小学校における英語指導は、中学 校での英語学習にどのような影響 を与えるか? 植松茂男(京都産業大学) 東野厚子(摂南大学) JACET2012年全国大会 2012.9.1 2012/9/1 対象と、初期分析手法 • 2011年度10名、2010年度6名、計16名の中学 生に小学校英語活動に関して計8項目のイン タビュー(20分程度)を実施した。 • コーディング分析には、Nvivo (ver.7, QSR) を 使い、Grounded theory (Creswell, 2006, Strauss & Corbin, 1998)によるデータに立脚し た仮説や理論構築を目指したが、コーディン グ内容のバラツキが大きく、仮説提示できな いため、手作業で集計。 2012/9/1 代わりにテキストマイニングソフトの利用 • SPSS Text Analytics for Surveys (ver. 4.01) • 「アンケートの自由回答をかんたんに、そして すばやくコード化、視覚化を可能にします。自 由回答の分析価値を高めるテキストマイニン グツール」(下記Web) • SPSSの量的ソフトと連携している。 • http://www06.ibm.com/software/jp/analytics/spss/produ cts/statistics/text-analytics-for-surveys/ 2012/9/1 Q2小学校英語で一番心に残っていること(できごと) (出現頻度ベース) 2012/9/1 Q3 小学校英語は誰にどのように教えて欲しいですか? (言語学ベース) 2012/9/1 小学校教員(7名)へのインタビュー 2012/9/1 中学校教員(6名)へのインタビュー 2012/9/1 考察 • 生徒にとって、小学校英語活動では「外国 人」、「先生」の要因が大きな割合を占めてい る(ソフト分析) • 小英を誰にどのように教えて欲しいかでは、 外国人と間に入ってくれる日本人の先生が必 須であることがわかった(分析者分析) • 小英開始時期は小1が7割、小3まで含める と9割近くの生徒と、早期希望者が多い(分析 者) 2012/9/1 考察 • 中学に入学してから、「英語に戸惑った」生徒 は5割弱(分析者)。「文法」に関する記述が 多い(分析者・ソフト) • 小学校英語が中学英語につながっていると 感じている生徒は7割(分析者) • 「英語が好きか」との質問に関しては9割近く が肯定的回答(分析者) • 教師インタビューで小学校では「英語」の頻出 度合いが高いが、中学校では「活動」の頻度 が高く、「英語」と見なされていない(ソフト) 2012/9/1 考察 • 「その他」で「授業について行けない児童のケア、 文字指導(スペル)に関する記述が要因として大 きい(分析者・ソフト) • 小学校教師インタビューでは、「英語+良い」、 「環境」、「様子」、「学習」など、教師が子供の学 びを注意深く観察している様子が分かる(分析 者・ソフト) • 中学校教師インタビューでは、「活動」、「英語」、 「中学」、「生徒」、「授業」、「理解」など、通常の 授業に移行していることを示すようなコンセプト が出現してくる(ソフト) 2012/9/1 考察 • 分析者分析との併用でないと、結果の解釈がで きない。 • キーワードをいくつか絞り込み、それらを出現さ せるような質問設定が必要。 • 分析ソフトのカテゴリ分けは、出現頻度ベース・ 言語学ベースとも長所短所が有り、ソフト任せに できない。結果の解釈も注意が必要。 • インタビューのように長い場合は、該当部分のみ 抽出入力。量が多いと解釈しにくい。 • 基本的な分析は分析者自身が仕分けする必要 がある 2012/9/1 References • Creswell, W. J. 2006 Qualitative Inquiry and Research design, CA: Sage. • Kvale, S. (1996). Interviews: An Introduction to Qualitative Research Interviews. • Strauss, A., & Cobin, J. (1998). Basics of Qualitative Research (2nd edition). Sage. 2012/9/1
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