第4章 3節:リスク管理の大失敗?(P162-172) 08BA231C 松江沙織 前置き 米国主要投資銀行 ゴールドマン・サックス モルガン・スタンレー メリルリンチ 金融持株会社に バンクオブアメリカ による買収 米五大投資銀行の消滅 ベアー・スターンズ 公的資金注入後、JPモルガ ンチェースによる買収 リーマン・ブラザーズ 破綻後、野村HDによ るアジア部門買収 1項 リスクの定量的把握 リスク管理の分野での発展は90年代以降 Va R ( Va l u e at Risk) 過去の市場変動実績から、一定の条件のもとでの 将来起りうる最大損失額を統計的に予測する手法 1項 リスクの定量的把握 リスク管理 市場リスク 保有する資産の市場価格変動に伴う 信用リスク 債務不履行やその蓋然性の程度による オペレーショナル・リスク 内部プロセスや組織、システム等の機能性による モデル・リスク 定量的把握の前提とするモデルの不適切な選択によ るリスク。潜在的には常に問題であるが市場の不透明 性が高く不安定な状況において、モデル分析が有効で なくなる可能性がある 1項 リスクの定量的把握 証券化商品に内包するリスク 原資産ポートフォリオに関するリスク 原資産ポートフォリオの内容に関する情報 リスク評価はマクロ経済環境や ストラクチャーに関するリスク 投資の可否を判断する際、オペレーショナル・リス 金融市場状況等により変化する。 クやリーガル・リスクを含めてた リスク管理は常に定量的な 保有ポートフォリオ全体のリスク 分析にとどまってはいけない。 個々の証券化商品のリスク・リターンに加えて、保 有するポートフォリオ全体のリスク・リターン 2項 危機における市場の動きと リスク管理の課題 危機における市場の特徴 流動性リスクや信用リスクなどが同時に悪化する 滅多に起きない上昇や下落などの極端な事象が頻発 極値の重要性 リスク管理における 重要な課題 価格の上昇局面と下落局面での非対称性 ボラティリティを価格の上昇局面と下落局面で比較すると下 落局面でのほうが大きい 2項 危機における市場の動きと リスク管理の課題 危機において様々な問題が生じる 平時、リスク種類別に把握しているため、複数のリ 通常期待される平均的な結果ではなく スクが関連する状況において適切に価格を評価する 予期しない事態が発生した場合に ことが困難になる 対処できるようにしておくことに 平時、金融資産の評価は常に流動性が供給されてい リスク管理の本質がある。 てかつ自由な取引ができる状況で裁定が働くことを 前提としている為、流動性の乏しい市場において、 金融資産の価値を適切評価することは困難になる 3項 リスク管理の最後の砦―― 資本クッションの意味 バーゼルⅡに限らず、 金融監督における自己資本比率規制は リスク管理に 市場の転換点を見極めることは困難! リスク管理を完璧に 本来最低水準を定めるものに過ぎず 対する最終的な また、見極めの間違いに対処できる 達成することは 現実にどのような資本政策を採るかは 資金を持ち合わせているのか? 備えは資本基盤 簡単ではない ビジネスモデルやリスク管理の水準と不可分であり、 経営の要や金融機関の規律に密接に関係している 論点
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