統計解析 第5回 第4章 確率

統計解析 第5回
第4章 確率
今日学ぶこと
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経験的確率
理論的確率
加法定理
条件付き確率
経験的確率と理論的確率
• 経験的確率:
経験(過去のデータ)からわかる確率
(理由はわからない)
(例:ナンパ成功の確率)
• 理論的確率:
理由がわかっている確率
(過去のデータは調べない)
(例:さいころ、ルーレット、宝くじ)
用語、定義など
• 標本空間:起こりえる結果の集合
– さいころの目ならば1~6
• 標本点:起こりえる結果
– さいころの目ならば1や2など
• 事象:起こりえる結果の部分集合
– さいころの目が偶数
• すべての結果が同じくらい起こりそうな場合、
事象の確率 
事象の大きさ
標本空間の大きさ
さいころの目が偶数の 確率 
3 1

6 2
• 事象Aの確率をP(A)と表す Pさいころの目が偶数   12
• 確率は0以上1以下
加法定理
さいころの目が偶数あるいは5以上である確率は?
P(偶数あるいは5以上) = P(偶数) + P(5以上) – P(偶数かつ5以上)
3 2 1 4 2
    
6 6 6 6 3
事象A = さいころの目が偶数
事象B = さいころの目が5以上
ベン図
偶数 3
加法定理
2
P(AUB) = P(A) + P(B) – P(A∩B)
4
6
5以上
5
1
さいころの目の標本空間
排反と余事象
排反: 同時に起こりえないこと
事象A = さいころの目が偶数
事象B = さいころの目が1
排反の加法定理
P(AUB) = P(A) + P(B)
P(A∩B) = 0
このとき、
P(AUB) = P(A) + P(B) – P(A∩B) = P(A) + P(B)
ベン図で
重なりがない
Aの余事象: Aが起こらないこと
Aの余事象を Aで表す
PA  1  PA
P目が1でない   1  P目が1
1 5
 1 
6 6
3
目が偶数
2
6
4
目が1
1
5
さいころの目の標本空間
ちょっと練習問題
学生が全部で37人
サッカー部に属している学生は21人
バスケットボール部に属している学生は23人
サッカー部とバスケットボール部の両方に属している学生は13人
ランダムに選んだ1人が
サッカー部あるいはバスケットボール部に属している確率は?
ランダムに選んだ1人が
サッカー部にもバスケットボール部にも属していない確率は?
P(バスケUサッカー)
= P(バスケ)+ P(サッカー)-P(バスケ∩サッカー)

23 21 13 31



37 37 37 37
バスケ
?
P(サッカーでもバスケでもない)
=1 – P(バスケUサッカー)
31 6
 1

37 37
10
6
サッカー
13
8
条件付き確率
学生が30人いる。
15人の目は青い
5人は左利き
2人は目が青く、かつ、左利き
事象A = 左利き
事象B = 目が青い
2
学生の目が青いとわかったときに左利きである確率 
15
事象Bが起こったときに事象Aが起きる確率: P(A|B)
左利き
条件付き確率
P A | B  
P A  B 
P B 
3人
目が青い
2人
13人
12人
学生の標本空間
乗法定理と独立事象
条件付き確率
P A  B 
P  B | A 
P  A
P A  B 
P A | B  
P B 
P(B)P(A|B) = P(A∩B)
P(A)P(B|A) = P(A∩B)
乗法定理
P(A∩B) = P(B) P(A|B) = P(A) P(B|A)
AとBは独立: Aが起こる確率とBが起こる確率は関係ない
P(A|B) = P(A)
独立の乗法定理
P(A∩B) = P(B) P(A|B) = P(B) P(A)
ちょっと練習問題
学生が全部で31人
全員サッカー部かバスケットボール部に属している
サッカー部に属している学生は21人
バスケットボール部に属している学生は23人
サッカー部に属している学生が
バスケットボール部に属している確率は?
バスケットボール部に属している学生が
サッカー部に属している確率は?
Pバスケ | サッカー  
13

21
Pバスケ  サッカー 
Pサッカー 
?
Pサッカー | バスケ  
13

23
Pバスケ  サッカー 
Pバスケ 
確率と直感の話
あなたはクイズ番組の優勝者
3つの扉のうち1つが当たり(2つはハズレ)
あなたが1つの扉を選ぶと、司会者が別の扉を
「ちなみにこれはハズレです。」
と言ってあける。そして
「もう一度選びなおしますか?」
と聞いてくる。
どうするか?
例えば
以下の3つの選択肢は
のうちどれを選べば
よい?
1. そのまま
2. もう一つの扉を選ぶ
3. どっちでもいい
おわりに
• 今日説明しなかったこと
– ベイズの定理
– 非復元抽出(口頭で説明)