スペース重力波アンテナ DECIGO 国立天文台第2回将来計画シンポジウム 2002年6月4日 川村静児(国立天文台) 中村卓史(京大理) 瀬戸直樹(阪大理) 坪野公夫(東大理) DECIGOトークの内容 1. DECIGOの概要(川村) 2. DECIGOの意義及び検出できる重力波 源(中村) 3. DECIGOによる宇宙膨張加速の計測 (瀬戸) 4. DECIGOのフィージビリティー(坪野) レーザー干渉計による 重力波検出 重力波源 重力波 伸びる 縮む 鏡 鏡 ビームスプリッタ 光検出器 レーザー アーム長が長いほど 感度が高くなる 世界の重力波検出実験 GEO LIGO TAMA LCGT LIGO VIRGO AIGO 干渉計を宇宙に持っていくと・・・ • 信号が増える -重力波と光の相互作用の時間が長くなるため -ただし高周波では信号のキャンセルが起こる • ノイズが減る -地面振動や重力場の揺らぎノイズが小さい 低周波で感度がよくなる LISA Laser Interferometer Space Antenna • NASAとESAの共同計画 • 1mHz~10mHzを狙うスペース重力波アンテナ • 2011年打ち上げ予定 地上の重力波アンテナと LISAの間の周波数ギャップ ストレイン [Hz-1/2] 10-18 LISA 10-20 ギャップ 10-22 10-24 10-4 10-2 地上の重力波アンテナ (LCGT) 100 周波数 [Hz] 102 104 DECIGOとは何か? Deci-hertz Interferometer Gravitational Wave Observatory 短距離型スペース重力波アンテナ 10-18 ストレイン [Hz-1/2] LISA 10-20 DECIGO 10-22 10-24 LCGT (感度:任意) 10-4 10-2 100 102 周波数 [Hz] 104 周波数ギャップを埋めることの 重要性 新しい窓は新しい物理を生む! LISAの帯域から出て行った連星からの重 力波の検出 地上干渉計の帯域に入る前の連星からの 重力波の検出 全く新しい重力波源(⇒中村) 全く新しい物理(⇒瀬戸) アーム長と感度の関係 ストレイン [Hz-1/2] 10-18 100 f-2 LISA 10-19 10-20 10-21 力の雑音: XFN/L∝1/L f1 DECIGO f0 f0:1/L f0 アーム長:(1/100)LISA LISAと同じ技術レベル 100 ショットノイズ (f<f0): XSN/L∝P-1/2/L∝(L-2) -1/2/L=L/L 10-4 10-2 100 周波数 [Hz] 102 DECIGOの感度 ストレイン [Hz-1/2] 10-18 10-20 DECIGO (LISAの技術レベル L=5×107m) LISA LCGT 10-22 DECIGO究極の感度1000 10-24 DECIGO究極の感度 (量子雑音のみ M=100kg, L=5×108m) 10-26 10-4 10-2 100 周波数 [Hz] 102 104 DECIGOの有利な点 0.1Hz付近には重力波雑音がない(⇒瀬戸) (From the LISA report) DECIGOに必要な技術(⇒坪野) 3台の衛星 フォーメーションフライト 太陽輻射圧など 重力場による動き ドラッグフリー衛星 光が広がる 位相ロックして増幅反射 ヘテロダイン検出 DECIGOワーキンググループ 2002年初頭に結成 現在74名(天文台、宇宙研、大阪市立大、阪大、 京大、通総研、電通大、東大、宇宙線研、東北 大、新潟大、早大他) 2002年5月9日第1回ミーティング開催 50名以上の参加者 得られる科学的成果とフィージビリティーについ て発表と議論 2003年春を目標に目的とリクワイヤーメントを設 定する まとめ 地上重力波アンテナとLISAとの間の周波数 ギャップを埋めることは重要である。 この周波数帯は重力波雑音がないので著し く感度を高めることができる可能性を持つ。 DECIGOにより宇宙膨張の加速度を計測で きる。 DECIGOワーキンググループが発足、明確 な目的とリクワイヤーメントの確立を目指し て活動開始。
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