病院におけるリスクマネジメント

病院におけるリスクマネジメント
2014年9月3日
久保経営労務管理事務所
久保 裕滋
病院の経営の存続を揺るがすリスクとは?
病院経営が根底から崩れる!
1,医療と介護の複合経営へシフト
病院の収益性はこれまで通りでは困難!
●診療報酬の改定、薬価の切り下げ
●医療行政は病院を5000件以下に切り捨て
●医療費抑制が全ての前提で行政は動く
従来の病床稼働率確保や外来患者確保では困難
病院も医療と介護を連動した施設運営とマネジメ
ント体制強化が必要。病床規制の中、サ高住への
進出をできる限り早めに決断。(特定有料老人
ホームは実質規制)
病院の経営計画の必要性
●経営環境が年々厳しくなっていることに対しての基
本対策を考える。
●収益構造を確認して、医業経費の効率的コントロー
ルをすること。
●過大な設備投資を避け、計画的な無理のない投資に
抑える。
●医療の質のレベルアップと医業収入の安定化に向け
た対策を3年を見据えて対策を打つこと。
病院の収益構造の見直し
医業収入の見直し
●基本的に2年に1度医療報酬の改定
●診療科目別の外来、入院収入のデータ推移分析
●患者数と診療単価分析
●診療科目別診療単価分析を通じて診療の効率化分析
●ドクター別の収入分析
●レセプト分析(返戻)
●薬剤、検査項目収入分析
●病床稼働率の分析
医業経費の見直し
●薬剤コストの分析
ジェネリック薬品と新薬の使用率、単価分析
在庫管理
●医療消耗財の分析
単価分析
在庫管理
●福利厚生費
基本的に外注なので、外注コスト比較分析
●減価償却
主として医療機器の使用頻度収益分岐点分析
●管理費
一般管理費用のコスト分析
投資計画の設定
●医療機器の投資
●自動カルテの導入
●診療科目の新設検討
●更新設備の検討
●病院コストダウンへの投資
紹介;リンクソリューション社資料参照
Xクリニック&ケアグループ事業構想
医療保険
在宅診療
介護保険
訪問介護・看護
同一施設内に開設
●居宅介護支援事業所(開設)
●指定訪問介護事業所
(&介護予防訪問介護事業所開設)
経営計画の骨格の決め方
標準的な目次
1、病院理念
地域における病院の位置づけ
理事長の医療への理念、方針
2、診療方針
主たる診療科目の医療レベルの方針
3、診療科目別重点活動方針
4、収益計画
5、採用、教育計画
6、投資計画
病院マーケティングの視点
●診療圏という認識
2、医療事故の防止対策強化
医療事故、院内感染など報道でよく聞く話は、他人
事ではすまない。
★医療事故の前にヒアリ
ハット現象で潰す予防
★発生したときの対処マ
ニュアル
3、人事管理面でのリスク
管理部門にとって現状最大のリスクとは!
事例紹介
①部下の退職で膨大な業務でうつ病となった整形外
科部長のケース(労災事故認定)
②妊娠を機に上司からの心無い言葉を受けた女性外
科医のケース(セクハラ問題)
③残業や休憩など労働時間の算定に疑問を持つ看護
師のケース(労働時間管理問題)
病院にとっての賢い人事評価制度の導入と運用

人事評価制度の目的が鮮明でなく、スタッフを
動機づけるはずのものが、逆効果になってい
る。
本来は、ES(従業員満足度)を高めて
CS(顧客満足度)を向上させ
病院経営を安定化させるものである。
基本給の上昇度予測をすると
◎新しい視点での見直し
4、防災リスクへの対応
震災リスクへの対応は耐震診断と補強
●2013年3月に建築物に関する耐震化促進法の
一部改正があり、病院、老人ホームなどの耐震化診
断を受ける義務が発生しました。(5000平米以上)
●耐震化診断実施の義務化、耐震補強の実施
●震災等対応職員行動マニュアルの作成と訓練