目録規則再構築の動向 -資料区分の問題を中心に-

目録規則再構築の動向
-資料区分の問題を中心に-
整理技術研究グループ
吉田暁史
渡辺隆弘
1.はじめに
1.1 昨年度の発表から
「最近における目録規則の改訂動向とその
問題点-電子資料と継続資料を中心に
-」
1.2 今年度
「目録規則再構築の動向」
2.諸規則の改訂動向
2.1 ISBD
ISBD(G) 2004ed.の刊行など
2.2 AACR
2007年にAACR3刊行予定
AACR3の基本方針ドラフト公表
2.3 NCR
2004年に、第13章「継続資料」改訂案の公開など
3.IFLA IME-ICCの動向
3.1 IFLA IME-ICC
国際目録規則のための専門家会合
IFLA Meeting of Experts on an International
Cataloguing Code
3.2 国際目録法原則に関する
声明(その1)
Statement of International Cataloguing Principles
・パリ原則(1961)の見直し
・拡張を反映した章構成
1.適用範囲
5.アクセスポイント
2.実体、属性、関係 6.典拠レコード
3.目録の機能
7.探索能力の基礎
4.書誌記述
3.2 国際目録法原則に関する
声明(その2)
・FRBRの用語の取り入れ
・基本記入制への視点
・OPACへの対応
・全体的評価
4.目録規則の構造的枠組みの
再検討
4.1 シンタックスとセマンティックスの整理
4.2 標目と典拠コントロール
4.3 資料区分概念の再検討
4.1 シンタックスとセマンティッ
クスの整理
・ISBD セマンティックスにほぼ相当
・MARC シンタックスにほぼ相当
ともにセマンティックスとシンタックスの分離
が不十分であり、大きな問題をはらむ
・MARCXMLやMODS、RDFなど
目録を表現する形式面での整理が望まれ
る
4.2 標目と典拠コントロール
・目録規則と現実の目録(OPAC)との乖離
4.3 資料区分概念の再検討
(1)現行AACR2における資料区分
第1章 記述総則
対応するGMD
第2章 図書、パンフレットなど text
第3章 地図資料
cartographic material
第4章 手稿
manuscript
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第11章 マイクロ資料
microform
第12章 継続資料
(2)Tom Delseyの提案
Content Description →内容に関わる
Technical Description →キャリアに関わる
Mode of Issuance
→刊行様式に関わる
Unpublished Resources→ 〃
Analytics and Multilevel Description
→階層関係に関わる
(3)AACR3ドラフト基本方針
Section A. General rules
Section B. Supplementary rules applicable to
specific types of content
Section C. Supplementary rules applicable to
specific types of media
(4)資料の区分原理
1.記録内容の種類による
2.キャリアによる
3.記録の様式による(活字の種類など)
4.記録の様式による(ディジタルかアナログか)
5.物的な刊行形態による(単行資料か否か)
6.内容が確定しているか、更新されるか
7.出版物か否かによる
8.複製資料か唯一資料か
9.複製物か否か
(5)規則構造の枠組(その1)
1.内容部分のレコード
第1エリア タイトルおよび責任表示
第2エリア 版(改訂版等)
第3エリア 資料特有
第6エリア 内容的な全体-部分関係
第7エリア 注記(内容部分に関する注記)
(5)規則構造の枠組(その2)
2.キャリア部分のレコード
第1エリア:現物資料のタイトル等
第2エリア:版エリア(大活字版等)
第3エリア:資料(刊行方式)特有
第4エリア:出版・頒布等
第5エリア:形態的記述
第6エリア:キャリアの全体-部分関係
第7エリア:注記(キャリア部分に関する注記)
第8エリア:標準番号
5.おわりに
・現状目録規則および現在検討されている
目録規則の枠組みは、まだまだ不十分で
ある。
・より論理的な枠組み構築が必要であろう。