各種コンクリート コンクリート工学研究室 岩城 一郎 多様化の進むコンクリート • • • • • • • • • レディーミクストコンクリート マスコンクリート 寒中コンクリート 暑中コンクリート 高流動コンクリート 吹付けコンクリート プレパックドコンクリート ポリマーコンクリート 繊維補強コンクリート等々 レディーミクストコンクリート • 我が国のセメント使用量の約7割を使用 • (全国に配置されている)専用プラント(生コン工場) で製造(半製品,JIS規定)→輸送→現場で荷卸し (ここまで製造者の責任)→(ここから施工者の責 任)現場内運搬(ポンプ圧送)→打込み・・・ • 簡単に言うと宅配ピザのイメージ • 長所:合理的(電話一本),現場内のコンクリート製 造用スペースが不要,製造時の品質保証,経済的 • 短所:製造時のミス(種類が多い),製造者と施工 者の責任,運搬時間による品質変動→加水× レディーミクストコンクリートの種類 三浦尚,土木材料学,コロナ社より • 呼び強度≒設計基準強度 • 呼び方:普通-21-8-20-N→普通コンクリート-呼び強度21MPaスランプ8cm-粗骨材最大寸法20mm-普通ポルトランドセメント 使用 マスコンクリート • ダムなどのような体積の大きな(Massiveな)コンクリー ト→水和熱による温度上昇の影響(温度ひび割れ)を 考慮しなければいけないコンクリート. • 温度上昇 大→コンクリート内部(高温)と表面部(放熱 により内部ほど温度が上がらない)で温度差 大→内 部拘束応力 大(外側引張,内側圧縮)→ひび割れ • 温度上昇 大→温度降下量 大→新コンクリートと旧コ ンクリートを打継いだ場合,外部拘束応力 大→ひび 割れ • 対策:単位セメント量 少,低発熱タイプのセメントを使 用(中庸熱,低熱,混合セメント),伸縮継目?プレクー リング(打込み温度の低下),十分な養生 寒中コンクリート • 日平均気温が4℃以下になるような気象条件下 で施工されるコンクリートを対象 • 冬期に(特に寒冷地で)施工されるコンクリート (特別な配慮を要する場合) • 初期凍害→一定期間0℃を保つ • (冬から春までの)凍結融解作用(凍害) →AEコンクリート • 強度発現性の低下:適切な材料の選定,配合 設計,十分な養生 暑中コンクリート • 日平均気温が25℃を超える時期に施工される コンクリートを対象 • 夏期に施工されるコンクリート(特別な配慮を要 する場合) • (製造時及び現場搬入後の)スランプ低下,凝 結の促進→配合修正 • 水和熱による温度上昇→マスコンクリート対策 高流動コンクリート • 「フレッシュ時の材料分離抵抗性を損なうことな く,流動性を著しく高めたコンクリート」 • 締固めを行なわずにコンクリート施工が出来る 場合→自己充てん性のあるコンクリート • スランプフロー試験により流動性を評価 • 粉体量の増加,または増粘剤の添加,あるいは その併用による材料分離抵抗性(粘性)の増加, 高性能(AE)減水剤の添加による流動性の増加 • 粉体系高流動コンクリート,増粘剤系高流動コ ンクリート,併用系高流動コンクリートの3種類に 大別 高流動コンクリートの用途と問題点 用途 • 振動締固めが困難な箇所(振動機が入らないところ.例 サンド イッチ構造,コンクリート充填鋼管柱) • 工場製品(騒音防止) • 汎用コンクリートとしての適用(打込み作業の省力化,合理化, コンクリートの品質に対する信頼性の向上) 問題点 • コスト • 品質変動 • 型枠の補強 実際にあった例→現場の認識不足により,低品質コンクリートが できてしまう可能性あり 高流動コンクリートの製造(実験室) 高流動コンクリートの施工現場 その他のコンクリート(詳細は教科書参照) • 吹付けコンクリート:トンネル,法面施工 • プレパックドコンクリート:水中コンクリート • ポリマーコンクリート:ポリマー(重合体:樹脂,高分子 系材料)を使用したコンクリート,補修補強材料 • 繊維補強コンクリート:短繊維の混入によりコンクリート の引張強度や伸び能力を改善させたコンクリート 三浦尚,土木材料学, コロナ社より
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