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碁石ゲームに関する考察
4目並べ講座
パターン生成ゲームの楽しみ
徳山 豪 (東北大学)
パターン生成ゲーム
• 黒(先手)と白(後手)が碁盤上に互いに石を
置く(スライドでは、黒は青く、白は赤い)
• 先手が指定されたパターンを作れば勝ち
• 後手は邪魔をして守りきれば勝ち
– 後手がパターンを作っても勝ち(反撃あり)
– 後手のパターン生成は無視(反撃なし)
伊藤さんの数理解析研究所でのセミナー
五目並べ
•
•
•
•
縦横、対角線、逆対角線に5連を作れば勝ち
反撃あり 、15x15の盤 (交差点に石を置く)
パターンが出来なければ、満局(通常白勝ち)
三十数手程度で先手勝ちが示されている。
– 1993年にコンピュータプログラム化
• 連珠: 複雑(五珠2箇所打ちルールなど)
– 満局を引き分けにすることもある
• 6目並べ:後手の勝ち(つまり満局)?
–
7目並べならたぶん証明できるが。。。
浦月定石の典型例
15
16
11
6
10
12
9
19
5
13
7
1
8
14
2
17
18
3
4
花月定石の典型例
6
23
2
3
14
1
4
11
12
9
5
13
16
15
7
24
8
10
18
17
20
19 21
25
22
(斜めなし)4目並べ
• 縦横に4連を作れば勝ち
• 先手必勝
• 先手が6手(反撃なし)または7手(反撃あり)で
勝てる
4
4
1
2
1
7
3
8
5
6
5
後手の反撃が無ければ4手(あと2手)で
2-2が出来る
3
2
7
6
後手の反撃含みの防ぎ
5
6
1
7
2
3
4
後手の反撃が無ければ4手で2-2が出
来る
4
1
3
4
2
5
1
6
7
後手の反撃があっても5手で2-3が出
来る
6
3
2
5
7
後手の反撃があっても5手で2-3が出
来る
7
7
1
3
2
5
1
6
6
3
2
5
4
4
後手の反撃があっても5手で2-3が出
来る
後手の反撃があっても5手で2-3が出
来る(連珠の花月定石と似ている)
斜めなし5目ならべは?
• 後手の反撃が無くても後手が勝ち
• 数学的にエレガントな証明 (伊藤さんの講演)
– 局部戦略でOK
– 白は直前黒の着手の
隣接点に打つ
– どの隣接点かは
タイリングで指定
斜めなし5目ならべは?
• 後手の反撃が無くても後手が勝ち
• 数学的にエレガントな証明
– ドミノタイリング
を用いる
ドミノ以外のタイリング
• 斜めなし5目並べ後手勝ち
• 別証明
– 3x3タイリングを
用いる
疑問: 横4または縦5だと?
• 定理?? 後手の反撃が無いと先手が勝ち
• 予想
後手の反撃があれば後手が勝ち
• 横4または縦7: 反撃なしでも後手勝ち
– 証明:ドミノタイリングを用いる
• 横4または縦6: たぶん反撃なしでも後手勝
ちだが、証明は不明。 巨大タイリングを用い
て計算機をぶん回せば多分。。。
横4または縦5 (反撃なし版)
• 定理 後手の反撃が無いと先手が勝ち
いくつかの捕題を用いて、最後は各個撃破での
証明(??)
基本事項
基本事項1: ゲームは単調
ある局面が先手勝ちなら、黒石追加、もしくは白石削
除を行った局面も先手勝ち(囲碁や将棋では成立しな
い条件)
• 基本事項2: 横に二連または縦に三連ができ
たら、後手はどちらかの端を止める必要がある。
• 飛び二、飛び三は真ん中もしくは端を止める
補題1: ある黒石の左半
平面および右隣列に白石
が無く、同列の上下にそ
れぞれ3枡と4枡空白が
あるとき、続けて黒が打
てば黒勝ち
4
3
1
2
4
6
8
5
3
7
9
1
2
x
5
4
3
△
△
1
2
1
補題2.これでも勝ち
3
1
2
補題2の「証明」
補題の系
• 黒が離れたところに着手したときには、白は
その近傍(隣接8近傍、△の位置、もしくは上
下に距離2以下)に応手しないといけない
x
△ x △
x x x
x
△ x
x x
x
x
1
x
x
1
x
x
x x
x
x x
△ x △
x
△ x
x
△
最も基本の手筋(基本手筋1)
• 補題: 黒石が縦に2つ並んだ場合、次の2種
類の図面は黒から打てば勝ち。
妙手あり
5
1
3
4
補題の系より勝ち
2
5
4
3
1
2
1
基本手筋2。 横に止まらない石が
縦に2つ並ぶ下図は勝ち
補題の系から勝ち
x
x
1
3
2
基本手筋2。 横に止まらない石が
縦に2つ並ぶ下図は勝ち
7
6
5
2
4
1
3
基本手筋2に対する最強の受け
2
1
3
4
2
6
1
x
3
x
4
14 13
12
5
11 7
18
17
9
10
15
16
8
19
2
1
6
3
4
△
x
5
9
△
11
7
12
8
13
△
x
10
基本手筋1に帰着
基本手筋2に対する次善の受け
(解答略)
2
1
3
4
弱い受け(その1)
2
2
1
1
詳細略
5
2
1
3
手筋2で解決
4
2
1
4
3
5
手筋1で解決
弱い受け(その2) 解説不要?
2
2
1
1
3
3
2
1
3
4
5
手筋2で解決
2
1
3
4
5
手筋1で解決
中級の受け
3
1
2
4
2と4を入れ替えたものも同様
7
6
5
3
1
2
4
基本手筋1で解決
7
5
6
3
1
2
4
基本手筋1で解決
6
5
8
3
1
2
4
7
9
基本手筋2で解決
7
5
3
1
6
4
2
6
x
5
x
3
1
4
7
△
2
最強の受け
4
2
3
1
応手
4
2
1
3
A
C
5
D
B
最難関の変化
12
2
1
4
3
9x 10
5
11
6
7
8
13
基本手筋2に帰着
最難関
の変化
その2
15
4
2
1
3
14
13
10
9
12
5
11
6
7
8
基本手筋1に帰着
4
2
1
3
6
5
8
10
7
12
9
11
13
15
14
4
2
1
3
6
5
8
7
12
9
11
13
14
15
10
以下はEasy
Cases
13
4
2
1
3
6
10
x
9
5
11
x8
7
12
基本手筋1に帰着
4
2
1
3
7
5
8
6
9
基本手筋1(変
形)に帰着
その他の受け(難しくない)
4
4
3
1
2
3
1
Easy
2
8
2
1
3
5
6
7
9
4
9手目が少し難しい
15
11
13
14
10
2
1
3
9
12
5
6
7
8
4
14
11
13
10
2
1
3
9
12
5
6
7
8
15
4
11
14
13
10
2
1
3
9
12
5
6
7
8
15
4
11
2
1
3
9
5
6
10
7
8
4
8
10
7
2
1
6
5
9
3
11
4
6
2
1
5
7
3
4
15
9
10
13
11
12
7
14
2
1
5
6
8
3
4
15
9
10
13
12
7
8
1
3
11
14
2
5
6
4
問題点
• 証明になっているか?(誰か詳細を詰めて!)
• 計算理論の論文にはならない???
– 考え方自体は計算理論の論文でも似たようなもの
•
•
•
•
後手反撃ありの場合は後手勝ちか?
必勝手順の盤面サイズはかなり大きい
横4、縦6はどうなんだろうか?
ほかの組み合わせはどうだろうか?
–
または
は白勝ち など
縦五、横五、斜めkで後手必勝になるkは?
7目並べ
•
•
•
•
•
•
縦、横、斜めに7つ並べる
後手は反撃しない
後手勝ちか?
アイデア: 4x4のタイリング
4x4の中で、縦横の4連、対角線4連、副対角線3
連、さらに
「副副対角線の2連のうちの指定した2通り」がどれも
出来ないことを示せばよい
計算機でチェックすればよいのだが。。。
4x4での攻防
A
B
a
b
•防ぐ必要のある2連はAa と Bb
•黒の1手目に対する白の応手は
AaBbのどれか(他は負けそう)。
a
a
b
b
A
B
A
B
B
a
b
A
a
b
a
b
•黒の1手目の位置に対する白の応手の
テーブル
•3手目は、もう一つの2連候補をつぶす
• ちょっと怪しい。。。