教育技術の法則化運動 TOSS

法則化運動(TOSS)
生徒を動かすことは可能か・妥当か
スキナー理論との対比
ロジャースとスキナー
• スキナー 罰と褒賞を適切にすれば、人間を
思い通りに動かすことができる。(重要なのは
褒賞)→プログラム学習
• ロジャース 個人の中の意志こそが重要・人
間は成長可能性、回復可能性を自然に持っ
ている。
人を動かすこと
• 教師は子どもを「動かす」
• 人が人を動かすものは何か(考えてみよう)
やってみせ 言って聞かせて させてみて
誉めてやらねば 人は動かじ 山本五十六
• 人はコントロールできるか
– ワトソンの言葉「自分に赤ん坊を預けて、条件が
整えば、どのような人材にも育てることができる。
スキナー1
• 教育に最も大きな影響を与えた行動主義者
• 適切な報酬と罰をあたえることで、人間の行
動はコントロールできる。
– 基本的に大きな影響力は報酬にあり、罰は補充
的に過ぎない
• 人が学習するのも報酬・罰によって規定
– 報酬 褒美・賞賛・評価の向上
–罰
得られるものが不可・恥・地位の低下
スキナー2
• 「わかる喜び」最大の報酬→プログラム学習
• 5原則
– 積極的反応
– 即時確認
– スモールステップ
– 自己ペース
– 学習者検証
Cf 公文が典型的なプログラム学習
スキナー3
• 行動療法
– 行動療法では、クライエント(または保護者等)とセラピスト
が共同して行動面での治療目標を立て、さまざまな技法
を用いて不適切な反応を修正します。たとえば、楽しい雰
囲気の中で、スモールステップで、徐々に恐怖対象に近
づき、慣れるようにさせたり、賞賛やごほうび等を用いて、
新しく適切な反応(感情や行動)を習得させます。(日本臨
床心理士会の説明)
• スキナーは、適切な報酬と罰で知的な学習も
、また行動の学習もコントロールできるとした
法則化運動とは
• 斎藤喜博からの脱出 名人芸(?)から誰で
も可能な技術へ
• 授業は技術であり、追試によって検証された
技術は誰でも使用でき、同じ効果がある。
• 教室の問題は、教師の技術の問題である。
• 原則 テキスト
法則化運動原則1
• 一時一事の法則 一回にたくさんの指示をし
ない。子どもは同時に複数の指示で混乱する
• 最後の行動まで示してから、子どもを動かせ
–1
–2
–3
–4
–5
何をするのか端的に説明せよ。
どれだけやるのか具体的に示せ。
終わったら何をするのか指示せよ。
質問は一通り説明してから受けよ。
個別の場面をとりあげてほめよ。
まずい例
• まずい例とされる(どこがまずい考えてみよう)
• これから校庭の石を拾います。ごみなんかもあった
ら拾って、ごみ箱へ持っていってください。もぐり込ん
でいる石はそのままでいいです。ガラスなどを拾う
時にはよく注意して、ケガしないようにしましょう。拾
った石はバケツに入れます。バケツは玄関のところ
にあるから誰かがとりにいってください。そうね、田
中君と吉田君にバケツ係をしてもらいましょう。終わ
った後は、手をよく洗います。
法則化運動原則2
• 桑原泰樹(学級崩壊させる教師)
– (1)教師が言ったことが揺らぎ、徹底させることができな
い
→指示系統が不安定である
– (2)一部の子(やんちゃな子、反抗的な高学年女子)に遠
慮してしまう
→不公平である
– (3)いけないことをいけないと叱れない →制御できない
– (4)授業がつまらない →指導者としての権威がない
• 対策
– 教えてほめる
考えてみよう1
• 着任式の終了後、向山氏は校庭のはじっこに連れて行って
しゃがませた。
2人の子どもが、近くの丸太に腰かけた。明らかに向山氏が
出した指示とは違う行動であった。2人の子は、3月まで学級
担任の指示に従っていなかったのであろう。そこを向山氏は
見逃さなかった。向山氏は毅然とした口調で「先生の言った
通りにしゃがみなさい」と言った。2人の子どもは、素直に丸
太から降りた。
一瞬のできごとであるが、向山氏がやんちゃな子との闘いに
勝った瞬間である。教師の指示に従わせることで、やんちゃ
な子の「自分が1番」という意識を変えることに成功した。
考えてみよう2
• いじめを起こさないクラス作り
• 挨拶運動
• 草野心平「春」の授業
法則化運動の批判
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マニュアル主義
子どもの多様性主体性を無視
命令的
教育内容への検討意識が欠落
人のコントロールは許されるか