電磁気学C

電磁気学C
Electromagnetics C
6/12講義分
光導波路と光共振器
山田 博仁
海底光ケーブル網
出展 http://www.alcatel.com/submarine/refs/index.htm
身近になった光ファイバー通信
FTTH(Fiber To The Home): Bフレッツ(NTT), TEPCOひかり(東京電力)などがサービス
出展: http://premium.nikkeibp.co.jp/ftth/part2/top_f.html
光回線終端装置(左)
とルーター(右)
AV機器のデジタル入出力ケーブル
AV機器のデジタル入出力ケーブルとコネクタ
国内におけるブロードバンド契約者数の推移
出展: 総務省 平成19年版 情報通信白書
FTTHが急激に伸びている
ブロードバンド契約者数の推移
DSLはH18年度から減少に転じた
DSLとFTTHの契約純増数の推移
IPトラフィックの増加
国内の全インターネット トラフィックは平均で約500Gbps
1本の光ファイバーに収容可能
2倍/2年
Internet traffic of IXs in Japan
http://www.jpix.ad.jp/en/techncal/traffic.html
光導波路
コア
n2
n1> n2
クラッド
n1
屈折率分布
n2
光ファイバー
n1> n2
n1
屈折率分布
コア
クラッド
スラブ導波路
光導波路が光を導くメカニズム
n1< n2の場合
n1> n2の場合
入射波
反射波
入射波
1 1
1 1
n1
n1
n2
Snellの法則
2
2max
c
n2
c
c
全反射
c
2
全反射
全反射
n1> n2
光が伝搬可能な入射角度の範囲
屈折波
n 
臨界角  c  cos 1  2 
 n1 
放射モード
全反射
n1
n2
sin 1 n2

sin  2 n1
屈折波
n2
反射波
開口数: NA= sin max
全反射角
 n2 
コアとクラッド界面での全反射角 cは、前スライドの臨界角より  c  cos  
 n1 
1
2
 n2 
n12  n22
2
sin  c  1  cos  c  1    
 2
2
n1
 n1 
で与えられるが、
n12  n22
ここで、  
と置いたが、 は比屈折率差と呼ばれている。
2n12
従って、n1 と n2 との差が小さい時、全反射角 c は以下の式で与えられる。
c  sin 1 2  2 [rad]
さらに、導波路が受け入れることのできる受光角(2max)は、
2max  2 sin 1 (n1 sin c )  2 sin 1 n1 2  2n1 2
また特に、 NA  sin max  2n1 を開口数 (Numerical Aperture)という。
導波路内での光伝搬
クラッドへの光の浸み出し
a
0
-a
f
n2
f
k0n1sin
n1
コア
n2
f: Goos-Haenchen Shift
n1> n2
f
k0n1

k0n1cos
自由空間中での伝搬定数: k0= 2p /l (l: 波長)は、媒質中では k0n1 となる。
光の伝搬方向の伝搬定数成分 b は、b = k0n1cos
c
光が伝搬方向に伝わる速度は、 vg  cos であり、vgを群速度(Group
n1
Velocity)という。 (c は光速度)
光の伝搬と垂直方向の伝搬定数成分(k0n1sin)に対して、以下の式が成り
立つ時、光伝搬と垂直方向に定在波ができる。
f  4ak0n1 sin   2f  2p N
N: モード番号 (0, 1, 2 ‥‥)
導波モードと定在波
E
N=0
f =0
E
N=1
2p
E
N=2
4p
モード番号 N は、横方向の強度分布における節の数を表す
入射角度
光伝搬と垂直方向での定在波条件の式より、モード番号 N に対する入射角度Nは、
4ak0 n1 sin  N  2fN  2p N
ここで、 Goos-Haenchen Shiftの値 fNは、入射角度Nの関数になるが、 Nが全反
射角 cよりも十分に小さい場合には、 fN  p と近似できる。
-p
従って、モード番号N に対する入射角度Nは、
 N  sin  N 
p
2an1k0
( N  1)
( N  0, 1, 2, ) [rad]
f
0
N
c
モード番号がある値よりも大きくなると、全反射条件が満たされなくなり、伝搬でき
なくなる。つまり、伝搬可能なモードは、以下の条件を満たす。
 N  c
従って、導波路内を伝搬可能なモード番号の最大値 Nmaxが存在し、以下の条件を
満たす。
 Nmax  c
モードの数
導波路内を伝搬可能なモード番号の最大値 Nmaxは以下の式で与えられる。
N max  1 
V
V  k0 a n12  n22  k0 an1 2
 (1)
(p 2)
ここで V は、Vパラメータ或いは規格化周波数と呼ばれている。
Nmaxよりも大きなモード番号のモードは伝搬できないので、カットオフにあると言う。
N=3
カットオフ領域
(放射モード)
/c
N=2
1/n2
群速度 v g 

b
(k0)
曲線の傾きは vg/c で 、群速度に対応
N=0
N=1
1/n1
b
導波路の分散関係
モードによって群速度の値は異なる。
単一モード条件: V < p/2
電磁波の共振器
平行平板共振器 (Fabry-Perot共振器)
完全導体による平行平面で挟まれた
空間に存在する電磁波はどのように
表される?
簡単のため、電磁波は x 方向に偏光
した正弦波とし、z = 0, L に位置する
完全導体面に対して、垂直に入射し
ているものとする。
n=1
完
全
導
体
n=2
n=3
?
z=0
電界 Ex は、いつの瞬間においても完全導体表面でゼロとなるから、
Ex  Ei 0 cos(kz  t )  Ei 0 cos(kz  t )  2Ei 0 sin kz sin t
において、z = 0, L において Ex = 0 となるためには、
np
(n = 1, 2, 3 ‥)
z sin t
L
2p np
よって、 k 
であるから、 L  n l 

l
L
2
E x  En 0 sin
(n = 1, 2, 3 ‥)
完
全
導
体
z=L
電磁波の共振器
従って、このような完全導体による平行平板間に存在することができる電磁波の
波長は離散的になり、
ln 
2L
n
(n = 1, 2, 3 ‥)
で与えられる。このように、完全導体の平行平板によるFabry-Perot共振器によって
電磁波は量子化され、この量子化された電磁波をモードと呼ぶ。(n はモード番号)
光の場合は、完全導体の代わりに、2枚の平行平面鏡によりFabry-Perot共振器を
構成し、レーザーの光共振器などに広く用いられている。
光ビーム
平行平面鏡
レーザーの光共振器の概略
半導体レーザー
半導体レーザー (Laser Diode: LD) 光を増幅する媒体が半導体からなり、
pn接合への電流注入により、電子の反転分布状態を作り出し、光を増幅
特徴
・ コンパクト (チップ本体は0.3mm角程度)
・ 取り扱い容易 (乾電池2本程度で動作可能)
・ 直接変調で数Gbpsの高速変調が可能
・ 高信頼性 (通信用のInGaAsPレーザは100万時間以上の寿命に)
・ 安価 (FTTH用LDはチップコストで数百円、CD用LDは数十円に)
Fabry-Perot (FP)共振器型レーザー
2枚の平行に向き合った鏡によるFP型光共振器
によって正帰還が得られ発振するレーザー
発振波長
lq 
縦多モード発振
2neff L
q
q: モード番号 1,2 ‥‥
neff: 実効屈折率
発振スペクトル
l
へき開面(鏡面)
FPレーザーの構造
出展: www.phlab.ecl.ntt.co.jp/master/04_module/002.html