リサイクル工学特論 http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ ~imai/recycle/recycle.html 第14回:H24年7月17日 今井 剛(環境共生系専攻) 1 第7章 p.119~p.140 第7章 有機物系廃棄物のリサイクル 7.1 プラチックのリサイクル技術 7.1.1 リサイクル方法の分類 ・2000年から容器包装リサイクル法によりPETボトル以外の プラスチック容器包装リサイクルが始まる。 表7.1-1 プラスチックリサイクル方法の分類 再使用・再利用 マテリアルリサイクル モノマー化 高炉還元剤 ケミカルリサイクル コークス炉化学原料化 化学原料化 ガス化、油化 燃料 サーマルリサイクル セメントキルン、ごみ発電、RDF ・マテリアルリサイクル 廃プラスチックをプラスチックのまま原料(ペレット)にして新 しい製品を作る技術 ・ケミカルリサイクル 原料・モノマー化技術 使用済みプラスチックを化学的に分 解して、原料やモノマーにまで戻し、再び樹脂にする。 コークス炉化学原料化 石炭を蒸し焼きにするとコークス、 油、ガスができる。このリサイクル方法は石炭の一部としてプ ラスチックでできた容器や包装を利用する方法 ガス化技術 プラスチックの主成分は炭素と水素である。こ のため、普通に燃やすと二酸化炭素(炭酸ガス)と水になる。 プラスチックのガス化の過程では、ガス化に必要な酸素と蒸 気を供給して加熱する。酸素が制限されているので、プラス チックの大部分は炭化水素、一酸化炭素、水素となる 油化技術 プラスチックは石油が原料なので、製造と逆の過 程をたどり石油に戻す。廃プラスチックを脱塩素機に通して 塩素分を取り除き、残りの炭化水素を熱分解して、分留後に 生成油を作る技術 ・サーマルリサイクル ごみ発電 焼却炉の余熱を利用して発電を行う RDF(Refuse Derived Fuel) 生ごみや可燃ごみや廃プラスチッ クなどから作られる固形燃料。RDFにすることにより焼却炉の 温度管理がしやすくなる利点がある。 RPF(Refuse Paper&Plastic Fuel) 主に産業廃棄物の古紙、木 くず、廃プラスチックなどを混ぜて圧縮、成形、乾燥して作ら れる新型固形燃料。原料のプラスチック分が多いため、カロ リーが高く、取り扱いが容易だといわれている。石炭や石 油、コークスの代わりに使うことができる。 表7.1-2 廃プラスチックの有効利用量 図7.1-1 廃プラスチックの排出量の内訳と 有効利用率の推移 ・排出量は最近10年間で2倍に増加 ・排出される割合 一般廃棄物:産業廃棄物=1:1 ・有効利用量は1996年より増加 ・有効利用の30%はマテリアルリサイクル ・産業廃棄物のほとんどがプラスチックくずなので廃プラスチッ クはサーマルリサイクル 7.1.2プラスチック油化 1)歴史と背景 「スターダスト‘80」プロジェクト 混合ごみからプラスチックを選別し、熱分解して燃料化す る技術を研究 生成油の品質が悪い、コストがかさむ、石油価格が回復 実用化にいたらず・・・・・ 最近はプラスチック容器包装材の再利用技術として実用化!! 2)原理とプロセス 図7.1-2 廃プラスチック油化の基本的なフロー ①前処理→②脱塩素→③熱分解→④分流→⑤残渣処理 →⑥塩素回収 現在、容器包装プラスチックの再商品化法としては他の技術に 比べて競争力が劣り、処理プラントは増加していない 7.1.3 高炉還元剤利用 製鉄用高炉において、鉄鉱石還元用のコークスあるいわ微 粉炭の代替材として廃プラスチックを使用するもの 図7.1-3 廃プラスチック高炉原料化のフロー ・フィルム状プラスチック 溶融造粒機において高速回転刃で切断→摩擦熱で溶融 →冷却して粒子 ・固形プラスチック 破砕後粉砕機で粒子を揃える(この過程で異物も除去) →高炉の羽口から吹き込まれ、CO、H2の還元ガスになり鉄鉱 石を還元する 7.1.4 コークス炉化学原料化 製鉄所の高炉用コークス炉に、石炭の代替物として投入し、 熱分解によって炭化水素油、コークス、コークス炉ガスとして 有効利用する方法 ・前処理 異物除去→粗破砕→異物、PVC除去→破砕→減容、成形 →原料 投入されたプラスチック→熱分解→炭化水素油、コークス、 コース炉ガス 7.1.5 ガス化による化学工業原料化 廃プラスチックをガス化し、H2、COを主成分としたガスを生成 ガス化溶融(6.2.4節参照)とガス精製を組み合わせたシステム 塩化ビニルを除去せずに投入可能 ・手順 ①破砕して簡易成形 ②低温ガス化炉で部分酸化、不燃物除去 ③ ②で生成された炭化水素、CO、CO2、H2を主成分とする ガスを高温ガス炉で改質してCO、CO2、H2を主成分とする ガ スにする ④水冷却をおこない溶融された固形分をスラグ化、同時 にガスに含まれる塩化水素を除去 ⑤生成ガスをガス冷却塔で水洗いし、塩化水素を除去 ⑥循環水中の塩化水素を塩化アンモニウムとして回収 7.1.6 PETボトルのモノマーリサイクル 2001年にPETボトルの再商品化方法として、化学分解による 原料化が認められる プラスチックを化学分解して原料に戻す方法 ・DMT法について 図7.1-4 PETボトル化学分解による原料化(DMT法) 粉砕・洗浄→エチレングリコールを加えてBHETに解重合 →得られた粗BHETをメタノール中で再結晶→DMT蒸留工程 →高純度DMT 7.2 生ごみ資源化技術 生ごみ・・・・・食品の調理くず、非可食部分、食べ残し、 食品廃棄物 生物分解性が高い、肥料成分、栄養成分がある 特徴を生かした資源化技術→堆肥化、メタン発酵、飼料化 7.2.1 高速堆肥化 1)堆肥化プロセスと影響因子 野積み法・・・・・単に堆積しておき、自然に堆肥化させる 熟成までに時間がかかる、広いスペースが必要。 腐敗性のない家庭ごみには有効で土壌改良材に利用 生ごみなどの廃棄物には短時間で堆肥化反応を進める高 速堆肥化技術が一般的 堆肥化反応の影響因子 ①温度・・・・・50~60℃ ②水分・・・・・初期含水率を60%程度に保つ ③C/N・・・・・投入時に30~35が最適 ④酸素濃度・・・・・流出ガス中で10%以上が必要 有機性廃棄物は水分が高く、それにより通気性が悪化し、酸素 の利用を妨げるので、もみがら、おがくずなどの乾燥した副資 材で水分調整を行う場合が多い 都市ごみのC/N比は10~30程度なので炭素源としてC/N比調整 に使うことができる。 温度は微生物活動が活発になると自然に上昇する。 ・装置的には、内部を好気状態にするために通気を行う。過度 の通気は温度の低下につながるので注意 ・一時発酵段階での通気量は50~200L/(min・m3)が最適 ・堆積層の切り返しは槽内の均一化、微生物と有機物の接触を 促進、全体を好機状態に保つために重要 横型発酵槽・・・よく使われている。 図7.2-1 堆肥化発酵槽の例 堅型多段式・・・密閉式なので 建物内の臭気の問題がなく、 スペースが小さくてすむ ・一次発酵・・・横型発酵槽14、縦型発酵槽5 ・二次発酵・・・野積み式 熟成期間2~3ヵ月 ・原料として混ぜるもの・・・下水汚泥、家畜ふん尿 ・水分調整材・・・もみがら、バーク、おかくず ・製品堆肥量・・・投入物が厨芥のみ→5%程度 副資材を多くする→20~30% ・脱臭方法・・・薬液洗浄法、直接燃焼法、吸着法 図7.2-2 高速堆肥化施設のフロー例 2)堆肥化の原料 堆肥化原料となりうる有機物性廃棄物 有機汚泥物、食品加工残渣、林業残渣、畜産廃棄物 ・一般廃棄物に対してのごみ処理施設としての高速堆肥化施 設は、40施設程度にすぎない ・都市ゴミ堆肥化量は、ごみ処理方法として燃焼による処理量 を100とするとわずか0.14にすぎない 「質の良い堆肥をつくるための住民の協力」 「水分調節のための副資材入手」 「生産された堆肥の需要先確保」 上の項目が必要 ごみを堆肥にすることによりイメージが悪い、化学肥料の散布装置が使用できない等の 理由による需要の低下も問題 山形県長井市 ・市全体で約9700世帯のうち、市街地で 5000世帯が対象 ・仕組みは、各家庭で排出される生ごみ を専用の水切りバケツで分別し、ごみ収 集ステーションで週2回収集。 図7.2-3 山形県長井市の堆肥化システムフロー ・畜産農家から畜糞、稲作農家からもみ殻を収集し、コンポストセンターに集 めらた生ごみと併せて、腐葉土などに含まれる地場の土壌菌により発酵処 理し、堆肥を生産(年間500t)。2500tの原料から500tの堆肥ができる。1程は 約80日 ・出来あがった堆肥は、320円/15kg(家庭菜園向け)、4000円/t(農家向け)で 販売。 ・堆肥を使用している農家からは、病気が減り、土が軟らかくなったという評価 3)堆肥の品質基準 ・生ごみを原料としたコンポスト(堆肥)は、肥料取締法上の特殊 肥料である「たい肥」に該当する ・1997年7月に肥料取締法の改正により「たい肥」、「家畜ふん」 については品質表示が必要 ①肥料の種類・名称 ②成分の含有量(窒素、リン酸、カリなど) ③原料の種類(牛ふん、稲わら、家庭系ごみなど) ・おでい肥料および特殊肥料については肥料取締法の「特殊 肥料等の指定」により、ヒ素、カドミウム、水銀が全量規制 ・現在生ごみ堆肥は特殊肥料中の有害物質規制値および「金 属等を含む産業廃棄物の溶出基準」を満たさないといけない 有害物質規制値・・・ヒ素50mg/kg以下、カドミウム5mg/kg以下、水銀2mg/kg以下 7.2.2 生ごみのメタン発酵、バイオガス化 1)メタン発酵のメカニズムと発酵条件 メタン発酵は嫌気性状態で有機物を分解しメタンガスを取り 出す技術→嫌気性消化とも呼ばれる。 ・プロセス ①加水分解 ②酸生成・・・・・酸生成菌 ③水素・酢酸生成・・・・・水素生成酢酸生成菌 ④メタン生成・・・・・メタン生成菌 メタン発酵には温度、pH、有機物の組成などが重要 中温発酵(30~45℃) 高温発酵(50~60℃) C/N比・・・10~20が最適 C/P比・・・100程度 pH・・・6.8~7.5 2)メタンガス発生量 (1)理論ガス発生量 メタン発酵には、さまざまな中間生成物を経由する分解経 路がある。 いずれも同じ最終産物を生産 有機物ごとにガス発生量、組成を求めることが可能 炭水化物のガス発生量→790mL/g メタンガス:CO2=1:1 ・Buswellは発生するガスの発生量と組成を予測する式を提案 CnHaOb+(n-a/4-b/2)H2O →(n/2+a/8-b/4)CH4+(n/2-a/8+b/4)CO2 (2)実際の有機物からのガス発生量 廃棄物を原料とする場合は、水分、組成、有機物の分解率 によってガス発生量が異なる。 表7.2-1 各種有機性廃棄物のメタンガス発生量 日本での文献調査によると、それぞれのメタン発生量は都市 廃棄物で0.27~0.55、野菜残渣0.25~0.35、下水汚泥0.18~ 0.37、動物糞尿0.13~0.35m3CH4/kgVS ・厨芥ごみに対するガス発生量は経験的に100~150m3/t、メ タン濃度50~70%、発熱量21000~25000kJ/m3N程度 (3)廃棄物処理への適用 メタン発酵の利点 高濃度廃水処理が可能、装置が簡単で処理残渣発生量が 少ない。 しかし・・・ メタン菌の増殖が非常に遅い、固形廃棄物の可溶化速度が 遅いため、処理時間が20~30日と長くなる などの短所もある。解決法としては。。。 増殖速度が遅い 増殖速度が速い酸生成プロセスとメタン生成プロセスの分離 装置内メタン菌濃度を高めるためのセラミックスやプラスチッ クなどの固体表面への菌の固定あるいは造粒化 可溶化速度が遅い 粉砕・選別を前処理として行う ・最近では有機性廃棄物(厨芥)へのメタン発酵の適用が試み られている ・前処理として破砕と選別を行う ・発酵槽→表7.2-2参照 ・メタン発酵後の固形残渣は2~4週間熟成し、脱水後にコンポ ストとして使用する ・ろ液は廃水処理したのち放流 ・ヨーロッパでは発生ガスは精製圧縮して 多目的に利用されている。 表7.2-2 メタン発酵の分類 図7.2-4 厨芥メタン発酵プロセス一例 ・1997年より従来のし尿処理施設を拡大した「汚泥再生処理セ ンター」が国庫補助対象となった。 汚泥再生処理センター 生ごみをし尿や浄化槽汚泥と一緒に処理し、エネルギー有効 利用を目的としている ・高温・押出し型のKOMPOGASプロセスを採用している実証施 設の概要 図7.2-5 生ごみメタン発酵の物質収支 7.2.3生ごみの飼料化 1)飼料化の方法 ①発酵乾燥方式 生ごみに水分調整材として米ぬか、配合飼料などを混合し、 発酵菌を加えて約80℃の高温熱風下で4~5時間攪拌する。 ②蒸煮乾燥方式 生ごみを反応槽に入れ、蒸気を吹き込んで加熱蒸煮し、固 液分離を容易にする。その後固形分と液体分に分け、固形 分を外部熱源で乾燥する。 ③湿式発酵方式 生ごみを粉砕し、水分を加えてコーンミール等を添加する。 約120℃のスチームジャケットで高温高圧の殺菌処理を行う ④乾熱乾燥方式 完全燃焼された燃焼ガス流を吹き込む、酸素欠乏状態なの で対象物は燃焼することなく急速に乾燥する。 2)油温減圧乾燥方式 原料に廃食用油を加え攪拌配合し、加熱することによって減 圧状態でも水分を蒸発させるもので、「てんぷら」の原理を応 用してものである。 ・処理工程 処理はバッチ式の1工程90分 ①生ごみを破砕 ②廃食用油と混合 ③反応容器で減圧、加熱 ④重力、加圧脱油によって 固形分と油を分離 図7.2-6 生ごみ飼料化プラントのフロー ⑤乾燥された生ごみを破砕 ⑥ふるい下を冷却したのち製品ホッパに貯蔵→出荷へ ・間接熱媒体(廃食用油)は、生ごみには油分が含まれるので 多く必要としない。 ・低濃度臭気は酸洗浄塔、アルカリ洗浄塔で処理を行う。 ・蒸発水分凝縮液、高濃度臭気は発生箇所で直接吸引し熱分 解処理を行う。(燃料は重油や余剰媒体油) ・凝縮水のBOD、CODは最大で数千ppmで、活性汚泥法で処理 処理対象(事業系の生ごみ) 食品製造業、デパート・スーパー、食品小売店、病院、ホテル 飲食店など 一日50トン処理 約10トンの飼料原料を製造 ・1998年では食品製造業がごみの量の62%でデパート・スーパ ーが12%を占めている ・生ごみ等のリサイクル製品が配合飼料原材料として販売する ためには「飼料安全法」に基づいて農水省の認定が必要。 ・油温減圧乾燥方式で製造された製品は生ごみを原料とするも ので2000年に「食品副産物」という飼料名で認定 表7.2-3 「食品副産物」の暫定値 ・飼料については鉛・カドミウムの有害物質指導基準(魚粉 7.5ppm、肉粉2.5ppm)に定められている。 施設の調査では ほとんどの排出基準対象成分が定量限界以下(凝縮水も含む) 可溶性塩素は0.4~1.1%の範囲 製品中の異物量は0.7~2.5% 7.3可燃物の資源化技術 主成分としてC,Hを含んでいる可燃物は固形燃料、熱分解ガ ス、熱分解油、炭化物として再利用可能である。 7.3.1 RDF化の歴史と目的 RDF・・・破砕・選別など何らかの前処理を行ったもの 表7.3-1 RDFの分類 ・米国ではRDF-3が日本ではRDF-5が一般的 ・日本でのRDF製造は、まずプラスチック、紙、バークなどの事 業系廃棄物を原料として1980年代前半から始めた。 家庭系ごみは1980年代後半から 2)ごみ固形化プロセス RDF製造の主なプロセスは破砕・選別・成形の3つである。 水分の多い厨芥などを原料とする場合は乾燥も必要。 処理フロー例 ①金属類の除去 ②二軸破砕機で5cm程度に一次破砕 ③乾燥(水分を10%程度にする) ④風力選別で土砂、金属を除去 ⑤二次破砕で2cm以下にする ⑥保管時の腐敗防止、燃焼時の塩素除去のため消石灰を1% 程度添加 ⑦加圧成形→常温まで冷却 直径(大)・・・・スクリュー式 直径(小)・・・・・リング・ダイ、石臼方式 3)RDFの特性 厨芥を原料とした場合のRDFの特性 低発熱量:約16800J/kg、かさ密度:0.6~0.7t/m3 灰分:11~15%、燃料比:0.14~0.16 表7.3-2 RDFの特徴 ・ごみ焼却施設での発電は、経済 的にある程度の規模が必要。 ・熱利用先も施設周辺のみ ・RDF燃料の製造は、ごみのハン ドリング性が増すとともに輸送・貯蔵性が高まるので、エネル ギー利用の場所的、時間的自由度が広がる。 ・均質なので燃焼が安定しやすい。 ・焼却残渣も減少 ・NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の調査より、燃 焼時の空気比は1.3~1.4、石灰の混合によって排ガス中の硫 黄酸化物Sox濃度は3ppm以下、塩化水素HCl濃度はごみ焼却 の1/3~1/8に低減される。 表7.3-3 RDFに関する標準情報 4)施設設置状況 ごみ固形化燃料施設は1993年に国庫補助対象になってから 増加した。(1999年で一般廃棄物処理施設として全国で30施設) ・規模は大部分が50t/d以下で20~30t/dのものが半分以上 ・RDFの利用先は保養施設、学校、プール、などの自治体関連 施設と製紙工場、セメント工場、製鋼所発電などの事業用利 用とに分かれている ・事業系ごみを原料とする施設としては木くず、紙、廃プラスチ ックを4:5:1で混合し、200t/dの規模でRDFを製造している札 幌市の施設が最大であり、事業系ごみのうちRDFに適したご みを処理料金の安い「資源ごみ」として認定しており、地域熱 供給、製紙工場で利用されている。 ・廃プラスチックを原料とするRDFをRPFと呼ぶことがある ・ごみ燃料化は最近では、広域処理においてサーマルリサイク ルを進めるための方法と位置付けられている。 ・RDFはごみと比べて低位発熱量が高く、性状が安定しているた め高温蒸気を得やすいので、発電効率を高くすることができ る。 ・RDF製造施設の建設費、運転管理費は従来の燃焼処理と同 等、またはそれ以上でるので、コスト的に改善が必要。 表7.3-4 RDF発電事業の導入事例 7.3.2 炭化 有機物は熱分解で①炭化水素、一酸化炭素などの可燃性ガス ②有機化合物を含むタールまたは油③チャーに分解される。 最近、炭化を目的とした技術開発が行われる。 ・これまでに廃棄物の炭化としては、林産廃棄物、鉱物系、農 畜産廃棄物、食品工業廃棄物などが対象 ・原料中の可燃分割合、固定炭素と揮発分の割合により炭化 率は変化する。 ・可燃物割合が高いほど炭化原料に向いている。 ・燃料比が小さい原料は炭化率が低い。 ・プラスチックのうちPE、PS、PPは加熱するとほぼすべてガス化 し、炭化物はほとんどできない。 ・都市ごみ熱分解では500℃で、炭化率が最大となる。 図7.3-1 廃棄物炭化施設のフロー ①100~150mm程度に破砕 ②含水比10~20%程度に乾燥 ③400~500℃で熱分解 ④熱分解ガスをガスバーナーで全量を燃焼処理 ⑤熱分解残渣は冷却し、鉄・アルミやがれきを分離回収 水洗いで塩素を除去したのち、炭化物を貯留する 廃棄物焼却と比較すると、廃ガス量、飛灰発生量は1/2~1/3で あり、ダイオキシン類濃度は排ガス0.01ng-TEQ/m3N以下、 飛灰中0.06ng-TEQ/g以下で低いといわれている 表7.3-5 炭化物の性状分析例 ・化学組成は石炭に類似している ・燃料比はやや高程度 ・灰分割合が高いために発熱量は 一般炭よりも低い ・塩素は洗浄後でも石炭の10倍 炭化材の用途 炭化材の用途 吸着性、還元性、土壌活性、断熱性 熱吸収性、炭素分 ・一般的に有機物炭化の目的として多いのは活性炭製造 ・もっとも可能性が高いと思われるのは燃料としての利用で、火 力発電所、セメントキルン、製鉄所などでの利用が考えられる ・今後は品質を高めるため、灰分の分離が課題である。
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