経験主義の教育

法則化運動と経験主義の教育
知識と認識と経験
(付記 分析批評)
法則化運動
• 斉藤喜博への批判
– 名人芸ではなく、誰でもできる技術
– 検証して積み上げる
– 教材に則して
• 全般的技術 ex 「一時一事の法則」
• 個別技術
分析批評とは
• 法則化運動(TOSS)誰が使っても同じ効果
を生む教授技術の構築
• 分析批評は法則化運動とは別だったが、向
山洋一が導入して広まった
• 主に国語の授業の定型的な授業パターン
• 児童・生徒に考えさせ、討論を展開する技法
• 「感動」⇨「分析・理解」
技法1 話者
•
吾輩は猫である。名前はまだない。
どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。何で
も薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣い
ていた事だけは記憶している。吾輩はここで
始めて人間というものを見た。
• 「文章を話しているのは誰?」 猫・漱石
技法2 視点
•
•
•
•
•
① 風船が、おりてきました。
② 風船が、おりていきました。
指示1 絵を描かせる
指示2 違いを説明させる
話者の位置を理解
技法3 対比
• スイミーとまぐろ
•
弱い
⇔
小さい
⇔
集団
⇔
食べられる ⇔
• 主題につなげる
強い
大きい
単独
食べる
技法4 モチーフ(題材)
• 事件をいくつもあわせると物語ができる
• 発問1 事件はいくつありますか。
発問2 それぞれの事件を「~が~する」という
形にまとめなさい。
発問3 事件1の登場人物は何(誰)ですか。
発問4 登場人物を入れて「~が~する」と簡単
にまとめなさい。
発問5 事件1のように、他の事件もまとめなさ
い。
発問6 何度も出てくる事件は何ですか。「~す
る」(述語)の部分です。
技法5 クライマックス
• 発問1 「大造じいさんとガン」のクライマックスはどの部分
だと考えられますか。
• 範囲の違いはあったが、出された考えは二つであった。
① かい慣らしたガンをえさ場に放して、ガンの群れを待
つところから
→残雪とハヤブサが戦って、ぬま地に落ちるまで
【残雪の戦闘場面】
② じいさんが残雪を逃がすために、おりのふたを開け
るところから
→残雪が飛び上がった後で、大造じいさんが「また堂々
と戦おう」というところまで
【大造じいさんと残雪の別れの場面】
芭蕉の句
• 古池や蛙飛びこむ水の音
• (実践例)
新教育運動と経験主義
• 義務教育制度成立以前の教育は、実科的個
別指導か、古典中心の形式陶冶に基づく教
育だった。(基礎的な生活主義か、生活と無
縁な教養主義)
• 国民全員が学ぶ制度のなかで、内容と方法
の見直しが迫られた。(デューイ、シュタイ
ナー、フレネ等)
• 問題解決学習・プロジェクトメソッドの提起
経験主義の原則
• 経験とは何か 観察・実験等による客観的事
実を体験・取り入れること
• 感覚や知覚を通して経験される
• 唯物論・実証主義と結びつく。プラグマティズ
ム
• 実践を通して知識・技術を学ぶ
伊那小の実践
• 戦後経験主義の教育が継続された
• 地域的な支援と教師の努力で発展、「総合的
学習」が指導要領にはいったときのひとつの
モデル
• クラスがひとつの動物を飼育することを通し
て、知識も学ぶ。(コアカリキュラム・プロジェ
クトメソッド)
• 基礎学力重視の指導要領で低下も
我孫子第二小の実践
経験主義の弱点
• 繰り返されてきた批判 学力低下
• 生活課題で現代社会の課題を理解できるか
←系統的に組織された科学の学習が必要