地域資源と地域ブランドの活用 2015/10/1 1 地域ブランドに求められる 3つの特徴 オリジナリティ(そのものらしさ、オンリーワン性) ブランド・コンセプトが明瞭 内と外を巻き込む継続的な取り組み 2015/10/1 2 地域ブランド化の手順 (1)オリジナリティ探し その中で (2)何が最も訴える価値か (3)コアコンセプトの明瞭化 (言葉やデザインで視覚化) (4)取り組みの実行 (a) 推進母体づくり(人づくり) (b) シンボルづくり(ネーミング・デザインづくり) ・・・ブランド資産を目に見えるカタチに (c) 接点づくり(流通先やメディア露出など 消費者との接点をもちブランドの魅力を知らせる) (5)ブランド確立のステップ (消費者の理解さらに発見と参加) (1) 知覚品質:ユーザーが他の商品やサービスとの違いを認識する (2) ブランド認知:その商品やサービスがあるブランドに属しているものであることを認知する (3) ブランド連想(ブランド・イメージ):ユーザーがそのブランドからイメージを連想する事ができる (4) プランド・ロイヤルティの確立:ユーザーがブランドイメージに共感し、ロイヤルティを確立する 2015/10/1 3 事例研究 関さば 黒川温泉 柚子加工品 <参考> Xスタンパー プルトップ缶 超立体マスク 白い恋人 2015/10/1 大分県漁業協同組合 黒川温泉観光旅館協同組合 馬路村農協 シャチハタ (有)谷啓製作所 中小企業ではないが可能な例 石屋製菓 4 事例研究 <参考> 村をあげて雪だるまづくり -豪雪という「負」の地域条件の活用事例- 木の葉と花のつま物をビジネスに -木の葉などありきたりな地域資源の活用事例- 棚田オーナー制度 -放棄されつつある「棚田」の活用事例- 2015/10/1 5 ビジネスの場で主体的に行動する のは4通りのプレーヤー 顧客 C 競合者 C これさえもリソース (資源)になることも 自社 C 協力者 C 本来のリソース(資源) 2015/10/1 6 ビジネスの場で主体的に行動する のは4通りのプレーヤー 内部環境 2015/10/1 顧客 C 競合者 C 自社 C 協力者 C 外部環境 統制はできなく ても選択は可能 7 6W2H で すべてが When Where Who Whom What How Why “How much” いつ ・どこで ・だれが ・だれに ・何を ・どのような方法(資源の組合せ)で ・どんな用途の価値を ・何円(いくら)で提供するか 2015/10/1 8 顧客ニーズに応える だれに どんな用途で Whom リソースの活用 いつ どこで どんな方法で 対価はいくらで (資源の組合せで) When リソース Why Where How “How much” 何の資源を (ヒト・モノ・カネ・知財・技術・ノウハウ・情報) What 2015/10/1 9 顧客ニーズに応える だれに どんな用途で 方法 リソースの活用 リソース 機能要素としては 「知恵」・・・あり合わ せの資源(能力)を 組み合わせ方法を 生み出すこと いつ どこで どんな方法で 対価はいくらで (資源の組合せで) 何の資源を (ヒト・モノ・カネ・知財・技術・ノウハウ・情報) 意欲 能力 成果 = 意欲(やる気) × 能力(やる能力) × 方法(やり方) 2015/10/1 10 2つの方法 先発者として後発者として 先発者として 特定の場所・時間・顧客ターゲットに絞り込みオンリーワン 後発者として (たいていのものは既にあるから) 後発者が先発ブランドを超える方法には 改良(製品力) 低価格(生産力) マーケティング力(販売力) のいずれかが必要 ( スティーヴン・P. シュナース著 「創造的模倣戦略」 ) 2015/10/1 11 事例の共通点 高付加価値な商品・サービスを狙う 黒川も 関さばも 馬路村も 上勝町も (つま物も 木の葉にしては高い) 都会の消費者をターゲットとしている 黒川も 関さばも 馬路村も 上勝町も 白峰村の雪だるま 梼原町の棚田オーナー制度も 健康志向 (温泉、無農薬の柚子ぽん酢、刺身でも食べられるサバ) リーダーの存在 (自分が損をする立場を厭わず、集団を引っ張って行く人) 2015/10/1 12 仮説(A) 「高齢化が進行している村では人手不足で手間をかけられないので見栄えの良い柚子を採れ ない。しかし搾汁すれば見た目は関係なくなるので、柚子酢をつくれば人手不足のこの村でも 作れ、コストもかからない。何より柚子は無農薬で生(き)のままの方がおいしい。さらに柚子を 搾汁し柚子酢にするより、ポン酢にした方が付加価値が高まる。地元では有名な産地ではな いため地元で売れないので都会向けに売る。キッコーマンやミツカンなど既に販路を持つ先発 の全国ブランドは多くの地域から原料を求めているが、当村の製品では、すべての原料が自 村の生産でトレーサビリティ(追跡)が容易であることをアピールできる。”無農薬で美味しい柚 子”を売りに出荷すれば、売れ行きも期待できかつ美味しい柚子が低コストで作れ儲かる」 実際(B) 「高齢化が進行している村では人手不足で手間をかけられないので見栄えの良い柚子を採れ ない。止むを得ず、搾汁して柚子酢として販売した。しかし加工しないと儲からないので醤油ポ ン酢を製品化した。しかし地元では有名な産地ではないため地元で売れない。止むを得ず、 京阪神に販路を求めた。しかしキッコーマンやミツカンなど既に販路を持つ先発全国ブランド の前に販路開拓が進まなかった。しかし原料の柚子のすべてが無農薬であることや製品のす べての原料が自村の生産でトレーサビリティ(追跡)が容易なことから、次第に支持されてきた。 2015/10/1 13 テーマ 「良さ」 が知られれば 売れる 「良さ」 が知られれば 売れるはず の商品をつくる 2015/10/1 14 質問 1 Aさん 「無農薬だから売れるわけではない」 Bさん 「無農薬だから売れた」 どちらが正しいか? 質問2 現状に満足できない切迫した状況に置かれている。 しかし資源として、モノ・カネがない一方で、意欲と知恵はある。 こうした場合、どうなるだろうか? 質問 3 オリジナリティ と オンリーワン は 異なるか? 2015/10/1 15 質問 1 Aさん 「無農薬だから売れるわけではない」 Bさん 「無農薬だから売れた」 どちらが正しいか? 2015/10/1 16 質問2 現状に満足できない切迫した状況に置かれている。しかし資源として、モノ・カネが ない一方で、意欲と知恵はある。 こうした場合、どうなるだろうか? 2015/10/1 17 質問 3 オリジナリティ と オンリーワン は 異なるか? 2015/10/1 18 本日使用する主な用語 潜在ニーズ、顕在ニーズ プレイヤー(4者) ・顧客 競合者 自社 (協力者) 資源要素(リソース要素) ・ヒト・モノ・カネ・知財・技術・ノウハウ・感性・情報+etc役に立つものなら何でも 機能要素 ・意欲(やる気) ・能力(ヒトの能力(論理・知恵・感性),物の能力(論理、生産)) ・方法(やり方) 行動要素 ・Why Who When Where Whom What How How Much 行動サイクル(3パターン) ・Plan Do See 結果の予測が出来る仕事の場合 ・See Plan Do 未経験の新たな取り組み ・Do See Plan 上記の未経験の取り組みで調査・分析してもなお分からない場合 2015/10/1 19 地域資源の活用の取り組みは 経営資源(ヒト・モノ・カネ・技術・ノウハウ等 々)が乏しいことが前提になるため、狭い針の穴に糸を通すような難しさがある。逆 に方法が限定されるので 方針設定は簡単とも言える 地域ブランドが成立するために望ましい外部環境 ① 消費者が気づいていない空白の潜在ニーズがある ② 競合企業(先発メーカー)が見落とした市場がある 地域ブランドが成立するために必要な内部環境 ① モノ・カネはふんだんに無くても 意欲(やる気)と知恵がある 製品 → 高付加価値 価格 → 安くする必要がない プロモーション → 試してもらう チャネル → 直販と外部流通チャネルの併用 2015/10/1 20 顧客対応 「良さ」 が知られれば売れるはずの商品を 創り 提供する 「良さ」 (潜在ニーズ) に気づいてもらう働きかけ、取り組みを行う 柔軟な発想や工夫のひねりも必要 競争対応 競合企業が見落とした市場を追求する (成功しても後発者に追い越されないように継続努力する) 取引対応 外部との連携も視野にいれる。道理があることなら交渉力も発揮する。 (関さばの商標出願登録の例など) 組織対応 自社の資源を最適に組み合わせる。 足りない資源は他の要素で補う。 モノ・カネなど資源の不足を逆手に取る。 (モノ・カネの不足は、モノ・カネ以外の資源要素、たとえば知恵に頼らざる を得ない。そこから結果としてオリジナリティが生まれる。) (地方であればあるほど、自然の豊かさのイメージを活用できる) (たとえば大手先発メーカーが柚子農業生産に乗り出したとしても馬路村 のような農村のイメージは持てない) 2015/10/1 21 2015/10/1 22 地域資源の活用では 特に 製品づくりが重要 2015/10/1 23 マーケティングも万能ではない 結局 売れる可能性のあるものは(売る気があれば)売れ 売れる可能性のないものは(売る気があっても)売れない ※ たいして差がなければ、営業量に比例して売れる 置かれた状況毎に答えは異な る 経営学のテキストにある 一般的な戦略策定プロセス(手順) 地域資源活用や地域ブランド化では SWOT分析 ↓ 標的市場を選択 ↓ マーケティングミックス(4P)最適化 SWOT分析 ↓ 製品コンセプトの具体化 ↓ 標的市場、価格・チャネル・プロモーション が自動的に決まる 地域資源活用や地域ブランド化では 標的市場より先に製品コンセプトが具体化される 具体的な製品コンセプトが決まると 標的市場の選択も 他のマーケティングミックス要素も決まる というより むしろ 本質は 最初から既に決まっている。 2015/10/1 24 2015/10/1 25
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