確率と統計

確率と統計2009
平成20年11月12日
今日の内容
1.
2.
3.
4.
乗法の定理(確率)
ベイズの定理
確率公式のまとめ
今後の予定
• 「事象Aと事象Bが同時に起きるという出
来事(事象)の生起確率」を考える。
これを、
P(A and B)
と書くこととする。
• 例:2個のサイコロ(赤いサイコロと白いサ
イコロ)を投げる。「赤いサイコロの目が1」
(=A)で「白いサイコロの目が3」(=B)とな
る確率。
• P(A and B) =
P( 赤いサイコロの目が1 and
白いサイコロの目が3 )
• 例:1個のサイコロを投げて、
A = 2の倍数の目が出る
B = 3の倍数の目が出る
ということが同時に起きる確率
• P( A and B ) =
P(2の倍数の目が出る and
3の倍数の目が出る)
事象Aに対応
する集合群
事象Bに
対応する
集合群
P(A ∩ B)
• サイコロ投げ
–
–
–
–
事象A: 2の倍数(偶数)が出る
事象B: 3の倍数が出る
A and B: 6の倍数が出る
A∩B = {2,4,6}∩{3,6} = {6}:
6の倍数が出る
1
3
5
2
6
4
P(A ∩ B)
• P(A and B) = #(A∩B) / #Ω
= #(A∩B) / N
= #{6} / #{1,2,3,4,5,6}
=1/6
• 次に「事象Aが起きた後に事象Bが起きるという
出来事(事象)の生起確率」
を考えてみる。
これを、
P(B | A)
と書くこととする。
• <<注>> 事象Aが起きたという条件の下、事象B
の生起する確率を聞いている。単にBが生起す
る確率を聞いているのではない。
• 例:
– 雨が降った(事象A)次の日が晴れる(事象B)
確率
– 1回目は表(事象A)、2回目は裏(事象B)の
確率
– まず、事象Aが起き、ついで、
「事象Bが起きる確率」 => P(B | A)
今日雨であることを知って、明日晴れる確率
を求めたい、ということ。
• サイコロ投げ
– 事象A: 2の倍数(偶数)が出る
– 事象B: 3の倍数が出る
– Aが起きた後に(という条件の下に)、
Bが起きる。
まず、標本空間を作って考えよう。
• 標本空間Ω
Ω = Ω1×Ω2
= {{1,1},{1,2},{1,3},{1,4},{1,5},{1,6},
{2,1},{2,2},{2,3},{2,4},{2,5},{2,6},
{3,1},{3,2},{3,3},{3,4},{3,5},{3,6},
{4,1},{4,2},{4,3},{4,4},{4,5},{4,6},
{5,1},{5,2},{5,3},{5,4},{5,5},{5,6},
{6,1},{6,2},{6,3},{6,4},{6,5},{6,6}}
• 標本空間Ω={
{1,1},{1,2},{1,3},{1,4},{1,5},{1,6},
{2,1},{2,2},{2,3},{2,4},{2,5},{2,6},
{3,1},{3,2},{3,3},{3,4},{3,5},{3,6},
{4,1},{4,2},{4,3},{4,4},{4,5},{4,6},
{5,1},{5,2},{5,3},{5,4},{5,5},{5,6},
{6,1},{6,2},{6,3},{,64},{6,5},{6,6}}
事象A
• 標本空間Ω={
{1,1}, {1,2},{1,3}, {1,4},{1,5},{1,6},
{2,1},{2,2},{2,3},{2,4},{2,5},{2,6},
{3,1},{3,2},{3,3},{3,4},{3,5},{3,6},
事象A
{4,1},{4,2},{4,3},{4,4},{4,5},{4,6},
{5,1},{5,2},{5,3},{5,4},{5,5},{5,6},
{6,1},{6,2},{6,3},{,64},{6,5},{6,6}}
事象B
• 標本空間Ω={
{1,1},{1,2},{1,3},{1,4},{1,5},{1,6},
{2,1},{2,2},{2,3},{2,4},{2,5},{2,6},
{3,1},{3,2},{3,3},{3,4},{3,5},{3,6},
{4,1},{4,2},{4,3},{4,4},{4,5},{4,6},
{5,1},{5,2},{5,3},{5,4},{5,5},{5,6},
{6,1},{6,2},{6,3},{,64},{6,5},{6,6}}
事象A
• サイコロ投げ(続き)
– 1回目2の倍数が出て、
2回目に3の倍数が出る 確率
– 前の図より、
P( B | A ) = 6 / 36
=1/6
一方、
P(A and B) = #(A∩B) / #Ω
= ( #(A∩B) / #A ) × ( #A / #Ω)
= ( #(A∩B) / #A ) × P(A)
ここで、
#(A∩B) / #A は、
「Aが起きたという条件の下でBが起きる確率」
になっている。
従って、
P(A and B) = P( B | A ) ×P(A)
= (18 / 36) × (6 / 18 )
= (1 / 2 ) × ( 1 / 3)
= 1 / 6 <=確かに一致!
確率計算の公式
• P( A∩B ) = P(A)×P(B | A)
• P(B | A) = P( A∩B ) / P(A)
• いま特に、
「Bの生起確率がAの生起に無関係」
であるとする。つまり、
P(B | A) = P(B)
• このとき、
P(B) = P(B | A) = P(A∩B) / P(A)
• よって、
P(A∩B) = P(A)×P(B)
定義(独立と従属)
• 事象Bの生起確率は、事象Aに無関係
• 事象AとBとは互いに独立
• P(A∩B) = P(A)×P(B)
(独立事象の乗法定理)
• 「独立でない」とき、「従属である」という。
• 1個のサイコロの場合:
– 1回だけ投げる場合:
•
•
•
•
A:2の倍数  生起確率 3 / 6 = 1 / 2
B:3の倍数  生起確率 2 / 6 = 1 / 3
AとBは互いに独立
P(A and B) = P(A∩B) = P(A)×P(B)
= (1 / 2) ×(1 / 3)
= 1 / 6 <= 前の結果と一致!
• 1個のサイコロの場合:
– 2回続けて投げる場合:
•
•
•
•
A:2の倍数  生起確率 3 / 6 = 1 / 2
B:3の倍数  生起確率 2 / 6 = 1 / 3
AとBは互いに独立
P(A and B) = P(A∩B) = P(A)×P(B)
= (1 / 2) ×(1 / 3)
= 1 / 6 <= 前の結果と一致!
• 練習問題
– 1枚のコインを3回続けて投げるとき、表裏表
となる確率はいくか?
• ヒント:コイン投げでは、それまでに何が出たか(表
が出たか裏が出たか)関係しない。
=> 独立な事象
=> 乗法の定理が使える。
確認問題
(確率の計算に慣れよう)
1. 1組52枚のトランプカードから、カードを
1枚づつ2回取り出す。ただし、1枚目の
カードは、2枚目を取り出す前に元に戻
すものとする。
(1)2枚ともスペードとなる確率は?
(2)2枚ともスペードかまたは2枚とも
ハートとなる確率は?
2. 1組52枚のトランプカードから、カードを
1枚づつ2回取り出す。ただし、一枚目の
カードは、元に戻さないものとする。
(1)2枚ともスペードとなる確率は?
(2)2枚ともスペードかまたは2枚とも
ハートとなる確率は?
3. 男の子の生まれる確率が1/2であるとし
て、6人の子持ちの家族で次の事象の
起こる確率を求めよ。
(1)子供全員が男の子である確率は?
(2)子供全員が男の子であるかまたは
女の子である確率は?
(3)男の子が5人、女の子が1人である
確率は?
練習問題(宿題)
• 教科書のp.65-p.68の例題(2)(例1~例
5)を勉強しておくこと。
• 余裕のある人は、教科書p.52-p.65にも目
を通しておくこと。
(何も提出の必要はありません)
大学入試問題の例
1. 問題1: 次の確率を求めよ。
(1)2個のさいころを投げるとき、目の和が
素数である確率。
(2)3枚の硬貨を投げて、表1枚、裏2枚が
出る確率
ここからは、少し進んだ話
まずは気楽に聞いてください。
ベイズの定理
• 例:2つの箱AとBがあり、Aには赤球が
1個、白球が2個入っており、一方、Bには
赤球が2個、白球が3個入っている。いま、
2つの箱を無作為に選んで、かつ、選んだ
箱から無作為に球を1つ取り出したら赤球
だった。この球がAから取り出された確率
はいくらか?
• ~したら~だった。このとき、~だった確率。
• このような確率を「事後確率」といい、計算
公式が知られている。
• ベイズの定理という。
• 以下では、この公式の使い方を説明する。
• 1つ取り出したら赤球だった。
• このとき、この球がAからとられた確率
は?
赤球
赤:1個
赤:2個
白:2個
白:3個
箱A
箱B
赤球
1/2 *1/3
A
1 / 2*2/3
白球
赤球
1 /2 * 2/5
B
白球
1/2*3/5
• 求める確率P
Aが選ばれる確率 × Aの赤球が選ばれる確率
=------------------
(箱Aの確率 × Aの赤球の確率) +
(箱Bの確率 × Bの赤球の確率)
=( 1 / 2 × 1 / 3 ) / { ( 1 / 2 × 1 / 3 )
+ (1 / 2 × 2 / 5 ) }
= 5 / 11
レポート問題: いま稀にしか起こらないある
特別な病気(例えばHIV)を発見する検査
法があるとする。この検査法が実際にその
病に冒されている人(A群)に適用されるな
らば97%の確率でその病気であることを発
見することができる。一方、健康な人(B群)
にこの検査法を適用すると、その5%の人が
病気であると間違った診断結果をもたらす。
さらに、別のある軽い病気にかかっている
人(C群)にこの検査法を適用すると、その
10%の人が病気であると誤診する。
多数の人を調べたところ、A群の人、B群の人、
C群の人の割合はそれぞれ、1:96:3であった。
さて、任意の1人に対してこの検査法を適用
したところ、陽性反応(その病気にかかって
いるとの反応)が得られた。
このとき、この人が本当にその病気にかかっ
ている確率はいくらか?
レポート課題
• 先ほどのレポート問題を解き、次週提出し
てください。
• A4のレポート用紙(表紙を付けること)
• 詳細は授業で説明します。
発展課題
1. 前記のレポート問題を例題として、ベイ
ズの定理を証明してみてください。
(Hint:乗法の定理から簡単に導かれま
す。)
確率の諸公式
• P(A∪B) = P(A) + P(B) – P(A∩B)
• P(A∪B) = P(A) + P(B)
• P(A∩B) = P(A)×P(B | A)
= P(B)×P(A | B)
• P(A∩B) = P(A)×P(B)
(加法の定理)
(排反事象の加法の定理)
(乗法の定理)
(独立事象の乗法の定理)
• ベイズの定理(事後確率を計算するための公式)
お知らせ
今年も定期試験は実施しません。
レポートのみです。レポートは後日
お知らせします。