スライド 1 - Ministry of Foreign Affairs of Japan

ITERって何?
水素の同位体である重水素と三重水素(トリチウム)の原子核を融合させると(核融合)、
膨大なエネルギーが発生します。 ITER(国際熱核融合実験炉)は、このエネルギーの
平和利用を目指した国際研究協力プロジェクトです。発端は1985年の米ソ首脳会談
(レーガン・ゴルバチョフ会談)で、その後、概念設計活動、工学設計活動において技
術的な検討が行われ、2001年7月にITERの設計仕様を記載した最終設計報告書がまと
められました。ITERでは、長時間(400秒以上)の核融合反応プラズマの維持を行い、
核融合発電の科学的・工学的実現可能性を検証します。
ITER本体断面図
核融合とプラズマ閉じ込めの原理
ITERにおける核融合反応
ITER では、燃料となる重水素とトリチウムを、超高
温 (1億度以上) のプラズマ状態 (原子の原子核と電
子が自由に飛び回る状態) にして核融合反応を起こし
ます。わずか 1g の燃料から石油 8トン分のエネル
ギーが発生します。この膨大なエネルギーを発電に利
用します。
超高温プラズマを閉じ込めるには?
プラズマの形状をドーナツ形にし、それを取り囲むように
沢山のコイルを配置します(下図参照)。これらのコイルと
プラズマの中に流れる電流は、プラズマを包み込むような
「籠」の形をした磁力線(強さは地磁気の約10万倍)の壁を
作ります。これによって超高温プラズマを容易に閉じ込め
ることができます。ITERもこの方式を採用しています。
30m
核融合出力
:
プラズマ体積
本体重量
50万キロワット
(70万キロワットまで可能)
: 約840立方メートル
: 1万8千トン
ITER計画のスケジュール
0
プラズマ
トロイダル
磁場コイル
5
10
建設段階
(10年)
容器
真空
ポロイダル
磁場コイル
複合螺旋状磁場
らせん状磁場
プラズマ
トロイダル磁場
電流
15
20
25
運転段階(20年)
30
35 (年)
除染
段階
(約5年)
事業体
発足
本体建設
開始
ファースト
プラズマ
除染
段階
事業体
解散
以降、密閉
隔離の後、
解体