス提供
2009年3月期
3D描画エンジンの搭載
MascotCapsule
マーケティング開始/製品デモの準備・製作
ルネサスソリューションズ社との提携
携帯電話以外のデバイス向け製品の開発
2008年3月期
4
事
業
戦
略
②
サービスプラットフォームとデザイン・パワーの提供
高度なグラフィックス関連技術を活用し、より高品
表現力を駆使して、携帯電話だけでなくさまざまな領域・
質なサービスの提供を行っていく上で、今後、ますます
デバイス上での利用可能なUIのリッチ化を図り、グラ
「サービスプラットフォーム」と
「デザイン」の重要性が高
フィックス関連技術であるMascotCapsuleの搭載・利用を
促進する一方、UI単独での収益化を実現していきます。
まることが見込まれます。
上記の戦略を実施するために、現在、約40名のデザイ
こうしたなか、サービス事業者に対して、アバター、
ユーザインターフェース(UI)、オーサリングツール等の
ナーが在籍するなか、ミドルウェア開発部とコンテンツ
サービスプラットフォームと、ゲーム開発等で蓄積した
開発部からそれぞれ人員の配置転換を行い、新たにサー
デザイン・パワーの提供を行い、他社に真似できないユ
ビスプラットフォーム開発部を設置しました。同部署は
ニークなサービスを展開していきます。
サービス・デザイン・技術の全てに強い構成となってお
もともとMascotCapsuleは、PCのデスクトップで3Dの
り、今後は、ゲーム開発で培った奥行きのある3D空間で
キャラクターを動かすために開発されました。当社では、
ダイナミックな動きのあるデザイン、マニュアルを読ま
このエンジンで動く数多くのキャラクターを制作してき
ずにゲームの世界に入っていける配慮をしたデザイン・
た経験を活かし、今後はアバターのリーディングカンパ
パワーを前面に出し、デザインそのものをビジネスに、
ニーを目指します。
そして当社の強みとしていきます。
また、これまで培ってきた操作性や視認性、機能性、
サービスプラットフォーム開発とデザイン・パワーの重要性
高度なグラフィックス技術の活用と、
高品質サービス実現のための必要機能として、重要性が増加。
当社 開発・運営
当社 開発・運営
ゲームコンテンツ コミュニティサイト
サイト
SNS
当社 開発・運営
新規サービス
他社 開発・運営
他社 開発・運営
ゲームコンテンツ コミュニティサイト
SNS
サイト
他社 開発・運営
新規サービス
サービスプラットフォームとデザイン・パワー
アバター
ユーザインターフェース(UI)
UIオーサリングツール
5
MascotCapsule
V3
MascotCapsule
V4
クロスプラットフォーム
MascotCapsule
eruption
種
サ
ー
ビ
ス
より高品質のサービス実現に向
けたプラットフォームの提供
連携・結合
プラットフォームの基礎として
MascotCapsule の 搭 載・利 用
を促進
デザイン・パワー
MascotCapsule
nano
各
MascotCapsule
Renderion
MCX
グラフィックス関連技術
(要素技術)
サービスプラットフォーム開発 −アバターのリーデイングカンパニーへ−
サービス・デザイン・技術を組合わせたアバターを追求し、開発以外でも様々な収益化を図る。
マルチアングルでアバターを表示
アクションを見せられるアバター
選ぶから作るアバター
後方
左斜め後方向
右斜め後方向
右方向
左方向
右斜め前方向
左斜め前方向
全8方向表示
デフォルトタイプ
正面
アクションと背景を設定
●グラフィックス関連技術で培った3Dノウハウ●
アバター
イメージA
デフォルトタイプ
アバター
イメージB
●ゲーム開発等で培ったデザイン・パワー●
※画面はイメージです。
多 様 な 表 現 力 を 有 す る 3 D ア バ タ ー
サービスプラットフォーム開発 −クロスプラットフォーム戦略−
「携帯電話−各種家電」
間の連携を前提とした全体サービス・デザインを提供し、売上・利益を拡大。
従来の
当社事業領域
ユーザ
携帯電話と家電の連携
携帯電話
家 電 等
TV
DVD(HDD)レコーダ
PC
カーナビ
クロスプラットフォーム戦略
による新たな事業領域
●サービスデザインの企画・設計
●携帯と家電の連携システムの開発
●システム全体の構築・運営
システム全体の構築運営を
行うことによる
売上高・利益の拡大・向上
デジカメ
当社の有する
サービスプラットフォーム技術の
利用・販売による売上高・利益の増加
+
他社の有する
システム技術・製品の
販売による販売マージンの獲得
6
事
業
戦
略
③
コミュニティ分野やSNS分野などサービス側への展開
当社の強みであるグラフィックス技術の上にサービス
に、
「ラブ×ダチ」という自分好みの異性のアバターを持
プラットフォームを構築し、デザイン・パワー、企画プ
てます。各アバターは、顔や服装を複数のパーツから自
ランニングのパワーを掛け合わせて、サービス側へのを
由に選べる他、回転やおじぎなどのアクションの設定や
展開を図っていきます。こうした戦略により、製品、サー
マルチアングルでアバターを表示することもできます。
ビスのバリエーションを増やして、収益構造を多様化し、
また、Flash機能を利用した
「ネイルデコレーション」で
ビジネスの拡大を図っていきます。
は、ちょっとした空き時間に、自分の好みのネイルをデ
こうした事業戦略に基づき、2008年2月にはNTTドコ
ザインしたり、保存して日記で他のユーザに見せたりす
モのiモードサイト
「マチキャランド」を、2008年4月から
ることも。さらにネイルデコレーション同様、ちょっと
はYahoo! JAPANとの共同ビジネスとして、iモード、au、
した空き時間に暇つぶしができる、ミニゲームも用意。
Yahoo!ケータイ向けに「キラキラ☆ストリート」のサービ
今後、新ゲームも続々追加する予定です。また、アバター
ス提供を開始しました。
の着替えの服や背景等のアイテムを買い増すなどの、追
加サービスも利用できます。
「キラキラ☆ストリート」は10代~ 20代前半の女性をメ
インターゲットに、3DやFlashのノウハウを駆使しグラ
このように2008年3月期から本格的に推進してきたコ
フィカルな自己表現を可能にした、新感覚のコンテンツ
ミュニティ分野・SNS分野などのサービス側に重点をお
サービス。サイト内での自分の分身であるアバターの他
いた展開を、今後は強化・加速していきます。
サービス側への発展
技術・デザインを土台に、サービスが市場を牽引する時代への対応と、収益モデルの確立を行う。
実
拡大
広 告 料
際
の
アフィリエイト
収
益
手数料収入
モ
デ
ル
コンテンツ
使 用 料
アイテム課金
拡大
エンドユーザに対するサービス提供
携帯電話の出荷台数に依存
しないビジネス・モデルの構築
新規
サービス
情報アバター
SNS
エージェント
機能
サービス側への発展
サービスプラットフォームとデザイン・パワーの提供
グラフィックス関連技術の拡充
7
3Dコミュニティ・サイト構築の
第一人者としてのサービス展開
「マチキャランド」サービスの開始
NTTドコモiモードサイトで、マチキャラ の新しい楽しみ方を提供。
会員登録すれば、
私たち
のような個性を持った様
々な3Dキャラクタがダ
ウンロードできるんだ。
©HI CORPORATION
©Mediafreaks Cartoon Pte Ltd. ©Character Farm Pte Ltd.
「マチキャランド」のサービスを通じて、
「 マチキャラ」の演出
機能の向上や普及活動を推進し、より豊かな生活を提供して
まいります。
©Mediafreaks Cartoon Pte Ltd.
「マチキャラ」
は、
プリインスト
ール又はダウンロードしたキ
ャラクタが、
待受けメニューな
ど様々な画面で動き回ってユ
ーザを楽しませてくれるNTT
ドコモのサービスです。
ユーザ自身の顔や家族・恋人
の写真を使ってオリジナル
の
「着 ぐ る み マ チ キ ャ ラ」も
作成できるよ。
©HI CORPORATION
©Character Farm Pte Ltd.
ドコモケータイの
「マチキ
ャラ」
対応機種を対象にマ
チキャラデータを配信する
新しいサービスだよ。
※
「マチキャラ」
はNTTドコモの登録商標です。
新サービス「キラキラ☆ストリート」Yahoo! JAPANと共同配信
Yahoo! JAPANと共同でSNSをスタート。
広告料金等のレベニューシェア・モデルで収益化を図る。
iモード、au、Yahoo!ケータイ向けに
新感覚コンテンツサービスをユーザに無料で提供。
アバター
サービス全般
(企画・開発、
運営)
共 同 事 業
プロモーション活動
広告・アフィリエイト課金
デコFlash
※画面はイメージです。
Game + SNS for Young Generation
ターゲット・ユーザを明確化したサイト構築・運営
ミニゲーム
広告料金・アフィリエイト収入を両社でレベニューシェア
※画面はイメージです。
8
連結決算ハイライト
当社グループの事業の中心である国内外の携帯電話市場
国モバイル3D市場を活性化するための共同プロジェクトの
が順調に拡大しているなか、当社グループでは、業容拡大
展開を推進しています。
に向け、事業の中心である携帯電話と、携帯電話以外のデ
バイス向けグラフィックス関連技術の拡充、搭載デバイス
の拡大、研究開発の強化、コミュニティ分野やSNS分野へ
の取り組みを推進しました。
MascotCapsuleを搭載した携帯電話
端末の世界累計出荷数が3億台を突破
株式会社ルネサスソリューションズと
ライセンス及び販売提携の契約を締結
また、ミドルウェア事業の携帯電話以外の分野では、デ
ジタルビデオカメラ向けのMascotCapsuleの供給を引き続
き行うと同時に、その他の家電製品やアミューズメント機
器等のユーザインターフェースを必要とするデバイス向け
ミドルウェア事業の携帯電話の分野では、主力製品であ
の製品開発と販売活動を推進しました。製品開発について
るMascotCapsule®を、引き続き、国内においては、4通信
も、MascotCapsuleに家電製品向けの改良を加えると共に、
キャリア(株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ、KDDI株式会
2007年5月に、携帯端末よりも低スペックの実行環境でも利
社
(以下 KDDI)、ソフトバンクモバイル株式会社、株式
用可能な3D描画エンジンMascotCapsule nanoを開発。ま
会社ウィルコム)向けの携帯端末に供給。海外においては、
た、販売活動については、2007年9月に、株式会社ルネサ
携帯端末メーカ上位5社中4社
(韓国LG Electronics Inc.、米
スソリューションズとMascotCapsuleシリーズのライセン
国Motorola, Inc.、 韓 国Samsung Electronics Co., Ltd.、 ス
ス及び販売提携の契約を締結し、当社製品の拡販を進めて
ウェーデンSony Ericsson Mobile Communications AB)を
います。
始めとする携帯端末や米国QUALCOMM Incorporated製チッ
プに供給しており、同製品を搭載した携帯端末等の世界累計
出荷台数は、2007年9月末現在で3億台を突破しました。さ
急速に拡大しているコミュニティ・
SNS分野への取り組みを強化
らに新製品として、2007年5月、3D演出機能と感情表現機
一方、アプリケーション事業においては、より継続性の
能を実装した携帯メール向け3Dエンジンである3D e-moji
あるサービス、収益性の高いビジネスモデルを確立するた
エンジンを開発し、KDDI向けの携帯端末への提供を開始。
め、急速に市場が拡大しているコミュニティ分野やSNS分
また、2007年10月には、従来製品に比べて処理速度を飛躍
野への取り組みを強化しており、新たな取り組みとして、
的に高速化した新3D描画エンジンMascotCapsule eruption
株式会社ガーラモバイルと「フリフオンラインモバイル」の
を発表しました。
共同事業展開を開始。また、従来からの取り組みである、
拡販活動として、国内においては、2008年3月より、イー・
当社が提供するミドルウェア技術を活かしたモバイルゲー
モバイル株式会社向けの携帯端末へのMascotCapsuleの供
ムコンテンツの制作も推進しています。
給を開始。海外においては、2007年4月に、台湾の端末メー
9
カASUSTeK Computer Inc.とMascotCapsuleの供給に関す
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,343百万円
(前
るライセンス契約を締結しています。また、2007年7月に、
期比5.3%増)となりました。営業利益は、開発力の強化に向
エスマテック株式会社とMascotCapsuleを同社のJbed Java
けた人件費や外注費の増加に加え、将来の成長へ向けた新
プラットフォームに対応させるパートナー契約を締結。加
製品開発の活発化に伴って研究開発費用が増加したことに
えて、韓国の大手通信キャリアSK Telecom Co., Ltd.と韓
より、217百万円(前期比40.5%減)となりました。経常利益
は、営業利益の減少に加え、急速な円高の進行による為替
大を図るため、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、
差損等の営業外費用が増加したことにより、155百万円
(前
カーナビゲーション等の携帯電話以外のデバイスへの当社
期比55.0%減)となり、当期純利益は、経常利益の減少に加
製品の搭載拡大に向けた事業展開を推進します。
え、固定資産の除却や子会社の清算等による特別損失が発
アプリケーション事業では、急速に市場が拡大しているコ
生したことから、43百万円
(前期比73.7%減)
となりました。
ミュニティ分野やSNS分野への取り組みを強化。技術とサー
ビスの両分野に取り組んでいる当社グループの特色を活か
■次期の見通し
し、サービスを支え、高度化を促す技術の開発と、それらの
当社グループでは、事業の中心である携帯電話市場につ
技術を活かした新サービスの創造を通じて、携帯電話端末等
いて、国内市場は、通信キャリアによる分割期間や最低利
のデバイスの出荷台数に左右されるビジネスであるライセ
用期間の設定された新販売方式の導入等の影響で、携帯電
ンス販売ビジネスとは異なる、モバイル上で展開されるサー
話端末の出荷台数の伸びは鈍化する可能性があると予想し
ビスから収益を獲得するビジネスの確立に注力します。
ています。一方、海外市場は、出荷台数全体の伸び率は1
桁台の成長に減速するものの、欧米などの成熟市場向けの
以上の結果、次期連結会計年度の売上高は2,539百万円
(前
高性能な多機能機種の出荷は順調に推移するものと見込ん
期比8.4%増)を見込んでいます。また、開発力の強化に向け
でいます。また、モバイルコンテンツ市場については、ハ
た人件費や外注費等の経費の増加が売上の伸びを上回るた
イエンド端末の普及拡大等を背景として、国内外市場にお
め、営業利益は149百万円
(前期比31.4%減)
、経常利益は149
いて順調に拡大を続けるものと推測しています。
百万円
(前期比3.7%減)
を予想しています。当期純利益は、税
このような環境のもと、当社グループは、ミドルウェア
務上の課税所得を計算する上で前期の損金とならなかった
事業では、携帯電話向けMascotCapsuleのライセンス販売
研究開発費の認容が行われ、税負担額の減少が見込まれる
ビジネスに引き続き注力していきます。同時に、事業の拡
ことにより、61百万円
(前期比41.0%増)
を想定しています。
●連結売上高の推移
●連結営業利益の推移
(百万円)
3,000
(百万円)
400
2,539
(予想)
2,500
2,225
2,000 1,860
2,343
2,012
365
300
145
149
(予想)
150
155
149
(予想)
100
100
43
61
(予想)
0
-100
-100
-150
-200
-200
-200
-300
157
-50
-100
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
3月期 3月期 3月期 3月期 3月期
200
0
0
0
166
117
50
1,500
500
345
250
217
200
●連結当期純利益の推移
(百万円)
200
300
100
1,000
●連結経常利益の推移
(百万円)
350
-258
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
3月期 3月期 3月期 3月期 3月期
-250
-300
-259
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
3月期 3月期 3月期 3月期 3月期
-300
-279
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
3月期 3月期 3月期 3月期 3月期
10
連 結 財 務 諸 表
連結貸借対照表
科 目
(単位:千円)
当連結会計年度 前連結会計年度
2008年3月31日現在
資産の部
負債の部
流動資産
流動負債
現金及び預金
1,813,909
1,035,558
104,862
283,152
たな卸資産
27,285
56,219
一年以内返済予定の長期借入金
繰延税金資産
80,089
80,420
その他
71,239
57,534
貸倒引当金
△ 3,517
△ 7,853
流動資産合計
2,093,869
1,505,031
売掛金
買掛金
2008年3月31日現在
2007年3月31日現在
76,371
122,855
-
103,000
8,330
41,689
一年以内償還予定の社債
20,000
20,000
未払法人税等
27,282
207,275
4,130
-
13,979
-
短期借入金
受注損失引当金
関係会社清算損失引当金
固定資産
その他
111,678
140,524
有形固定資産
流動負債合計
261,773
635,344
30,000
50,000
建物及び構築物
24,661
26,723
固定負債
工具、器具及び備品
35,058
35,466
社債
有形固定資産合計
59,720
62,190
長期借入金
-
8,330
その他
-
2,020
30,000
60,350
291,773
695,695
資本金
1,094,628
495,406
無形固定資産
ソフトウェア
その他
無形固定資産合計
188,056
-
1,587
47,367
負債合計
189,644
47,367
純資産の部
投資その他の資産
固定負債合計
株主資本
投資有価証券
52,332
5,773
差入保証金
84,703
83,979
資本剰余金
1,045,808
446,586
繰延税金資産
75,182
16,384
利益剰余金
112,965
69,312
1,822
1,841
株主資本合計
2,253,403
1,011,304
投資その他の資産合計
214,041
107,979
評価・換算差額等
12,099
15,569
固定資産合計
463,405
217,537
純資産合計
2,265,502
1,026,873
2,557,275
1,722,568
負債純資産合計
2,557,275
1,722,568
その他
資産合計
11
科 目
2007年3月31日現在
当連結会計年度 前連結会計年度
連結損益計算書
科 目
(単位:千円)
連結キャッシュ・フロー計算書
当連結会計年度 前連結会計年度
2007年4月 1日から
2008年3月31日まで
売上高
売上原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
営業利益
営業外収益
受取利息
受取配当金
助成金収入
受取保険料
その他
営業外費用
支払利息
株式交付費
上場関連費用
為替差損
その他
経常利益
特別利益
特別損失
税金等調整前当期純利益
法人税、住民税及び事業税
法人税等調整額
当期純利益
科 目
2006年4月 1日から
2007年3月31日まで
2,343,599
945,679
1,397,920
1,180,409
217,511
7,548
4,985
-
1,580
422
560
69,755
1,943
7,003
7,000
53,502
305
155,305
4,366
47,380
112,291
126,237
△ 57,600
43,653
2,225,785
867,676
1,358,108
992,385
365,723
2,207
1,628
1
-
-
577
22,686
4,355
9,753
3,973
4,010
594
345,244
438
28,831
316,851
206,730
△ 56,018
166,139
(単位:千円)
当連結会計年度 前連結会計年度
2007年4月 1日から
2008年3月31日まで
2006年4月 1日から
2007年3月31日まで
営業活動によるキャッシュ・フロー
65,716
424,092
投資活動によるキャッシュ・フロー
△ 279,839
△ 68,394
財務活動によるキャッシュ・フロー
1,026,752
△ 91,242
現金及び現金同等物に係る換算差額
△ 47,145
3,986
現金及び現金同等物の増加額
765,484
268,442
現金及び現金同等物の期首残高
895,755
627,313
現金及び現金同等物の期末残高
1,661,240
895,755
連結株主資本等変動計算書 (2007年4月1日から2008年3月31日まで)
(単位:千円)
株主資本
当連結会計年度
2007年3月31日 残高
資本金
評価・換算差額等
資本剰余金 利益剰余金
495,406
446,586
564,975
34,247
当期純利益
株主資本以外の項目の
連結会計年度中の変動額(純額)
株主資本
合計
その他
有価証券
評価差額金
1,275
繰延ヘッジ
損益
為替換算
調整勘定
1,058
13,235
69,312
1,011,304
564,975
-
1,129,950
-
-
34,247
-
68,494
-
-
-
-
43,653
43,653
-
-
-
-
-
-
△ 658
評価・換算
差額等合計
純資産
合計
15,569
1,026,873
-
-
1,129,950
-
-
68,494
-
-
43,653
△ 604
△ 2,206
△ 3,469
△ 3,469
連結会計年度中の変動額
公募増資による新株の発行
新株予約権の行使による新株の発行
連結会計年度中の変動額合計
2008年3月31日 残高
599,222
599,222
43,653
1,242,097
△ 658
△ 604
△ 2,206
△ 3,469
1,238,628
1,094,628
1,045,808
112,965
2,253,403
616
453
11,028
12,099
2,265,502
12
株
式
情
報
●株式の状況(2008年3月31日現在)
発行可能株式総数....................................... 90,760株
発行済株式総数 ........................................... 28,506株
株主数 ............................................................. 3,415名
●所有者別株式数の構成比(2008年3月31日現在)
金融機関 1.4%
金融商品取引業者 2.3%
その他法人 35.3%
個人・その他 54.0%
外国法人等 7.0%
●大株主の状況(2008年3月31日現在)
株主名
所有株式数 持株比率
(株)
(%)
㈲川端本舗
㈱エヌ・ティ・ティ・ドコモ
川端一生
㈱ドコモ・ドットコム
キヤノン㈱
ダイワボウ情報システム㈱
矢部幸喜
バンダイネットワークス㈱
2,800
1,840
1,739
1,520
1,200
1,000
650
600
9.82
6.45
6.10
5.33
4.20
3.50
2.28
2.10
バンクオブニューヨーク
ジーシーエムクライアント
アカウンツイーアイビーエル
528
1.85
バンクオブニューヨーク
ジーシーエムクライアント
アカウントジェイピーアール
ディアイエスジーエフイー
エイシー
509
1.78
●株主メモ
証 券 コ ー ド 3846
上 場 取 引 所 ジャスダック証券取引所
上 場 年 月 日 2007年4月12日
単 元 株 式 数 1株
決
算
期 毎年3月31日
定 時 株 主 総 会 毎年6月
基
準
日 毎年3月31日(そのほか臨時に必要あるときは、あらかじめ公告いたします。)
公 告 掲 載 方 法 電子公告(やむを得ない事由により、電子公告によることができない場合は、日本経済新聞に掲載する方法により行います。)
株主名簿管理人 三菱UFJ信託銀行株式会社
同事務取扱場所 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
お問合せ先 〒137-8081 東京都江東区東砂7-10-11 電話:
同
13
取
次
所 三菱UFJ信託銀行株式会社 全国各支店
0120-232-711
会
社
概
要
会 社 名 株式会社エイチアイ
HI CORPORATION America, Inc.
〒153-0043
東京都目黒区東山1-4-4
本社所在地 目黒東山ビル5F
Tel: 03-3710-2985(IR)
Fax: 03-5773-8909
800 California Street Suite 220
設
2-19 Yeajang-Dong, Chung-gu
立 1989年4月17日
Mountain View, CA 94041 U.S.A.
Tel: +1-650-962-0719
Fax: +1-650-962-9710
HI KOREA & CO.
連結会社
Seoul, Korea 100-250
資 本 金 1,094百万円
[2008年3月31日現在]
Tel: +82-2-2280-8154
従業員数 131名(150名/連結)
[2008年3月31日現在]
HI CORPORATION Singapore Pte. Ltd.
ミドルウェアの企画・開発・ライセンス販売・
事業内容 サポート、
コンテンツおよびサービスの企画・
制作・運用
Tower 1 The Strategy, Singapore 609930
U R L http://www.hicorp.co.jp/
代表取締役社長 兼 CEO 川端 一生
役 員
専務取締役 兼 CTO
鈴木 啓高
取締役
秦 勝重
取締役
田島 範子
取締役
藤澤 達也
取締役 兼 CFO
(2008年
6月24日現在)
星 和彦
取締役
(社外取締役)
梅田 成視
取締役
(社外取締役)
豊田 惠造
常勤監査役
大澤 孝
監査役
古田 十
監査役
髙橋 幸二
2 International Business Park #10-01
Tel: +65-6267-9870
Fax: +65-6267-8982
札幌開発センター
〒060-0004
札幌市中央区北4条西4丁目1番地
国内拠点
伊藤加藤ビル5F
Tel: 011-211-4200
Fax: 011-211-4202
株式会社三菱東京UFJ銀行
取引銀行 株式会社みずほ銀行
株式会社三井住友銀行
14
〒153-0043 東京都目黒区東山1-4-4 目黒東山ビル5F
Tel: 03-3710-2985(IR) Fax: 03-5773-8909