病院経営と適正要員配置 2014年12月11日 久保経営労務管理事務所 久保 裕滋 病院の経営の存続を揺るがすリスクとは? 病院経営が根底から崩れる! 1,医療と介護の複合経営へシフト 病院の収益性はこれまで通りでは困難! ●診療報酬の改定、薬価の切り下げ ●医療行政は病院を5000件以下に切り捨て ●医療費抑制が全ての前提で行政は動く 従来の病床稼働率確保や外来患者確保では困難 病院も医療と介護を連動した施設運営とマネジメ ント体制強化が必要。病床規制の中、サ高住への 進出をできる限り早めに決断。(特定有料老人 ホームは実質規制) 病院の経営計画の必要性 ●経営環境が年々厳しくなっていることに対しての基本 対策を考える。 ●収益構造を確認して、医業経費の効率的コントロール をすること。 ●過大な設備投資を避け、計画的な無理のない投資に抑 える。 ●医療の質のレベルアップと医業収入の安定化に向けた 対策を3年を見据えて対策を打つこと。 病院の収益構造の見直し 経営計画の骨格の決め方 標準的な目次 1、病院理念 地域における病院の位置づけ 理事長の医療への理念、方針 2、診療方針 主たる診療科目の医療レベルの方針 3、診療科目別重点活動方針 4、収益計画 5、採用、教育計画 6、投資計画 2、人事管理面でのリスク 管理部門にとって現状最大のリスクとは! 事例紹介 ①部下の退職で膨大な業務でうつ病となった整形外科 部長のケース(労災事故認定) ②妊娠を機に上司からの心無い言葉を受けた女性外科 医のケース(セクハラ問題) ③残業や休憩など労働時間の算定に疑問を持つ看護師 のケース(労働時間管理問題) 病院にとっての賢い人事評価制度の導入と運用 人事評価制度の目的が鮮明でなく、スタッフ を 動機づけるはずのものが、逆効果になってい る。 本来は、ES(従業員満足度)を高めて CS(顧客満足度)を向上させ 病院経営を安定化させるものである。 基本給の上昇度予測をすると 医療経営と医療スタッフの勤務環境 の改善の両立 事例紹介 「病床数250床の地域中核病院(関連で老健施設保 有)」 ●スタッフ400名の医療機関で、看護師を中心に慢性的 な残業問題を抱えており、1月平均40時間程度(多い 人で60時間)残業があり、これを如何に低減させてい くべきか 事務長より相談がありました。 ●これまでも看護師確保に向けて、求人活動(人材紹介 会社含めて)を積極的に続けておられましたが、定 員充足を果たすのが精一杯で、定着率も悪く、人の 入れ替えで苦労されています。 ●どのような業務で残業が多くなっているか管理部門と しては、看護部門からの要請を聞くだけで実態を把 握しきれていないといった状況にありました。 課題解決に向けた実態分析から 必要な現状把握のデータ ①外来、病棟単位の定足数と現状配置数 ②残業時間データ ③勤務シフト表 ④各人別の週間(月間)業務内容と処理時間デー タ ⑤各部門での役割分担(責任権限)の実態 ⑥管理者の時間管理への意識と管理指導の実態 課題抽出に向けたアクションプラン STEP①関係部門の協力と病院トップの理解(別紙参照) ★主体性を持っていただくことが改善活動のポイント STEP②職務調査の実施 残業がいつ、どのような業務で、どのような理由で 発生しているかの実態調査(別紙参照) ★現場を知るところから改善を始めること 4週間分実施 STEP③業務内容の分析 ●時間の活用方法の分析(本来業務の比率) 本来の看護部門業務と付帯(段取り)業務及び 管理事務業務の時間量分析(別紙参照) ★管理部門と該当部署での適正要員数の共通認識を持つ ●役割分担表(職務権限)の作成(別紙参照) STEP④各部門長への聞き取りとフィードバック(別紙参照) STEP⑤部門での改善活動計画の策定と改善活動への展開 組織の活性化を目指して 仕事の効率化 働きやすい職場風土 連動 組織の活性化 仕事の効率化を目指して ●仕事の効率化とはどういうことですか? ★やり直し業務が多くありませんか? ★誰の仕事か良くわからない仕事はありませか? ★役割分担が明確になっていますか? ★やり方を変えれば仕事の効率が上がりませんか? ★指示の出し方、受け方が適切にできていますか? ★仕事にコスト意識を持っていますか? 職務調査表サンプル 業務時間分析結果の一例 役割分担表一部抜粋 職務権限分担表の一例 フィードバックコメントの一例 ご清聴ありがとうございました
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