4章 国際通貨

4 国際通貨
• 1 国際通貨の基礎理論
• 2 国際通貨の機能と選択
• 3 管理通貨制度下の国際通貨
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4-1-1 国際通貨と世界貨幣
• 世界貨幣としての金
• 何らかの共通する貨幣で価値を表現
• 綿製品=金21グラム=3ポンド=28円
=14ドル
• 金は流通手段としては用いられない
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4-1-2
外国為替取引と国際通貨
• 外国為替取引 国際間の支払関係をそれ
ぞれの国内の支払関係に振り替えて国際
的な決済をおこなう
• 輸出業者が振り出す取立為替手形
• 外国為替銀行はコルレス契約を結び,決
済可能な当座預金形態の為替勘定をあい
て銀行内に開設する
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4-1-3 多角的決済と国際通貨
• 国際的な決済システムの効率性 どこか1
国に預金を集中する ポンド
• 国際通貨とは 多角的な国際多角的決済
をになう特定国通貨
• その実体は 国際金融市場の為替銀行内
に存在している非居住者保有の決済性の
預金
• 国際通貨の通貨価値 金,信認
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4-1-4 特定国国民通貨の
国際通貨化の条件
• 通貨価値の安定 金本位制
• 世界経済の再生産における中心的な地
位,大規模な輸出入の存在
• 当該国の金融市場の国際金融市場として
の発展 外国為替手形の流通市場 資
金調達・運用市場
• 慣性の法則 確立すると地位交替しない
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4-2-1 国際通貨の基本的機能
• 計算単位 ニュメレール
• 支払い手段
国際通貨国と非国際通貨国間では債権債
務関係が残る
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4-2-2 契約通貨と媒介通貨
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契約通貨は決済通貨となることが多い
当事者間の交渉力の強弱で決まる
欧米では輸出国通貨
国際市況商品はドル
為替媒介通貨 市場規模が小さく,出会い
が容易でない通貨の取引を媒介する
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4-2-3 準備通貨とその役割
• 外貨準備 少なくとも輸入額の数か月分
• 外国為替市場への介入資金
• 公的準備通貨の多様化
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4-2-4
国際通貨国の便益と負担
• 国際通貨発行利益 シーニョリッジ 対価を
支払わずに富を受け取る
• 経常収支赤字ファイナンスが容易で,国際収
支の制約を受けずに経済活動ができる
• 国際取引を自国通貨で行うので,為替変動
による影響を軽減できる
• 為替相場,金融政策の自由度が制約される
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4-3-1
旧IMF体制下の国際通貨
• IMF加盟国は,自国通貨の為替平価をド
ルまたは金で表示し,変動幅を上下1%以
内に抑える義務.変更は事前承認が必
要.
• アメリカは金1オンス=35ドルで,通貨当局
間の金ドル交換に応じる約束
• 1971年8月,ニクソンの金ドル交換停止
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4-3-2 金ドル交換停止後の
国際通貨 ドルの流通根拠
• 3つの議論
• 金に交換できない国際通貨が流通するは
ずはないから通貨不安がおきる
• 国際「強制通用力」
• 国際通貨は世界貨幣金とは別.アメリカの
世界経済・貿易の中心地としての地位,巨
大なドル国際金融市場の存在
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4-3-3 現代の国際通貨と
国際通貨制度
• 変動相場制への移行
• 巨額の国際資本移動
• 中心国アメリカの経常収支赤字の継続と
国際通貨・金融協力
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