コンピュータプラクティスⅠ 科学的方法 水野嘉明 本日の内容 科学的方法 科学的方法の説明 実験 : 情報システムの推定 (外部からの観察により 動作を推定) 実験レポート 2 科学的方法 1. 2. 3. 4. 5. 対象を観察 法則性を見出し (帰納的推論) 現象を包括的に説明可能な仮説 実験結果を予測 (演繹的推論) 実験により予測を検証 3 演繹法と帰納法 演繹的推論 命題から命題を推論 (一般⇒個別) 推論過程に誤りがなければ、正しい と言える 帰納的推論 データから命題を推論 (個別⇒一般) 必要以上に一般化される恐れ 4 科学的方法 1. 2. 3. 4. 5. 対象を観察 法則性 説明可能な仮説 実験結果を予測 予測を検証 知見をまとめる 実験レポート 理論 測定 考察 5 情報科学的方法 情報科学の対象 = 情報 情報=「ある特定の人にとって有用 な/意味あるデータ」 データ + 意味 90 120 12 123 情報 商品番号 単価 個数 顧客番号 90 ボールペン 120円 12ヶ 123 東洋大学 6 情報システム コンピュータは情報システム 情報 加工 情報 入力 (INPUT) 処理 出力 (PROCESS) (OUTPUT) 7 情報システムの推定 入力 x x x x = = = = 1 2 3 4 処理 出力 y y y y = = = = 1 4 9 16 y = 3x – 2 と帰納的に推論 x = 3 に対し y = 7 と予測 ⇒ 仮説は誤り 新たに y = x2 と推論 ⇒ 検証に合格 観察により P3 8 情報システムの推定 入力 処理 出力 入出力だけを見る→ 内部をのぞく ブラックボックス法 → ホワイトボックス法 9 情報システムの推定 以下の3点に留意 1. 測定範囲 (入力データの範囲) 2. 内部状態 3. 誤差 10 情報システムの推定 - 測定範囲 1 2 3 4 100 -3 0.4 処理 1 4 9 16 ?? ?? ?? 仮説は測定範囲内でしか検証されて いない 11 情報システムの推定 - 内部状態 入力 処理 出力 システムが内部状態を持つことがある 内部状態と外部からの入力によって、 出力と次の内部状態が決まる ⇒ 以前の入力が出力に影響する 12 情報システムの推定 - 内部状態 内部状態 (y, Q’) = f (x, Q) ただし x: 入力、y:出力 Q、Q’: 内部状態 例) 有限オートマトン、順序回路 13 情報システムの推定 - 誤差 誤差 入力 処理 出力 測定値に誤差が含まれることがある (測定誤差、計算誤差) 複数回計測し、平均をとる 誤差の範囲を示す 近似曲線により傾向を推測 14 実験 情報システムの推定 水野のWebサイトの 『【教材】 情報 システム』 情報システム(1) ~ (3) inputに値を入れ 「送信」を押すと outputに結果が 表示される 15 実験 注意 使用するシステムは、上原先生の サイトではない! http://www2.toyo.ac.jp/~y-mizuno/ 2010S_CP1/text/cp1-5.html 参考文献のページを、修正してお くこと 16 実験 情報システムの推定 測定範囲 = (1) ⇒ 実験1 内部状態 = (2) ⇒ 実験2 誤差 = (3) ⇒ 実験3 17 実験1: 情報システムの推定(1) 情報システム(1)について 済 入出力を観察し、内部構造(仮説)を 推定せよ (ブラックボックス法) さらに実験を行い、仮説を検証せよ その際、推定の根拠を示すこと レポートの節は理論、測定、考察と分 けること すでに完成している 18 実験2: 情報システムの推定(2) 情報システム(2)について 入出力を観察し、内部構造(仮説)を 推定せよ さらに実験を行い、仮説を検証せよ その際、推定の根拠を示すこと レポートの節は理論、測定、考察と分 けること 19 実験3: 情報システムの推定(3) 情報システム(3)について 入出力を観察し、内部構造(仮説)を 推定せよ さらに実験を行い、仮説を検証せよ その際、推定の根拠を示すこと レポートの節は理論、測定、考察と分 けること 20 課題 科学的方法について調査せよ 「調査」とは、文献を用いて調べる こと 調査に用いた文献は文中で参照 (または引用)すること 自分の言葉で、分かったことをまと めること 21 実験レポート 実験2、実験3、課題、結論をまとめ、 レポートを完成させて提出せよ 前回までに作成したレポートを利用する 序論、実験1は前回作成のままでOK (未作成の人は作成すること) 問題コード R1 として提出 22 レポート執筆上の注意 【全般】 引用文と地の文(自分の文)を区 別する 「第1回 スタイル」を参照 テキスト・資料の丸写しや、切り貼 りで文を作ってはダメ Wikipediaの丸写しをしないこと! 23 レポート執筆上の注意 複数の実験の前後に「序論」と「結論」 【序論】 レポートの全体像を述べる 全体を俯瞰し、複数の実験の関係 を述べること 実験の意図、動機、目的、背景 レポートの構成 24 レポート執筆上の注意 【結論】 序論の内容に対応させる 目的と照らし合わせ、一連の実験 結果からわかったことを要約する 未解決の問題、新たな疑問が追 加されることもある 25 レポート執筆上の注意 実験の章は、「理論」「測定(実験)」 「考察」の節に分かれる 科学的方法の手順に対応 理論: 観測、仮説 測定: 実験の方法と結果 考察: 結果に基づいて仮説を検証 26 レポート執筆上の注意 科学的方法 1. 2. 3. 4. 5. 対象を観察 法則性 説明可能な仮説 実験結果を予測 予測を検証 知見をまとめる 実験レポート 理論 測定 考察 27 レポート執筆上の注意 【実験:理論】 最初に、何について何をするのか を書く 仮説は、観察により 立てる 観察した事実に基づいて それらを包括的に説明可能な仮 説を、帰納的に導く 28 レポート執筆上の注意 【実験:測定】 実験方法(手順・条件・環境)を明 記する CP1を知らない他人が、レポート だけ を見て同じ実験を行い、同 じ結果を得られなくてはならない 29 レポート執筆上の注意 【実験:考察】 仮説を検証する 論理的な推論を行うこと 「考察」に書くことが少ない場合は、 実験が不足している事が多い 30 レポート執筆上の注意 【課題】 二つ以上の文献を調べ、そこに自 分の新しい知見を付け加える 「課題」や「結論」の章は、少なくと も1ページ程度は書く 31 レポート執筆上の注意 レポートR2では、章立てが異なる 章立ては、 書く人/教える人の考え方/好み レポート/実験の内容 により、異なる 32 レポートR1のポイント 【実験2】 「内部状態がある」という前提で書 いてはならない 「内部状態がある」というのは、 実験を行って初めてわかる事 観察の結果、仮説として「内部状 態がある」となる 33 レポートR1のポイント 【実験2】 実験1と同様、測定範囲が狭すぎ ることのないよう、気をつける 1,2,3・・・という規則正しい値だ けを入力していると、法則が見出 せない 34 レポートR1のポイント 【実験3】 実験2と同様、「誤差がある」という 前提は不可 例えば 「1.9678949829506813」と いう数値一つを見ただけでは、 「誤差がある」のか、単に「整数 ではない」のかは判断できない 35 レポートR1のポイント 【実験3】 最初から丸めた数値を書かない 観察した数値をきちんと書く 数値を丸めたということを書いていな いのは論外。加工した値をあたかも 生の(観測された)値のように書くの は、『捏造』と同じ グラフをうまく用いる 36 レポートR1のポイント 【結論】 「序論」と対応させながら、実験1,2, 3を通じてわかったことをまとめる 単に各実験の結論を述べるだけで はない 背後にある科学的方法がどのよう な形で適用されたか等をまとめる 37 実験を開始して下さい 38 実験レポート提出時の注意 授業コード、問題コード を間違えないよ うに 間違うと、採点できない 採点の結果によっては、再提出 39 実験レポート提出時の注意 更新履歴、コメントは (最初の提出時 は)消しておくこと 再提出時は、水野のコメント、自分の更新 履歴を残す 提出は、.doc 形式で その他の形式は、受け付けない [名前を付けて保存] → [Word97-2003文書] 40 実験レポート提出時の注意 他人のレポートをコピーしない コンピュータにより、類似性のチェッ クを行っている コピーが判明した場合は、コピーした 者・させた者の両者とも、単位を認定 しない 41 次回の予定 「時間の測定」 プログラムの評価のため、時間を計 測する 有効数字、精度 実験を行う 何通りかの時間を、実際に測定する 42 お疲れさまでした
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