LC/TOF-MSを用いた臭素系難燃剤の分析 横河アナリティカルシステムズ(株) 〇滝埜昌彦 熊谷 浩樹 背景 1. ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)はプラスチック製品や織物 製品などの消費材に広く使用されている難燃剤で、油や脂質へ の溶解性が高いことから環境中での残留、生物濃縮が懸念ざれ ている。 2. 分析法にはGC/MSが主に使用されているが、GCを使用した分 析手法の場合、臭素の多いPBDEは感度が悪い、分析カラム中 で分解するなどの問題点も多い。 目的 3. 一方、分離手法にLCを用いた場合、分解が少なく精度の高い分 析が可能であるが、分離の点でGCと比較して劣ることから選択 性の高い測定法が不可欠である。 精密質量測定及び高分解能測定が可能な飛行時間型質 量分析計(TOF-MS)を用いたLC/MSによるPBDE類の 分析法の検討を行った。 検討項目 1. イオン化法の最適化 (ESI,APCI,APPI) 2. TOF-MSによる精密質量測定 3. TOF-MSによる微量分析 4. 固相抽出法による河川水中微量PBDEの濃縮法 DBDEの精密質量スペクトル 結果 Intensity, counts ×106 2.6 Br Br Br 894.2461(M-Br+O)- Br 2.2 Br 1.8 O Br 1.4 Br 1.0 Br 0.8 Br Br 486.5828 0.2 200 300 400 500 600 m/z, amu 700 800 モノアイソトピック イオンの理論精密質量 : 886.2554 実測強度 : 4000cps ×106 2.4 1.8 900 1000 1100 894.2461 896.2439 892.2481 898.2422 1.2 ベースピークイオン : C1279Br581Br4 実測値の相対質量誤差 : 1.2ppm 0.6 890.2504 900.2404 888.2535 884 888 892 896 900 904 908 912 結果 各PBDEの精密質量マスクロマトグラム(0.1ppm) Deca-Br 2800 Hepta-Br Nona-Br Hexa-Br 2400 Tetra-Br Penta-Br m/z=894.22-894.24 Intensity (cps) 2000 m/z=814.31-814.33 1600 m/z=736.40-736.42 m/z=658.49-658.51 1200 m/z=580.58-580.60 800 m/z=500.68-500.70 Tri-Br 400 m/z=420.88-420.92 0.2 0.6 1.0 1.4 1.8 2.2 2.6 3.0 3.4 Retention time (min) 3.8 4.2 4.6 5.0
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