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2009/11/18
第3章
ハーゲンダッツはヨーロッパの会社
ではない
GLOBAL VALUE CREATION
The ADDING Value Scorecard
班:木村・大木・松本・手島・高津
1
なぜグローバル化?
• グローバル津波論の信者により無意味に
• 「なぜ」ではなく「どうやって」の戦略に集中
• グローバル戦略行動は不確実性に左右
ステータスの高い企業は大規模な海外
投資を行う
株式アナリストの推奨
株式市場が海外直接投資に行為的
2
セメックス社の価値創造
○販売数量
ヴォトランチ社
セメックス社
水平的な多角化
地理的多角化
第3位
第10位
○マージン
ホルシム社との比較
<売上高>
セメックス社はホルシム社より
平均マージンは高くコストが低い
<価格の内訳> 平均コストが低いのではなく
価格が高い
3
○コスト
大きな買収を行った場合営業費用は上
昇しやすい
ホルシム社と同水準の営業費用
セメックス社 統合プロセスがスムーズ
資本コストの低下
• 複数の市場でキャッシュフロー
• 製品市場のグローバリゼーションは
資本市場のグローバリゼーション
4
○価格と支払意志額
セメックス社は平均販売価格が他社よりも高い
15分の納品保障でニーズにこたえる
○価格と交渉力
競合他社の数が減る
最大市場シェアを確保
買収先の支配権を握る
クリーンアップすると他社も恩恵を受ける
60以上の海上ターミナルネットワーク
5
○リスク
建設業界は景気に強い影響を受ける
色々な市場に進出で乗り切る
○知識
ベストプラクティクスをセミックス・ウェイに
盛り込む
6
ADDING価値スコアカード
A…販売数量の向上
D…コストの削減
D…差別化
I…業界の魅力の向上
N…リスクの平準化
G…知識の創造と応用
セメックス特有ではなく
一般的に価値の創造を考えるときに有効
7
○単一国戦略
マージン=(業界マージン)
+ その企業の比較優位性
※比較優位性=企業にとっての(支払意志額-費用)
- 競合他社にとっての(〃)
=他社にとっての相対的な支払意志額
- 企業にとっての相対的な費用
8
包括的な検討
・海外に進出して売り上げを伸ばし、コストを削減すること
⇒ADDING構成要素の一部でしかない
・全ての構成要素が同じように重要ではない
⇒重要な項目のみを満たす
分解
・一つの会社を活動、プロセス別に分解
⇒それぞれが構成要素にどれだけ貢献しているか
・価値の構成要素そのものを分解
ex)セメックス:営業費用と資本コストの区別
9
数量化
・相対的な影響力の感触をえるため
・将来の市場選定を行う際の着目点となる
・簡素な計算で可能
⇒相対的影響の発見、最も利益のある場所を理解、
他社の収益性との違いを精査、損益分岐点分析、
キャッシュフロー分析
比較
・選択肢A,B,C…同時評価:意思決定に有効
・異時点間のポジション…モニタリングや診断に有効
・競合他社…改善法や強化法に有効
⇒適切な競合他社を選択する必要
・市場からの調達…業務再検討で戦略的思考の拡張に有効
10
ADDING価値スコアカードの構成要素
前述したADDING価値スコアカード
セメックスという具体例
より多くの例(一般的な観点)を挙げて解説
11
ADDING 販売数量/伸び率の向上
海外展開≠利益の向上
「会計上の利益-資本コスト」という視点の
欠如
規模・範囲の経済
1. レベル→地球規模・国別規模・工場規模・顧
客
2. 強度→傾向・影響を受けるコスト・対売上比
率
3. その他の影響
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ADDING コストの削減
コスト・価格の影響を分解
コストの増加も考慮する
(ex.ダイムラー・クライスラー
その他の増加要因
場所・タイミング・政府規制等
業界のコスト対売上高比を見る
13
ADDING 差別化、支払差額の向上
差別化の可能性を検討
自社と業界研究開発費、広告費を比較する
「支払価格」よりも「支払意志額」
1. 価格=支払意志額+交渉力・業界の魅力
2. グローバル<ローカル? (ex.ハーゲンダッツ
 市場を正しくセグメント分けする
セグメント分け=クロスボーダーでこそ重要
14
I 業界の魅力と交渉力の向上
■業界の利益率は国ごとに違う点を考慮に入れる
。
(p.143図3-8参照)
国による違い・業種による違い
‘構造に根ざすシステマティックで大きな違い’
15
I 業界の魅力と交渉力の向上
■自社の業界のシェア動向を理解する
EX)自動車業界
「この業界は一段と寡占が進む」
しかし…
(p.144図3-9参照)
集中度低下。数十年前からは低い水準で横ばい。
最も集中が進んでいたのは、80年前!!
「業界による差異も重要。」
16
I 業界の魅力と交渉力の向上
■業界構造のその他の変化も幅広く観察する
グローバリゼーションは業界の集中を促進しているか?
‘証拠を見て判断するべき’
EX)ファイブ・フォース分析
①販売や製造が新興国に移りつつあるか
②ホールドアップを食らうリスクが高まるか
17
I 業界の魅力と交渉力の向上
■競争をどうやって緩和・激化させるかを熟考
「競合他社の行動=数種類の標準形しかない」
と考えられがち
しかし
競合他社の行動予測は、
詳しい分析をもとに考えるべきである!!
18
I 業界の魅力と交渉力の向上
■自社の行動が、ライバルのコストやライバルの製品
の支払意志額に与える影響を理解する。
競合他社のコスト上昇や支払意志額の低下
★同じ効果★
自社のマージン拡大による絶対的な地位の向上
EX)IBM・アクセンチュア
19
I 業界の魅力と交渉力の向上
■法律、市場外の制約、倫理を守る
・法的な解釈 ー 国によって異なる!
・筆者の考える法・倫理に関するリスト
(p.145参照)
20
N リスクの平準化/最適化
■業界におけるリスクの大きさと本質的な特徴
を理解する
戦略的観点からリスクを分解する大まかな方法
=リスクをカテゴリーに分解すること(p.146参照)
注意)・ダブルカウントを避けること
・重要となるリスクは、戦略・業種ごとに異なるこ
とを忘れないこと。
21
N リスクの平準化/最適化
■クロスボーダーでの活動がどれだけリスクを低下・
増大させるか評価する
・グローバルに手を広げることは、問題が複数の市場
に伝播するリスクを増大させる。
EX)コカ・コーラ
・市場間の利益の相関は、現地の競合他社との利益
の相関よりも高い。
EX)アーサー・アンダーセン
22
N リスクの平準化/最適化
■リスクの増大によって生じうる恩恵を認識す
る。
リスクは常に最小化すべき??
‘状況によっては、リスクにこそ価値がある!’
EX)金融業界
価格が激しく動くときはオプションの価値が高まる。
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N リスクの平準化/最適化
■リスクへの感応度や選択肢の管理の方法を
複数考える。
可能性の幅が広がれば、会社の直面するリス
クとリターンの状況も改善される。
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G 知識およびその他の経営資源や能力の創造
■ある地域特有の知識か、それとも他の地域
でも応用できる知識か。応用できるならその
知識をどう応用するかを見定める。
<知識の移転を試みる場合>
知識を、注意深く‘ある状況から別の状況へ’と
再度当てはめる必要がある。
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G 知識およびその他の経営資源や能力の創造
■複数の方法で知識の創出と移転を管理する
。
非公式の移転の手段は様々。
人と人との交流、買い手、納入業者、コンサルタントとの協調、
オープン・イノベーション、模倣、知識の利用契約 など
EX)・アモーレ・パシフィック(失敗例)
・資生堂(成功例)
マネジメントの革新も国境を越えて有効に移
転できる。
26
G 知識およびその他の経営資源や能力の創造
■同じような条件の他の経営資源や能力を考
える。
例えば、‘コネ’
EX)セメックス (p.150参照)
■ダブルカウントを避ける
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戦略的意思決定に付随する要素
①持続性
・持続性はあって当たり前ではない。
・指標だけ見ていても、自社の置かれている環境は
分からない。
・自社の存在を前提に、他社がどのような行動にで
るのかを予想する。
・自社の行動がどの程度まで模倣されるのかを見極
める。
・戦略全体に論理性をもたせる。
・持続的な優位が得られないとしても、自社の価値を
高めることができるのであれば実行する。
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戦略的意思決定に付随する要素
②判断
・分析から得られる結論が合理的であるとは限らな
い。
・戦略的意思決定にはぬきんでた能力や競争力が
必要。
・自社の経営資源のバランスを保ちつつ、判断する。
・戦略がどのように顕在化し、評価されたか等に留意
し、判断する。
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戦略的意思決定に付随する要素
③創造力
・検討している戦略を管理、発展形態、規模、タイミ
ング、その他の要素に分ける。
・精査する試みの範囲を広げる。
・視野を変えてみる。
・組織全体の想像力を利用する。
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第三章の結論
・本章では国境を超える行動による価値創造を
追求するための包括的で確固とした基盤を提
供。
・ADDING価値スコアカードでは6つの構成要素
を頭に入れておくだけでなく、分解してできる
だけ数量化し、比較を行うことが重要。
・次章以降では、第一章で開発した概念やツー
ルを応用して、複雑かつ顕著である差異を検
討する。
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