摂食・嚥下障害者に対する 食事の工夫について 特別養護老人ホーム マイネスハウス 赤池 美和 取り組みの流れについて 施設長の食事への疑問 今のままの食事で いいのか? 介護職の意見 歯科医師の見解 刻み食はむせる! 摂食・嚥下障害に ミキサーは食べにくそう! 適した食事を! 栄養士・厨房での意見 食事の現場を知って感じたこと・・・ 食事をどう改善していくべきか? 刻み食の欠点をみつめて・・・ 刻み食・極刻み食は咀嚼しやすいように、 普通食を細かくしたもの 介護職員より、鶏肉や魚の刻みが特にパサつくと指摘 •刻み食は、唾液と絡めて食べなければならない •誤嚥を起こしやすい(むせやすいと言う事) 嚥下機能が低下した人に 適した食事ではない! 摂食・嚥下食の取り組み目標 歯科医師の先生に嚥下反射を調べていただき、施 設長や先生、介護職の方からアドバイスを頂いた 1.鶏肉や魚には唾液には代わるものを! 2.ゼリー状の食事がいいのではないか? (ミキサー食にも対応できるもの) 3.毎日、提供できるような手順のもの! パサつくものには、唾液 に代わる『あん』を作り、 かけることにした。 『あん』は、片栗粉でと ろみをつけたもの 結果 以前に比べ、食べやすく なり、むせが減った。 魚そのものだけで、食べ れる。 常食の煮魚 刻み食の煮魚 結果 ①ベタッとした食感になってしまう。 ②容易に舌で押しつぶせない。 刻みをゼリーで包み込んだ煮魚 (寒天類) 疑問1・・・固める寒天に問題があるのでは? ③刻みよりもミキサーを固めた付け合せの方が舌触りがいい。 疑問2・・・刻みを固めるだけでよいのか? 寒天とゼラチンの違い 寒天類 ・凝固温度35~40℃ ・溶解温度90~100℃ ・室温では溶け出しにくい 長 ・付着性*1が低い 所 ・調理作業がしやすい ・ミネラル、たんぱく質、糖質な どの影響を受け、硬さが変化し 短 やすい 所 ・室温で溶け出しにくい ・凝集性*2が低い ゼラチン類 ・凝固温度3.2~10.5℃ ・溶解温度40~50℃ ・体温で溶ける ・凝集性*2が高い ・調理作業がしにくい ・室温で溶け出す ・たんぱく質分解酵素を含む 食品と強い酸を持つものは固ま らない ・付着性*1が高い 1付着性…食品が食器や口腔に接したときに接着する度合い 2凝集性…食品が舌で押しつぶされた後、食品同士が結着しあい、食塊を形成する能力 どの形態でゼリー状にするか? 刻みを包み込んだ野菜の和え物 ミキサーを固めた野菜の和え物 刻み食をゼリーで包んで固めたものは、口の中で崩れて刻 み食になった。残存してしまう。 ミキサー食を固めたものは、味が均等で食べやすかった。口 の中に残りにくい。 ミキサー食にも対応ができる。 ミキサー食を固めたものを提供する 食事の実際 食べこぼしは激減!きちんと 摂取できる。 時間がかからず、難しくない ので調理員は全員できるよう になった。毎日、提供でき る! 魚料理の時は魚の形にする などの工夫を行っている。 和え物などは同じ色になりや すいので、形に工夫を加えた り、声かけによる食事介助を 実施している。 温かく、冷たく提供が可能! 食事形態の比較 常菜 刻み食 ミキサー食 ミキサー食を固めたもの 刻み 常菜 ミキサー食を固めたもの 今後の課題 硬さが材料によって異なる。 ミキサーにかけると、同じ色になりやすい。 形が同じものになりやすい。 何を食べたのか分かりにくい。
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