第4章 プライマリー・マーケットにおけるCBA

5章 プライマリー・マーケットにおけるCBA
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5.1 実際上の測定値と理論的な測定値
5.2 政策の結果の評価
5.3 生産要素の機会費用の測定
5.4 プロジェクトが政府の歳入に与える影響
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プライマリー vs. セカンダリー
ある政策の「外生的な所得」を変化
させる効果以外の効果に着目する。
1.
プライマリー・マーケット
=ある政策の直接的な影響を受ける市場
=その政策で、他市場での価格変化がなくても 、需要または供
給曲線がシフトする市場
2.
セカンダリー・マーケット
=ある政策の間接的な影響を受ける市場
=その政策による他市場の価格変化を通じて、需要または供給
曲線がシフトする市場
(例)政策=新しい地下鉄網の建設
プライマリー= 公共交通の市場、資材の市場
セカンダリー= ガソリン市場
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5.1 実際上の測定値と理論的な測定値
本章 ⇒ 理論的に正確な測定値を求める方法
1.
完全競争市場
⇒市場価格≒社会的限界便益(費用)
2.
外部性&不完全競争
⇒ 市場価格≠社会的限界便益(費用)
⇒ 影の価格(shadow price)
3.
生命の価値?
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5.2 政策の結果の評価
1.
効率的な市場における便益の評価
• 無料配布のケース
• 民間の供給曲線を下方シフトさせるケース
2.
歪みのある市場における便益の評価
• 自然独占
• 外部性
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復習
<社会的便益と社会的費用>
純歳出(net expenditure)
=「歳出(expenditure)」-「歳入(revenue)」
純歳出の機会費用(opportunity cost)
=「歳出の機会費用」-「歳入の機会費用」
便益 B (social benefit)= CS + PS
費用 C (social cost)=(政府の)純歳出(の機会費用)
純便益 NB (net social benefit)=便益 B -費用 C
あるプロジェクトが「効率性」の観点から採択されるためには、
純便益が正、すなわち
NB >0
(1-4)
という条件が成立しなければならない。
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<無料配布のケース>
q=無料配布量; p1以上の価値を認める消費者のみに無料配布
p
ΔCS= Ⅱ+Ⅲ+Ⅳ+Ⅵ+Ⅶ
ΔPS= -Ⅱ
B= Ⅲ+Ⅳ+Ⅵ+Ⅶ
S
S+q
Ⅰ
p0
p1
Ⅱ
Ⅲ Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
Ⅶ
D
q2
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q0
q
q1
Q
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<自然独占のケース>
• 現状は平均費用価格形成原理で価格設定されてい
るとする。
• 限界費用価格形成原理で価格を設定するとともに、
その結果生ずる損失を補助金でカバーするという政
策を評価する場合のCBAについて検討する。
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<自然独占のケース>
固定費用FCはサンクされていないものとする。
限界費用形成原理の下で生じる損失分を補助金でカバー
ΔCS= Ⅰ+Ⅱ
ΔPS= 0
B= Ⅰ+Ⅱ
C= Ⅰ
P
FC=Ⅰ
P0 = AC0
P1 = MC
Ⅰ
NB= Ⅱ
C0=MC×Q0+FC
FC= AC0×Q0 -MC×Q0
AC0=C0/Q0
AC
Ⅱ
D
Q0
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Q1
Q
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<外部性のケース>
• 現状は何ら政府の介入がないとする。
• ピグー税を導入するという政策を評価するCBAについて
検討する。
• この場合は、社会的余剰に負の外部性を金銭評価された
ものが含まれることになる。
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<外部性のケース>
ピグー税を課すことで効率的な資源配分を実現する。
P
MSC
MPC+t
P*
MPC
Pm
t
D
Q*
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Qm
Q
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<外部性のケース>
ピグー税を課すことで効率的な資源配分を実現する。
ΔCS= -(Ⅰ+Ⅱ)
ΔPS= -(Ⅳ+Ⅴ)
外部性のコストの減少分=Ⅱ+Ⅲ+Ⅴ
B= Ⅲ-(Ⅰ+Ⅳ)
NB=Ⅲ
C= -(Ⅰ+Ⅳ)
MSC
P
Ⅲ
P*
t
Ⅰ
Pm
Ⅳ
MPC
Ⅱ
Ⅴ
D
Q*
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Qm
Q
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5.3 生産(投入)要素の機会費用の測定
歳出の機会費用
=歳出+生産要素市場で生じる社会的余剰の減少分
社会的余剰=消費者余剰+生産者余剰
1.
効率的な市場における機会費用の測定
• 供給曲線が水平のケース
• 供給曲線が右上りのケース
2.
非効率的な市場における機会費用の測定
• 失業者の雇用
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<効率的な市場における機会費用の測定>
水平な供給曲線のケース
歳出=(歳出の)機会費用=Ⅰ+Ⅱ
P
D
D+q
P0
Ⅰ
Ⅱ
Q0
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Q1
Q
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<効率的な市場における機会費用の測定>
右上りの供給曲線のケース
P
D
D+q
S
P1
P0
Q2
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Q0
q
Q1
Q
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<効率的な市場における機会費用の測定>
右上りの供給曲線のケース
歳出= Ⅱ+Ⅲ+Ⅳ+Ⅴ+Ⅵ
機会費用=Ⅱ+Ⅳ+Ⅴ+Ⅵ
P
D
ΔPS=Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ
D+q
S
P1
Ⅰ
P0
ΔCS= -(Ⅰ+Ⅱ)
Ⅱ
Ⅴ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅵ
Q2
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Q1
q
Q
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<失業者を雇用するケースにおける機会費用>
Pm =下限賃金率
w
D
S
Pm
Ld0
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Ls
失業者数
L
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<失業者を雇用するケースにおける機会費用>
Pm =下限賃金率
w
D
D+L’
S
Pm
Ld0
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L d1
L’
L
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<失業者を雇用するケースにおける機会費用>
歳出=Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ+Ⅳ
w
D
D+L’
S
Pm
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
L0
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L1
L’
L
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<失業者を雇用するケースにおける機会費用>
機会費用の小さい労働者から雇用される場合
機会費用=Ⅲ+Ⅳ
w
D
D+L’
S
Pm
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
L0
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L1
L’
L
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<失業者を雇用するケースにおける機会費用>
就職を希望する労働者からランダムに雇用される場合
「供給曲線=直線」
雇用者1人当たりの機会費用=(Pm+Pr)/2
機会費用=L’(Pm+Pr)/2
w
D
D+L’
S
Pm
Pr
L0
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L1
L’
L
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5.4 プロジェクトが政府の歳入に与える影響
限界超過税負担METB
=marginal excess tax burden
=追加的に1単位の税収を得るときに生じる
超過負担の増分
METBを考慮した場合の純歳出の機会費用
=(1+METB)純歳出
+投入要素市場で生じる社会的余剰の減少分
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5.1 実際上の測定値と理論的な測定値
5.2 政策の結果の評価
5.3 生産要素の機会費用の測定
5.4 プロジェクトが政府の歳入に与える影響
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