スライド 1

CO2削減のための
貨物発着間距離と
トラックの輸送経路についての検討
流通施設計画研究室
2001206
松浦 伸枝

研究背景・目的

貨物発着間距離についての検討

トラックの輸送経路についての検討

迂回要因についての判別分析・感度分析

まとめ
 研究背景・目的
 貨物発着間距離についての検討
 トラックの輸送経路についての検討
 迂回要因についての判別分析・感度分析
 まとめ
CO2削減のための方策と過去の研究
施策
削減量(万t-CO2) 割合(%)
Ⅰ.自動車交通対策
2950 65.1%
(1)低公害車等の開発・普及および走行形態の感興配慮化
2060 45.5%
①省エネ法に基づく自動車の燃費の向上
1390 30.7%
②クリーンエネルギー自動車の普及促進
220
4.9%
③低公害車開発・普及の加速
260
5.7%
④アイドリングストップ装置搭載車両の普及
110
2.4%
⑤大型車の走行速度抑制
80
1.8%
(2)交通流対策
890 19.6%
①自動車交通需要の調整
70
1.5%
②高度道路交通システム(ITS)の推進
370
8.2%
③路上駐停車対策
***
***
④路上工事の縮減
40
0.9%
⑤交通安全施設の整備
70
1.5%
⑥テレワーク等情報通信を活用した交通代替の推進
340
7.5%
Ⅱ.環境負荷の小さい交通体系の構築
1580 34.9%
(1)モーダルシフト・物流の効率化等
910 20.1%
①内航・鉄道貨物輸送の推進
150
3.3%
②モーダルシフトの推進や輸送効率の向上
260
5.7%
③鉄道の利便性向上
30
0.7%
④物流の効率化
470 10.4%
(2)公共交通機関の利用促進
520 11.5%
(3)その他輸送機関のエネルギー効率の向上
150
3.3%
①鉄道のエネルギー消費効率の向上
40
0.9%
②航空のエネルギー消費効率の向上
110
2.4%
合計
4530 100.0%
CO2排出量の推移
70
CO 2 排出量(百万トン)
60
50
40
30
20
10
0
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
年
輸送距離の増加
100
平均輸送距離(km)
90
80
70
60
50
40
30
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
年
2000
輸送距離延長の原因
 立地の変化による
発着間距離変化
発着間距離の延長
 迂回による
輸送経路の延長
最短経路
迂回経路
中継施設
研究目的
 業種別の貨物発着間距離を分析し、
発着間距離の長い業種・延びている業種を
明らかにする。
 トラックの輸送経路を分析し、その迂回に
よる距離の延長と迂回要因を明らかにする。
 迂回要因についての感度分析から、CO2排
出量の削減効果を検討する。
使用データ
 全国貨物純流動調査(物流センサス)
(1980年度調査~2000年度調査)
・発着業種
・中継地点
・発着都道府県 ・到着指定の有無
・品類・品目
・輸送費用
・代表輸送機関 ・件数
・届先区分
・重量
 道路ネットワークデータ
研究背景・目的
貨物の発着間距離の検討
トラックの輸送経路についての検討
迂回要因についての判別分析・感度分析
まとめ
発業種の重量・平均発着間距離・
トラック分担率・CO2排出量(2000年度)
発業種
鉱業
製造業
卸売業
倉庫業
トン
(万トン)
414
(15.0%)
1710
(61.8%)
425
(15.4%)
218
(7.9%)
トンキロあたりの
CO 2 排出量
(トン/トンキロ)
平均
発着間距離
(km)
トラック
分担率
45.52
80.3%
0.0922
134.60
81.0%
0.0024
63.27
95.0%
0.0463
118.25
79.3%
0.0234
CO 2排出量
(万トン)
1740
(41.9%)
562
(13.6%)
1244
(30.0%)
604
(14.6%)
平均発着間距離の推移
平均発着間距離(km)
120
110.1
110.6
110
106.2
100
97.6
97.5
90
80
年
1980
1985
1990
1995
2000
発業種別貨物流動量・平均発着間距離・
トラック分担率・CO2排出量・
トンキロあたりのCO2排出量の変化
(1980年度から2000年度)
トラック
分担率
CO 2 排出量
(トンキロあたり)
貨物流動量
平均
発着間距離
鉱業
-37.47%
17.91%
0.73%
-40.34%
-56.01%
製造業
14.45%
-0.96%
12.61%
18.60%
34.44%
卸売業
11.23%
27.03%
4.21%
-19.14%
14.24%
倉庫業
43.50%
30.23%
2.34%
-17.55%
54.08%
全体
2.47%
12.42%
7.71%
-20.37%
14.67%
発業種
CO 2 排出量
業種別発着間距離の年変化
発着距離が長く、
貨物流動量の少ない
業種
2 0 0 0 年倉庫業
1 9 9 5 年倉庫業
160
平均発着間距離(km)
140
120
1 9 9 0 年倉庫業
100
発着距離が長く、
貨物流動量の多い業種
1 9 8 5 年倉庫業
80
1 9 8 0 年倉庫業
60
40
20
発着距離が短く、
貨物流動量も少ない業種
0
0
5
10
15
貨物流動量( 百万トン)
20
25
研究背景・目的
貨物の発着間距離の検討
トラックの輸送経路についての検討
迂回要因についての判別分析・感度分析
まとめ
トラック貨物の迂回割合と
平均の距離差
迂回について
距離差について
全件数(件)
迂回する(件)
483398
53639
迂回する場合の
平均距離差
平均距離差
(km)
(km)
29.69
249.56
迂回割合
11.01%
迂回要因
迂回要因
ロットサイズ
時間単位
午前・午後単位
到着指定
日単位
指定なし
農水産品
林産品
鉱産品
金属機械工業品
品類
化学工業品
軽工業品
雑工業品
特殊品
工場
営業倉庫
自家倉庫
問屋店頭
小売店店頭
届先区分
卸売市場
建設現場
リサイクルセンター
個人宅
その他
輸送費用
自家用トラック
トラックの種類
営業用トラック
発着間距離
90
発着間距離(km)
10
0k
m
満
満
満
満
満
満
満
満
満
以
上
満
未
未
未
未
未
未
未
未
未
未
m
m
m
m
m
m
m
m
m
km
0k
0k
0k
0k
0k
0k
0k
0k
0k
00
90
80
70
60
50
40
30
20
10
10
~
~
~
~
~
~
~
~
~
m
m
m
m
m
m
m
m
m
0k
0k
0k
0k
0k
80
70
60
50
0k
0k
0k
0k
20%
40
30
20
10
発着間距離
迂回割合(% )
平均距離差(km )
25%
20
迂回割合
平均距離差
15
15%
10
10%
5%
5
0%
0
輸送費用
迂回割合(%)
平均距離差(km)
60%
25
50%
迂回割合
平均距離差
40%
20
15
30%
10
20%
5
10%
上
¥
50
00
以
満
未
¥
50
00
未
00
10
¥
¥
50
0未
満
満
満
\2
50
未
満
¥
10
0未
未
50
¥
¥
10
未
満
0
満
0%
1件あたりの輸送費用(円/km)
研究背景・目的
貨物の発着間距離の検討
トラックの輸送経路についての検討
迂回要因についての判別分析・感度分析
まとめ
説明変数
説明変数
データ型
ロットサイズ(品類の平均に対する比率)
往復の貨物量の比率
数量データ
輸送費用(件・km/トン)
発着間距離
日単位で指定
届先区分
午前・午後単位で指定
到着指定
時間単位で指定
指定なし
農水産品
カテゴリデータ
林産品
(0,1で表現)
鉱産品
トラックの種類
金属機械工業品
品類
化学工業品
軽工業品
雑工業品
特殊品
説明変数
工場
営業倉庫
自家倉庫
問屋店頭
小売店店頭
卸売市場
建設現場
リサイクルセンター
個人宅
その他
自家用トラック
営業用トラック
データ型
カテゴリデータ
(0,1で表現)
判別モデル(輸送費用なし)
標準化された正準判別関係係数
的中率:65.60%
係数が正:迂回
係数が負:迂回しない
説明変数
問屋
自家倉庫
営業倉庫
小売
届先区分
卸売り
その他
個人宅
リサイクル
農水産品
林産品
鉱産品
品類
金属機械工業品
化学工業品
軽工業品
雑工業品
トラックの種類
日単位
到着指定 午前午後
指定なし
発着間距離
貨物量の比率
係数
-0.066
-0.100
0.248
-0.246
0.245
0.045
-0.155
-0.009
0.006
-0.046
0.305
0.025
0.038
0.255
-0.202
0.324
0.472
0.354
0.317
0.375
0.011
判別モデル(輸送費用含む)
標準化された正準判別関係係数
的中率:63.90%
係数が正:迂回
係数が負:迂回しない
説明変数
工場
問屋
営業倉庫
小売
届先区分 卸売り
建設
その他
個人宅
リサイクル
農水産品
林産品
鉱産品
品類
化学工業品
軽工業品
雑工業品
日単位
午前午後
到着指定
時間単位
指定なし
発着間距離
貨物量の比率
ロットサイズ
輸送費用
係数
0.200
0.012
0.471
-0.119
0.286
0.048
0.085
-0.045
-0.011
-0.052
-0.068
-0.088
0.037
0.292
-0.266
0.497
0.435
-0.037
0.374
0.411
0.018
-0.013
-0.130
感度分析

貨物の発着間距離について

輸送費用について
発着間距離の変化による
CO2排出量変化
400
迂回割合(%)
48%
迂回をしなくなったことによる減少量
300
発着間距離が短縮したことによる減少量
CO 2 減少量(万トン-C)
47%
46%
45%
44%
200
100
0
0.80
比率
0.90
1.00
1.10
-100
43%
-200
42%
0 .8 0
比率
0 .9 0
1 .0 0
1 .1 0
1 .2 0
-300
1割短縮
-400
→約190万トンのCO2削減!!
1.20
運輸部門におけるCO2削減目標
施策
削減量(万t-CO2) 割合(%)
Ⅰ.自動車交通対策
2950 65.1%
(1)低公害車等の開発・普及および走行形態の感興配慮化
2060 45.5%
①省エネ法に基づく自動車の燃費の向上
1390 30.7%
②クリーンエネルギー自動車の普及促進
220
4.9%
③低公害車開発・普及の加速
260
5.7%
④アイドリングストップ装置搭載車両の普及
110
2.4%
⑤大型車の走行速度抑制
80
1.8%
(2)交通流対策
890 19.6%
①自動車交通需要の調整
70
1.5%
②高度道路交通システム(ITS)の推進
370
8.2%
③路上駐停車対策
***
***
④路上工事の縮減
40
0.9%
⑤交通安全施設の整備
70
1.5%
⑥テレワーク等情報通信を活用した交通代替の推進
340
7.5%
Ⅱ.環境負荷の小さい交通体系の構築
1580 34.9%
(1)モーダルシフト・物流の効率化等
910 20.1%
①内航・鉄道貨物輸送の推進
150
3.3%
②モーダルシフトの推進や輸送効率の向上
260
5.7%
③鉄道の利便性向上
30
0.7%
④物流の効率化
470 10.4%
(2)公共交通機関の利用促進
520 11.5%
(3)その他輸送機関のエネルギー効率の向上
150
3.3%
①鉄道のエネルギー消費効率の向上
40
0.9%
②航空のエネルギー消費効率の向上
110
2.4%
合計
4530 100.0%
研究背景・目的
貨物の発着間距離の検討
トラックの輸送経路についての検討
迂回要因についての判別分析・感度分析
まとめ
まとめ(貨物発着間距離について)
 貨物の平均発着間距離は延長しており、
1980年から2000年までで、約12%
延びている。
 平均発着間距離が最も長いのは製造業
で約135km、伸び率が最も高いのは
倉庫業で約30%である。
まとめ(トラックの輸送経路について)
 迂回する大きな要因は、
*貨物の品類が鉱産品・軽工業品である。
*時間単位での到着指定がされていない。
*貨物の発着間距離が長い。
*輸送費用が安い。
*営業用トラックでの輸送である。
ことであると分かった。
まとめ(感度分析について)
 感度分析の結果、発着間距離を1割短縮
することができれば、190万トンの
CO2削減効果が見込まれ、
それは運輸部門の削減目標量の
約4%に相当することがわかった。
ご清聴いただきありがとうございました。
品類
平均距離差(km)
4.5
迂回割合(%)
35%
迂回割合
平均距離差
30%
4.0
3.5
25%
3.0
20%
2.5
15%
2.0
1.5
10%
1.0
5%
0.5
0.0
品
殊
特
業
品
雑
工
品
工
業
軽
学
工
業
品
品
化
属
機
械
工
業
産
品
鉱
金
品
林
産
農
水
産
品
0%
ロットサイズ
迂回割合(%)
20%
15%
10%
5%
上
5.
0以
下
5.
0以
下
4.
5以
下
4.
0以
下
3.
5以
下
3.
0以
下
2.
5以
下
2.
0以
下
1.
5以
下
0以
1.
0.
5以
下
0%
各品類の平均ロッ トサイズ におけるロッ トサイズ の比率
到着指定
迂回割合(%)
20%
16.1%
16.6%
15%
13.2%
10%
8.7%
7.2%
5%
0%
日単位
午前・午後
時間単位
指定なし
不明
届先区分
迂回割合(%)
30%
平均距離差(km)
6
迂回割合
平均距離差
25%
5
5%
1
0%
0
そ
の
宅
人
ン
セ
ル
ク
イ
サ
リ
個
タ
場
現
建
売
卸
店
小
売
設
市
頭
店
店
問
屋
倉
家
自
営
業
倉
場
工
他
2
ー
10%
場
3
頭
15%
庫
4
庫
20%
トラックの種類
迂回割合 迂回する場合の平均距離差(km) 全体の平均距離差(km)
14.22
自家用トラック
0.67%
0.10
23.30
営業用トラック
12.78%
2.98
届先区分による
営業用トラックの分担率
届先区分
工 場
営業倉庫
自家倉庫
問屋店頭
小売店店頭
卸売市場
建設現場
リサイクルセンター
個人宅
その他
営業用トラック分担率
71%
86%
77%
81%
61%
67%
42%
15%
28%
70%
環境問題についての研究
トラックの性能の改善
モーダルシフト
判別モデル(輸送費用含む)の的中率
グループ重心の位置
<的中率>
迂回する
64.40%
迂回しない
61.50%
<グループ重心の位置>
関数
迂回する
迂回しない
+0.563
-0.116
全体
63.90%
貨物の発着間距離の変化
発着間距離変化
迂回しての輸送
最短経路
迂回経路
中継施設
CO2排出量の算出
C   c   W  D    
v r
i r j r
r
r
C
c
: CO2排出量
v : 輸送機関別CO2
排出量原単位
W
: 貨物流動量
i
j
: 発地
r
: レコード数
: 着地
D : 距離
輸送機関別CO2排出量原単位
輸送機関
鉄道
自家用トラック
営業用トラック
海運
航空
CO2排出量原単位
(g-C/トンキロ)
6
599
180
10
402
トラックの積載率
積載率(%)
60
55
自家用
トラック
50
営業用
トラック
45
40
合計
35
30
25
20
1980
年度
1985
1990
1995
2000
判別モデル(輸送費用なし)の的中率
グループ重心の位置
<的中率>
迂回する
65.50%
迂回しない
66.40%
<グループ重心の位置>
関数
迂回する
+0.716
迂回しない
-0.009664
全体
65.60%
輸送費用の変化による
CO2排出量変化
迂回割合
CO2減少量(万トン)
15
44%
44%
10
44%
44%
5
44%
0.50
44%
-5
44%
-10
44%
44%
44%
0.50
比率
0
44%
-15
0.70
0.90
1.10
1.30
比率
1.50
-20
0.70
0.90
1.10
1.30
1.50
確率密度
貨物の時間価値について
農水産品
林産品
鉱産品
金属機械工業品
化学工業品
軽工業品
雑工業品
特殊品
0.014
0.012
0.01
0.008
0.006
0.004
0.002
0
0.000001
0.0001
0.01
1
時間価値(円/時・トン)
100
10000
現状の輸送
迂回
+2トン
1+2=3トン
1トン
(積載率30%)
(積載率10%)
8トン
(積載率80%)
8トン(積載率80%)
トラックのキャパシティ10トン
迂回がなくなった場合
8+2=10トン
(積載率100%)
8+1=9トン(積載率90%)
トラックのキャパシティ10トン