自治を回復し、 まち・むらの課題を、 まち・むらの力で解決するために - 協働と総働の基礎を再確認する IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 代表者 川北 秀人 http://blog.canpan.info/iihoe/ IIHOEって? 組織目的: 地球上のすべての生命にとって、 (1994年) 調和的で民主的な発展のために 社会事業家(課題・理想に挑むNPO・企業)の支援 隔月刊誌「NPOマネジメント」発行 育成・支援のための講座・研修 地域で活動する団体のマネジメント講座(年100件) 行政と市民団体がいっしょに協働を学ぶ研修(年60県市) 企業の社会責任(CSR)の戦略デザイン ビジネスと市民生活を通じた環境問題の解決 2020年の地球への行動計画立案 専従3名+客員1名、東京(新川)、約3500万円 牧野市長のお話から 子ども議会でも熱心な質問 来年度からモデル地区で検証 1100㎢、毎朝の除雪600㎞ 高齢者行方不明者「捜索」訓練 自治会が地域づくりの基礎 商工会議所通じ登録呼びかけ やさしい・たくましい・新しい 地域担当職員 管理職120名 3本の木に36の実りを 独居高齢者 全戸訪問 健康長寿日本一のまちへ 災害時要援護者名簿 作成着手 コミュニティ再生+自治会活性 自主防災組織 設立(31+4/72) まちづくり基本条例 地域自らパークゴルフ場造成! 「健康スポーツ都市」宣言 各地域から提案を! 健康長寿推進室(部門横断) コスモスロード:国公大臣表彰 +保健師 地域担当制 みどりの散歩道 福祉センター 温浴施設に併設 今後の医療は(施設から)地域! 「サフォーク・ジム」 市内各地に TPP影響 生産+関連業で135億円 2人1組の福祉パトロール 食料自給率600% →各自治会実施へ(45/72) 自治会役員引き継ぎ しっかりと まちの力は、関係の密度がつくる! 人口密度より人「交」密度! 町(区域)でも街(建物の集まり) でもなく、「まち」:人と人との関係 「衣食」「住」の次は、「医移職充」 衣食は外から持ち込み配布も可能 住の安心は、建物だけじゃない! 今後の医療は予防がさらに重要! 移動・職業・充実は、関係そのもの 田上・長崎市長のお話から(管理職研修) 協働は「発想」から! 一人芝居から、プロデューサーに! 事業・業務の執行段階だけでなく、連携・紹介でも成果に 「自然環境を守る・育てる」課の目的→市民はパートナー 特別なことじゃなく、日常・普段の仕事の進め方として 行政「だけ」で事業・予算→成果を大きくするために転換を 周囲の人びとが資源に見えてくる→誰に何ができるか 市民とコミュニケーションする力! 市民が求めるのは「普通の言葉で会話できる職員」 「制度の説明だけ!」、「自分の担当だけ!」、「コロコロ異動する 職員より、自分のほうが詳しい!」 「この申請に来たのはなぜか?」にまで遡ることで、より深い解決 や満足に結び付く トラブルを減らす&市民の喜びを高める・増やす! 竹山・堺市長のお話(区長・局長・部長&中堅職員対象) ・憲法が保障する地方自治(第94条) → 他から干渉されない団体自治から住民自治へ ・自然権としての基本的人権(ルソー)と同様に、 地域も自治を志向した時点で地域主権(×地方分権) ・「基礎自治体優先」「自助+補完性」「近接性」原則 (欧州自治憲章:公的責務は、市民に最も身近な地方 自治体が優先的に履行する)→民主主義の基本 → 権限と財源は現場に!→手が届く都市内分権を ・人が人を支える社会、お任せ民主主義からの脱却 → 強力なリーダー待望論は日本を滅ぼす → 自立=相互依存(inter-dependent 阪大 鷲田教授) ・ドライバーは市民。職員はナビゲーター。知るため現場へ ・見て見ぬふりしない、おせっかいな市職員に! 2020年の世界・日本は? 中国のGDPは、日本よりいくら多い? 原油、鉄、レアメタルなどの価格は? 日本の国民一人当たりGDPは何位? 日本の高齢者率は? 国債の残高は? 既存インフラの補修コストは? 橋:15m以上が15万か所!→20年には25%以上が50年経過! 施設:700㎢以上!→市町村管理が半数以上、30年以上が3割! 下水道:陥没は年5000か所以上! 道路、ダム、住宅、上水道、電力、鉄道、・・・ 社会保障(医療・介護)費は、いくら増える? 消費税は、いくら必要? 延長線上で考えるな! 日本のGDPが世界に占める割合が最大だったのは? 2013年に日本のGDPが世界に占める割合は? では、2018年には? 同年、中国のGDPは日本の何倍? 同年、ブラジルの1人当たりは、日本のいつと同じ? それは、韓国のいつと同じ? 士別市も、これまで20年と、これから20年は違う 1990年 計(人) 0~14歳 15~64歳(A) 2000年 A÷B 75歳~ 2020年 2030年 28162 24991 21787 18772 15700 ▲27% ▲22% 4884 3291 2584 1823 18754 15503 12069 1309 ▲49% ▲47% (生産人口) 65歳~(B) 高齢者率 2010年 9363 7548 ▲37% ▲35% 4523 6197 7134 7586 6843 16.1% 24.8% 32.7% +57% 40.4% 43.6% ▲4% 4.1人 2.5人 2671 1.6人 3771 1.2人 4368 1.1人 4566 +41% +15% +4% 2020年の士別市は? 高齢者率は?→ 40.4%(全国より40年早い)! 高齢者1人を支える生産人口は、わずか1.2人! 75歳以上は?→4368人(市民の4人に1人)! ヘルパーなど、福祉の担い手をどれだけ必要? 社会保障(医療・介護)費は、いくら増える? 高齢者の健康=地域の資源+資産! 生産人口は?→22%減(00年比 39%減) ! 既存インフラの補修コストは? 市税収入は? 道路、橋、公営住宅、上下水道、庁舎・施設、・・・・ 市債残高は? 消費税は、いくら必要? 士別市の高齢者・後期高齢者のくらしは? 2000年 人口(人) 高齢者 後期高齢者 世帯数 高齢者単身 2005年 2010年 2015年 2020年 24,991 6,197 2,671 23,311 6,763 3,238 21,787 7,134 3,771 20,252 7,541 4,156 18,772 7,586 4,368 10.7% 13.8% 17.3% 20.5% 23.3% 9,449 796 9,398 968 9,100 1,153 8,634 1,288 8,086 1,331 206+590 227+741 260+893 286+1003 293+1038 後期高齢者 単身 377 540 665 753 802 90+287 124+416 147+518 163+588 173+629 後期単身率 14.1% 16.7% 17.6% 18.1% 18.4% 高齢者夫婦 1,009 219 19.1% 1,264 349 23.7% 1,390 480 27.9% 1,498 570 32.3% 1,523 620 35.3% 後期 夫婦 高齢世帯率 士別市の財政はどう推移する? 単位:億円 05年度 歳入 市税(対 歳入) 個人(同) 法人(同) 固定資産(同) 地方債 163 22(13%) 5( 3%) 2( 1%) 10( 6%) 16(10%) 歳出 職員給与 160 21 職員数 公債 公営事業繰入 (国民健康保険) (介護サービス) (病院) (下水道) (他(介護保険等)) 扶助費(対 歳出) 23 21 ( 3) ( 1) ( 5) ( 4) ( 5) 12( 10年度(05比) 180 22(12%) 7( 3%) 1( 0.9%) 10( 5%) 21(12%) 171 15(-27%) 333 289(-13%) 22 29 ( 4) ( 1) (12) ( 3) ( 7) 7%) 15( 9%) 将来負担(対 税収・年) 236(10.6) 236 地方債残高 13 支出予定 13 積立金 213(9.6) 233( - 1%) 5(- 62%) 24(+87%) 11年度(同) 165 22(13%) 7( 4%) 1( 0.7%) 10( 6%) 17(10%) 15年度? 10年 個人住民税 32,392円/人 生産人口 10年比 -12% 05年比 -23% 159 人件費・扶助費・ 16(-25%) 公債費を除く 291(-12%) 歳出額(≒調達額) 22 94億円(59%) 26 後期高齢者 ( 2) ( 0.9) 10年比 +10% (10) 05年比 +28% ( 3) ( 7) 17(10%) 207(9.4) 10年 980,499円/人 230( - 2%) 5( - 57%) 28(+117%) まちの「サバイバル」力を どう維持するか まちの売上高トップ10は、どう変化したか? 10年前、現在、10年後のトップ10は同じか? まちの競争力は、どう維持・向上するのか? まちの競争力は、誰が支えるのか? 地場産業は、まちの競争力を高める力となるか? 変化の中で、資源を活かせる産業は何か? 子どもに、どんな仕事を「本気で就業体験」させるか? まちの競争力を支えるために、行政は何をすべきか? まちの競争力を支えるために、企業は何をすべきか? くわしくは「NPOマネジメント」第29号「まちのマーケティング」参照 まちづくりは、誰のため? 何のため? あいさつできる関係づくりのため 子どもたちの世代が誇りを持って 暮らし、働くため 20年で人口が半減した町で、小中学生が 農畜漁林業の生産・販売を体験し、町長 に提言する年50時間以上の町おこし授業 (北海道・浦幌町、「NPOマネジメント」第63号参照) 災害時などの安心のため 障碍者・高齢者のための「避難支援」と 「避難所の課題確認」訓練(別府市) 中西会長、濱中会長のお話から(三重県尾鷲市) 【そばこ会】 「山が海の手助けをしよう」 →手引き通りの訓練から「他地域受け入れ」訓練へ ・つながりの大切さ→孤独死させたら紀州人の恥! ・行政に頼るのは無理→各集落で1000食備蓄 ・手をつながないと、絆(きずな)はできない 【遊木町自主防】 地域内の団体の連携 ・まち協発案で運動場・公園に「かまどベンチ」設置 →流木を燃料に訓練→スグレモノ!と判明 ・日常の取り組みから減災を! → 健全な危機感と、実践を通じた連携力の高さ! 元気な地域は、人数ではなく姿勢が違う 自分が住み続ける地域の未来の ために、本当に大切なことを 実現できるように、全力を尽くす。 出し惜しみしない できないフリしない あきらめない 「誰かがどうにかしてくれる」なんて 甘えない 地域産業は狩猟か・農耕か? 本当にすごい観光地は、自ら地域を耕している たとえば、由布院の溝口さん、中谷さん、時松さん たとえば、山形・庄内の風間さん、奥田さん、金子さん たとえば、別府の菅さん、鶴田さん、野上さん もはや、牡蠣の養殖業者でさえ、森を守る時代! → 地域をむさぼる産業から 地域を耕す産業(Communi-culture Industry)へ 自治会・町内会は、 行事を半減して、事業=福祉+経済を! 【現在】 親睦も安全も福祉も行事の連続。。 →地域の住民が気軽に付き合い、 日常生活に必要な情報交換や 安全確保などを行なうとともに、 地域生活をより快適にするため、 自主的・自発的に共同活動しな がら、まちづくりを進める。 問題解決 (交通安全、防火・防災、 防犯・非行防止、資源回収) 生活充実 (福祉、青少年育成、 健康増進、祭礼・盆踊り、 運動会、文化祭など) 環境・設備維持 (清掃・整備、 集会所管理など) 広報・調整 【今後】 「小規模多機能」自治! →行政機能の集約化を補い、 住民減少・高齢化などに伴い 必要性が高まる安全・安心の 確保のための「適地適作(策)」 型の地域づくりを進める。 共通の「基本機能」と 独自の「魅力づくり」 ・最小限の安全・安心の維持 ・文化・伝統の継承 ・経済的な競争力の維持・向上 雲南市の地域自主組織のすごさ ・「公民館」から「地域交流センター」へ 共益的な生涯学習施設から、自治の拠点へ ・「小規模多機能」自治 合併による「行政機能の集中・効率化」を補う 「適地適作(策)」型の地域づくり 幼稚園放課後の預かり保育(海潮) 閉店された農協跡で産直市&100円喫茶(中野) 共通の「基本機能」と独自の「魅力づくり」 最小限の安全・安心をどう維持するか? 文化・伝統をどう残すか? 経済的な循環・競争力をどう維持するか? 真地(まーじ)団地自治会(那覇市) ・1981年開設の市営住宅、400世帯 ・車両部で買物支援 「移動も寄り道も生きがい」、今後は役所にも! ・2011年度に「地域福祉部」新設! 「第1次福祉計画」(11-13年度): 見守り、活性化、運行、資金造成 ・見守り:同棟の支援者、新聞・宅配も協力 ・木曜:「ふれあいデイサービス」(14-16時) ・金曜:「百金食堂」(100円昼食会) ・土曜:カラオケ! 独居高齢者のための 厳冬期限定共同住宅「のくとい館」 (岐阜県高山市) ・全14室、各室に台所・浴室完備、月額2万2千円 朝夕食は食堂で ・旧・教職員住宅を活用(08年12月) ・市社協の提案+国交省「新たな公」補助金で実現! ・「まちなかに暮らす息子と同居しても、 知り合いがいないけど、ここだと一日が早い」 行政は総働をどう促すか? (団体自治偏重から、住民自治充実へ) 地縁団体は「行事・活動→事業」 「役割・運営→経営」へ 行政は「要望を聞いて対応 →事業と組織の経営支援: 定量情報の提供+基盤の整備」 (→地域が自ら現状を理解して、 小規模多機能化を進める支援を) 地域が「自治=経営」者として自ら現状を知り、 小規模多機能化を進めるために まず行政がすべき準備 ⓪小規模多機能自治の必要性を 首長・議会・職員に徹底する ← 長期見通し(±10年)をつくる +地域状況を定量化・相対化する +先進地域から学ぶ ①小規模多機能自治を促す制度 ・施策をつくる (例:公民館→自治拠点) ②小規模多機能自治の必要性を 住民に伝え、取り組みを促す ③「自慢大会」や「円卓会議」で 状況や知恵の共有を促す ④次世代育成を促すために、 雇用者に働きかける 地域が自ら進めるべき取り組み ①地域状況を長期的・定量的・ 相対的に把握・共有する(知る) ②地域内外から学び続ける 地域の詳しい見通しをつくる (後期)高齢者率、独居世帯率 →買物、移動、見守り、配食、 清掃・雪下ろし、耕作放棄 など 生活必須ニーズの推移予測 ③行事・会議・組織を棚卸しする 地域の行事(小規模も含む)、 会議、組織をすべて書き出し、 労力(=時間)を可視化する ④多機能化の取り組みを進める ⑤組織づくりを進める
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