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8章 どのようにして安定した国
際通貨制度を構築するのか
目次
1 国際通貨
2 基軸通貨ドル体制
3 為替レート制度
4 通貨統合
1 国際通貨
1 交換手段としての機能
→ネットワーク外部性が作用
2 価値貯蔵手段としての機能
3 計算単位としての機能
2 基軸通貨ドル体制
基軸通貨の慣性
いったんある国の通貨が大きなシェアをもつ基
軸通貨となるとその地位が維持される
→基軸通貨の交代は頻繁に起きない
基軸通貨としてのドル
ブレトンブッズ体制
アメリカはドルを金に固定する一方、各国は自
国通貨をドルに固定させる
→大量にドルが供給され、基軸通貨の価値貯
蔵手段として十分に機能しなくても、ドルを基軸
通貨として使用した
ブレトンウッズ崩壊後→基軸通貨ドル体制
ガリバー型国際通貨制度
国際通貨の供給量に応じて機能面で質が変化
→シェアの高い国際通貨と低い国際通貨は不
完全代替の関係
→ドルと競争的な基軸通貨の存在は難しい
ガリバー型国際通貨制度
ドルのように経済取引においてシェアの高い国
際通貨が存在する
3 為替レート制度
ハード・ペッグ
ソフト・ペッグ 固定為替レート
管理フロート制度
変動為替レート
ハード・ペッグ
通貨同盟:独自の通貨をもたず共通通貨が
流通する ex)EU
ドル化:自国通貨を放棄し外国通貨を流通させ
る
ex)パナマ エクアドル
カレンシー・ボード制度:
通貨供給量は通貨残高のみに左右される
ex)香港
ソフト・ペッグ
◎不胎化、金融政策
為替バンド制度:公定中心レートを中心として
許容変動幅内に自国通貨を維持
クローリング・ペッグ制度:
対象国と自国のインフレ率格差を考慮し、一定
の変化率で名目為替レートを変化
ソフト・ペッグ
固定通貨レート制度:
通貨当局があらかじめ発表した公定相場で自
国通貨を外国通貨に固定
管理フロート制度:
為替レートは公表されず、通貨当局が裁量的
に為替介入を行う
為替レートの固定性・変動制
◎固定為替レート制度のメリット
1 外国為替リスクが低い
2 外国の金融政策に同調することにより
自国通貨の価値の安定を確保できる
為替レートの固定性・変動制
◎変動為替レート制度のメリット
1 国際収支不均衡が自働的に調整される
2 金融政策を自由に行える
4 通貨統合
• 通貨統合の便益
1 取引費用の節約
2 外国為替リスクがなくなる
・通貨統合の費用
1 すべての通貨同盟国にとって最適な金
融政策の実施が難しい
2通貨発行利益配分問題
3為替レート調整による各国経済の不均
衡の調整が不可能
最適通貨圏
• 最適通貨圏の決定要因
経済状況が同じであること
貿易面での経済の開放度
労働の移動性
・EU 1999年ユーロ導入
→導入国の中央銀行が欧州中央銀行のも
とに統合され金融政策を一元的に行っている