栃中教研生徒指導・教育相談部会 研究発表会 研究主題 共に生きる生徒の育成を目指して ○○中学校の今までの流れ 平成9年度の学校課題の研究主題 「一人一人に『生きる力』を育む教育の推 進」 平成12年度から ○○市教育委員会指定の人権研究校 研究主題 「互いに認め合い, 思いやりをもって行動できる生徒を育成する 人権教育の創 造」 平成13年度から 研究主題 共 に 生 き る 生 徒 の 育 成 ※ 人権尊重を基盤にして,生徒に「生きる 力」 を育む教育 ※ 人権意識を高めていくことが,積極的な 生徒指導につながる。 2 本校の人権教育の取り組みについて (1)研究主題設定までの経緯 ① 昨年度までの人権に関する世の中の動きから 1994年 第49回国連総会 人権教育のための国連10年 1997年『国内行動計画』 重要課題 内外における「共生の心」の醸成と人権文化の構築 ①女性 ②子ども ③高齢者 ④障害者 ⑤同和問題 ⑥アイヌの問題 ⑦外国人 ⑧HIV感染者・ハンセン病患者 ⑨刑を終えて出所した人 ⑩その他 1997年人権擁護推進審議会の答申 『人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深める教育及び 啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本事項について』 この答申では ○ これまでの学校における人権教育の課題として 指 知的理解にとどまり子どもたちに 摘 人権感覚が十分身に付いていない 子どもたちに「人権感覚を直感的に捉える感性」や 提 言 「人権への配慮がその態度や行動に表れるような人 権感覚」の育成を重視すること ○ 「感性」「人権感覚」とは 「生命を大切にし,自他の人格を尊重し, 互いに個性を認め合う心」 「他人の痛みがわかる,他人を思いやる心」 「正義感や公正さを重んじる心」 ○ 「感性」「人権感覚」を養うための方策として ボランティア活動などの社会体験や自然体験,高齢者や 障害者との交流などの豊かな体験の機会の充実 これらの世の中の動きから, 本校においても,体験活動や体験学習を 生かして,人権教育の在り方について研究 に取り組む。 ② 主題設定の理由 ○ 「共に生きる生徒」とは 自分や他者をかけがえのない存在として尊重するとともに 互いの個性や文化などの違いを認め合い,社会の一員とし て支え合って生きる能力や態度をもつ生徒 自分のことを大切に思う気持ち 自尊感情 自分の周りの人たちのことを大切に思う気持ち 他尊感情 ○ 社会との積極的な関わり 関わりの中でこそ,社会や社会の中で生きる人のすばらしさに 気づき,これからの自分はどうあるべきかを考え,自信を持って 生きていこうとする姿につながる 主題「共に生きる生徒の育成 ① 研究主題の捉え方 知識のみでなく,「知識から行動へ」 という実践力を培うことが大切 様々な学習で身に付けてきた知識・理解,技能,思考力,判断 力,表現力などの力を駆使して主体的に課題追求を進め,そこ から得られたもの外に向けて表現できるような学習 自分の生き方に関わるような課題や困難に直面したとき, それを乗り越え,よりよい解決に向かえる力 自己実現を果たし,自己を磨き続けていこうとする姿勢 ○自尊感情 ○他尊感情 ○身に付けた力を生きて はたらく形に取り込むこと より自分らしく,より豊かに生きて いく姿へ生徒を導いていく 2 研究の内容 (1)人権感覚・人権意識を高めるために 県教育委員会では…… 人権感覚 「人間誰にも保障されている基本的人権が偏見や 差別によって妨げられたり,妨げられそうになった とき,『いち早くその不合理生・不当性に気づく感覚』 である。」 人権意識 「豊かな感性を基盤に磨かれた人権感覚と人権に 関わる学習で得られた知識が一本化し,『人権尊 重の意義を理解して偏見を排除し,差別の不合理 生・不当性を認識できる判断力であり,自分自身 で対応しようとする意思』である」 本校では 人 権 意 識 人権感覚 豊かな感受性 自尊感情 他尊感情 + 知 判断力 差別解消の意思 識 様々な基本的人権を侵害する問題 人権感覚・人権意識を高めるために 自尊感情 他尊感情 自己理解 自分の長所や短所がわかる。 自己受容 ありのままの自分を 受け入れることができる。 自己表現 自己表現ができる。 他者理解 相手の個性・よさを認めることができ る。 相手の個性や文化などの違いを 受け入れることができる。 他者受容 共 感 相手の立場や気持ちに 共感することができる。 知的理解 ○ 人権尊重の意義や価値がわかる。 ○ 国際人権規約や日本国憲法などで保障され ている人権の内容がわかる。 ○ 差別による人権侵害の問題がわかる。 ○ 差別の原因が論理的にわかる。 ○差別問題解決に向けての被差別者自身の 運動や社会の取り組みがわかる。 「自己理解」 「自己受容」 「自己表現」 「他者理解」 「他者受容」 「共 感」 「知的理解」 本校の人権教育の視点として位置づける。 (2)各教科での取り組み ※ 全教科で取り組む基底的指導 ◆ 休み時間のうちに授業の準備物を用意するよう呼びか 授 けよう。 業 ◆ 机が整頓してある状態にしてから,授業を始めよう。 の 初 ◆ 教師・生徒ともに服装を整えてから,授業を始めよ め う。 指 名 の 仕 方 ◆ 気持ちよく授業を始められるために,教師自ら明るく 大きな声であいさつしよう。 ◆ 生徒を一人一人を大切にするため,誰に対しても 「くん」「さん」付けをしよう。 ◆ 目を合わせて指名し,生徒の意見・発表を大切に扱 おう。 ◆ 偏らないように,平均的に指名しよう。 各教科ごとの研究主題 国語:「豊かな自己表現力を養い, 生きる力を育む国語科授業の創造」 社会:「自己の考えや思いを生き生きと表現できる 社会科授業の創造」 数学:「課題学習を通して数学のよさを感じさせる指導法の研究 」 理科:「自然にはたらきかけ,主体的に探求し, 考えや事実をまとめ発表しする理科学習」 音楽:「心にひびく感動を求めて生き生きと 音楽活動する子どもを育てよう」 保体:「仲間との交流を深めながら, 運動に親しみ意欲的に取り組む授業の在り方」 (3)総合的な学習での取り組み 今年度より,人権教育の核 平成12年度…35時間 平成13年度…70時間 1年生 栃木市をもっとよく知り,そこに生きる人々に学ぼう 2年生 生き方を学ぶ職場体験学習 3年生 各種ボランティア活動を通した福祉体験学習 (4)学校行事での取り組み 一人一人の生徒の性格や行動力などの特性を寄り詳しく, より具体的に理解することができ, いっそう的確な生徒指導を実現することができる。 学校や学級などの一員としての自覚を深めるだけでなく, 分担した役割を責任をもって遂行することの指導・援助を通して, 相乗的に生徒指導の機能の効果を上げることができる。
© Copyright 2024 ExpyDoc