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リビング・ウィル
Living Willとは
Living=「生きる」
Will=「意志」
「生きたい」という意志はあたりまえ
「少しでも長く生きてほしい」と家族の人が思う
のも、あたりまえ。
問題は「苦痛の多い治療と引き換えに延
命をしなければならない」場合。
 この場合はあなた(もしくは患者様)の生命観・死生観
によって方針は異なります。
 具体的には、急変=心肺停止状態が起こった時に、どう
するかを、事前に決めておく必要があります。
「急変時」とは?
重篤な状態のかたは…
心臓の動きが弱くなる、または止まる(心停止)
呼吸が弱くなる、または止まる(呼吸停止)
瞳孔反射の消失(脳活動の停止)
このような変化が起こります(死の三徴)
どれかが生じた場合、分単位で他の変化も追随し、
3つがそろった場合、臨床的に死亡と診断されます
。
急変時(心肺停止時)の対応
気道確保
呼吸の確認→呼吸なければ補助換気
バルブバッグマスク
気管挿管→人工呼吸器
循環系の確保
胸骨圧迫(心マ)
心肺蘇生術
補助換気
気道確保
人工呼吸
呼吸のかわりに
酸素をバックで送り出します
気管挿管を行い
→人工呼吸器につなぎます
胸骨圧迫
いわゆる心臓マッサージ
動かない心臓の変わりに、
圧迫によって血液を送り
出します
除細動器
いわゆる電気ショック
心臓が止まった時に使うものではなく、そのままでは心
停止に陥るような不整脈をリセットする時に使う。
集中治療
スパゲッティ症候群:
心肺蘇生術のメリット・デメリット
心肺停止状態であれば、心肺蘇生術を行わないと
数分〜時間単位で死に至る
問題は…
心肺蘇生術をしたからといって今ある病気が治る
わけではないこと。
心肺蘇生術は身体を毀損するような(意識があれ
ばかなり苦痛を伴う)ものであるということ
当院での方針
ご高齢の方、認知症のある方、重篤な疾患を複数抱えてい
る方に関しては 急変時の延命処置に関してはすすめてい
ません。苦痛の割に得られる成果が少ないとかんがえられ
るからです。
ただし本人の健康状態や死生観はかなりの個人差がありま
す。ご本人の死生観に添うのが望ましいと思います。
 本人にもし意識がない場合は、陪席している家族の方
は、「自分がどうさせたいか」ではなく「今意識があ
るならば本人はどういう選択をするだろうか?」とお
考え下さい。
 元気だった頃の本人にできるだけ親しい人は、直接死
に関する話をしてなくても、その人の考え方がある程
度浸透しているはずです。自分の心の中に居る患者さ
んと対話して答えをさぐりましょう。