計測工学18

計測工学18
ブリッジ・フィルタ・ノイズ・AD変換
ブリッジ回路
• 直流ブリッジによる抵抗測定
– 差動電圧
• G=(Z1/(Z1+Z4) – Z2/(Z2+Z3))E
– 平衡条件
• Z1Z3 = Z2Z4
• この時G=0
– 利用法
• 最初に平衡条件としておく
• Z1にセンサを使用するとZ1の変化をGの値として読み
取ることができる
ブリッジ回路の抵抗変化
Zはすべて抵抗
R1  R 2  R 3  R 4  Rとすると


R  R
R
G  G  

E


R


R

R
R

R


最初の平衡状態でG  0であ るので


R  R
R
G  

E


R


R

R
R

R


 R 1  R R 
1
 

E


2
R
1


R
2
R
2



1  1  R R

1

E
2 1  R 2 R


1 
R 
R 

1

1


1





E
2 
R 
2R 


1
2
E

4

R
R



 O ( 2 )  1 E
1 
R
2R


R

R
微小変化量の公式
1/(1-Δ) ~= (1+Δ)
例
1/0.9=1/(1-0.1) =1.111111
1/0.99=1/(1-0.01)=1.010101
1/0.999=1/(1-0.001)=1.001001
2個のZが変動する場合
E  R1 R 2 
G  


4 R
R 
一方をセンサ、もう一方をダミーセンサとすることで温度ドリフ
トなどの影響を除去
(例題8.4参照)
フィルタとは
• 信号と雑音が混在した信号から、
雑音成分のみを除去し、
信号成分を抽出する仕組み
LPF:ローパスフィルタ
ゲイン
低域通過
高域遮断
周波数
HPF:ハイパスフィルタ
ゲイン
高域通過
低域遮断
周波数
BPF:バンドパスフィルタ
ゲイン
帯域通過
周波数
• たとえば、音声信号処理の場合に、音声の帯
域(数百Hz~数kHz)のみをとりだす
(可聴域 20Hz~20kHz)
BEF:バンドエリミネーションフィルタ
ゲイン
帯域除去
周波数
• たとえば、ある特定の周波数付近にあるノイ
ズを除去する
フィルタの特性名称
• バタワース
通過帯域の振幅特性が最も平坦
• チェビシェフ
もっとも急峻な遮断特性
• ベッセル
通過帯域の位相特性を重視した特性
一般の計測
急峻な遮断特性が必要なと
き
波形ひずみが小さい
ゲイン
周波数
1次RCフィルタ
• RC積分回路=LPF
• RC微分回路=HPF
• カットオフ周波数(ゲインが1/√2, -3dB)fc=1/2πRC
• RCフィルタは信号自体はきれいだが、減衰が大
きい(ゲイン<1)
RCローパスフィルタ
R
回路のインピーダンス Z  R 
電流 I 
1
jC
C
(1/jωC)
Vin
Vin

Z 
1 
 R 

jC 

 1 
Vin
Vin
1
 
出力電圧 Vout  I  


 jC   R  1  jC jCR  1

jC 

ゲイン G 
Vout
1

Vin
jCR  1
ω=0(f=0)の時、G=1
ωCR=1の時、G=1/√2
RCローパスフィルタ
R
Q
C
V=Q/C
• コンデンサの電圧は
Q=CV
であるからコンデンサの電
荷Qに比例する
• 電荷は抵抗Rを通して充
電・放電するから、電荷の
変化には時間がかかる
• したがって、周波数の高い
波形(変化が早い)波形に
対してはC両端の電圧は変
化しにくい
ローパスフィルタ
アクティブフィルタ
• 1次フィルタ
– 遮断周波数fc=1/2πRC
– 遮断スロープ 20dB/dec
(周波数10倍になると20dB変化する)
C2
R2
R1
C1
R2
R1
-
-
+
+
LPF
HPF
アクティブフィルタ:LPF
C2
R2
R1
+
• 入力電圧が正から0に
変化した場合を考えて
みる
• C2は充電されていた状
態から放電する
• R1には電流は流れない
Q
• C2の放電はR2を通して
行われる
fc=1/2πR2C2
アクティブフィルタ:HPF
C1
R2
R1
-
• C1の充電・放電はR1
を通して行われる
+
fc=1/2πR1C1
アクティブフィルタ:2次の例
デシベル
• ゲイン(電圧・電力の増幅、減衰)をあらわす
• 電圧入出力Vin, Voutのとき
– 電圧比:
dB=20 log(Vout/Vin)
• 電力入出力Pin, Poutのとき
– 電力比: dB=10 log(Pout/Pin)
P=V2/Rより
10 log(Pout/Pin)=10 log((Vout2/R)/(Vin2/R))
= 10 log((Vout/Vin)2)
= 20 log(Vout/Vin)
デカードとオクターブ
• デカード(dec : decade)
– 周波数が10倍になる間隔
• オクターブ(oct : octave)
– 周波数が2倍になる間隔
• デカードとオクターブの変換(例:1次フィルタのスロープ)
右図は20dB / decのスロープである。
このスロープは何 dB / octになるか考える。
傾き  20 /(log20  log 2)  20 / log(20 / 2)
オクターブでの減衰
20dB
 傾き( log8  log 4)  20 / log(20 / 2)  log(8 / 4)
 20  log(8 / 4)  6dB / oct
Log(20Hz)
Log(2Hz)
Log(4Hz) Log(8Hz)
例題8.5
• 5Hzのとき出力0dB,100Hzのとき出力-60dB
0dB
-60dB
5Hz
100Hz
減衰率(dB/dec)  傾き  log10  傾き
 60  0
 60


 46[dB/dec]
log100 log5 log(100/ 5)
例題8.6
• 3dB/oct は 何dB/dec か