重要事項NO8 コンクリート工(2) コンクリートの養生 ①養生の目的は、コンクリートが所定の強度を発現するまで、気象作用や衝撃・荷重 から 保 護 す る と と も に 、 所定 の 期 間 湿 潤 状 態 に 保ち 、水 和 反 応 に よる セ メ ン ト の 硬化 作 用 を十分発揮させるとともに、乾燥に伴う引っ張り応力やひび割れの発生を出来るだけ少な くし、コンクリートの所定の品質を確保することである。 ②養生作業は ・硬化中十分に湿潤状体に保つこと ・コンクリートの硬化中、所定の温度に保つこと ・ 気 象 作 用 ( 日 射 、 風 、 雨 、 雪 な ど )に 対 し て コ ン ク リ ー ト の露 出 面 を 保 護 す る こ と ・十分硬化するまで外力から保護すること ――――等がある。 特別な考慮を必要とするコンクリート(1) <マスコンクリート> ① マ ス コ ン ク リ ー ト と は 、 断 面 の 大 きい マ ッ シ ブ な 構 造 物 に 打設 す る コ ン ク リ ー ト である。 ②コンクリートの打設量が多いいと、セメントの水和反応による温度上昇が大きく、 そ の た め ひ び 割 れ が 生 じ や す い の で、 で き る だ け セ メ ン ト 量を 少 な く す る 配 合 と する。 ③セメントの水和による発熱量は、単位セメント量にほぼ比例し、単位セメント量 10 ㎏/m 3 にたいし1℃の割合で増減する。 ④単位セメント量を少なくする方法として、 aワーカビリテイの得られる範囲でスランプを小さくする b粗骨材の最大寸法を大きくして単位水量を減らす c良質の減水剤を用いて単位水量を減らす───等の対策がある。 ⑤コンクリートの打設時の温度が高いと膨張・収縮によりひび割れが発生しやすくな るので、パイプクーリングなどで温度上昇を抑える。 <水中コンクリート> ① 水 中 コ ン ク リ ー ト と は 、 水 中 に 打 ち込 む コ ン ク リ ー ト を い うが 、 事 情 の 許 す 限 り 水中に打設することは避ける。 ②水中コンクリートの打設上の留意事項として、セメントの流失、レイタンスの発 -1- 生 を 防 ぐ た め コ ン ク リ ー ト は 静 水 中に 打 設 す る 。 ま た 、 流 水の 流 速 は 3 m / 分 以 下の条件とする。 特別の配慮を要するコンクリート(2) <暑中コンクリート> ①暑中コンクリートは外気温が 25 ℃を超える気象条件で打設するコンクリートの総 称である。 ②練り混ぜから打ち終わりまでの時間は、1,5 時間と規定されている。 ③打設時のコンクリート温度は 35 ℃以下と規定されている。 ④ 外気 温 が 高 く 乾 燥 早 い の で、直 射 日 光 、 風 など か ら 保 護 し 、必要 に 応 じ て 散 水 す る などして、打ち込み後 24 時間は絶えず湿潤状態とし、その後 5 日の湿潤養生期間を 確保する必要がある。 <寒中コンクリート> ①寒中コンクリートは、外気温が 4 ℃以下の気象条件下で打設するコンクリートの総 称である。 ②打設時のコンクリート温度は 5 ~ 20 ℃と規定されている。 ③養生温度は強度が 5 N/mm 2 に達するまで 5 ℃(気象条件が厳しい場合 10 ℃) 程度を保つことと規定されている。 ④凍害を防止するためAEコンクリートの使用が効果的である。 鉄筋の組立 ① 鉄 筋 は 組 立 図 に も と づ き 、 正 し い 位置 に 配 置 し 、 必 要 に 応 じて 組 立 用 鋼 材 を 用 い て堅固に組みたてる。 ②鉄筋は組みたてる前に清掃し、浮き錆その他のコンクリートとの付着 を 害 す る も のを取り除く。 ③ 鉄 筋 の か ぶ り 、 あ き を 適 正 に 確 保 する た め 適 切 な 位 置 に ス ペー サ を 配 置 す る 。 ま た 、 型 枠 に 接 す る スペ ー サ は 、 鋼 製 の も のは 使 用 せ ず 、モ ルタ ル 製 、 コ ン クリ ー ト 製のものを使用する。 ④鉄筋の加工は常温加工とし、原則として加熱して加工してはならない。 ⑤ 重 ね 継 ぎ 手 の 焼 き 鈍 し 鉄 線 で の 巻 き長 さ は 、 あ ま り 長 く す ると コ ン ク リ ー ト と の 付着強度を低下させるのであまり長くしない。 コンクリートの配合設計 ①配合とは、コンクリートまたはモルタルを作るときの各材料の割合または使用量 をいい、示方配合と現場配合がある。 ② 示 方 配 合 は 設 計 図 書 ま た は 責 任 技 術者 に よ っ て 指 示 さ れ る 配合 で 、 骨 材 は 表 面 乾 -2- 燥飽水状態であり、細骨材は5㎜ふるいを全部通るもの、粗骨材は5㎜ふるいに全 部とどまるものを用いた場合の配合である。 ③ 現 場 配 合 は 骨 材 を 骨 材 内 部 も 表 面 もぬ れ て い る 湿 潤 状 態 に ある も の と し て 示 方 配合を修正して定めたものである。 ③ 示 方 配 合 の 表 し 方 は 、 粗 骨 材 の 最 大寸 法 ( m m ) ス ラ ン プ (c m ) 空 気 量 ( % ) 水セメント比W/C(%)細骨材率s/a(%)を定め、次に単位水量(W)単位 セメント量(C)単位細骨材量(S)単位粗骨材量(G)単位混和剤量(F)をk g/m 3 の単位量で表す。 配合設計の基本 ① コ ン ク リ ー ト の 品 質 に 最 も 大 き な 関わ り を 持 つ も の は 、 単 位水 量 と 単 位 セ メ ン ト 量の比、すなわち水セメント比(W/C)である。 ②必要以上に単位水量の多いコンクリートは、所定の強度を確保する為の単位セメ ント量も多くなり不経済になる。また、水和反応による発熱が大きく膨張・収縮に よる温度ひび割れが発生しやすいので、コンクリートの配合において、所要の品質 と、作業に適するワーカビリテイの得られる範囲で、単位水量はできるだけ少なく する。 -3-
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