グラバスターの重力レンズ効果 山口大学大学院 理論宇宙物理学研究室 久保智裕 共同研究者 山口大 坂井伸之 15.10.10 BH地平面研究会@山口 BH疑似天体 現在、BHの直接観測はされていない。 地平線が見える程の観測から直接的な証拠を捉えてほしい。 →重力レンズ効果を捉える。 BHであるなら、どのような重力レンズ効果がみられるだろうか。 BHではない非常に強い重力を持った天体なら、どうなるだろうか。 BH疑似天体 ・Worm hole ・Gravastar ・Boson star etc・・・ 15.10.10 BH地平面研究会@山口 グラバスター gravitational vacuum star Mazur, Mottola(2004) ・ブラックホールに代わる、星の重力崩壊の最終段階 ・天体半径が重力半径よりも大きく、正則かつ安定な天体 ・特異点の排除 重力半径 シュワルツシルト時空 ド・ジッター 時空 15.10.10 stiff matter BH地平面研究会@山口 不安定円軌道をもつグラバスターの研究 Sakai, Saida, Tamaki(2013) 1. gravastar後方に無限に広がる光源の影 2. gravastar後方の天体の像 BH疑似天体としての特徴(光源の影) を調べている。 15.10.10 BH地平面研究会@山口 研究内容 不安定円軌道をもたない(前述のグラバスターより天体半径が 大きい)場合のグラバスターの周りの光源の像を調べる。 グラバスター表面の物性に依存する ・電磁波を放出する・・・・表面が電磁波でみえる ・電磁波を放出しない・・・BHとの違いを電磁波では観測できない ・電磁波と相互作用しない(透明)・・・? 本研究では、グラバスターが透明な場合(スカラー場としてできる ボゾンスター)を扱い、光源として伴星がある場合を調べた。 15.10.10 BH地平面研究会@山口 状況設定 伴星 (光源) y δ グラバスター 半径2rgの伴星(光源)がグラバスタ ーを中心に軌道半径10rgで円軌道 している。 グラバスターから十分遠く離れたx 軸上に観測者がいる。 左図のようにx軸からy軸に向かう角 度をδ とする。 x 十分遠く離れた観測者 δ の変化によって観測者に届く光の 軌道も変化し、見え方も変わる。 15.10.10 BH地平面研究会@山口 δ=150° だいたいの位置関係 y δ=150° 15.10.10 BH地平面研究会@山口 δ=167° だいたいの位置関係 y δ=167° 15.10.10 BH地平面研究会@山口 δ=170° だいたいの位置関係 y δ=170° 15.10.10 BH地平面研究会@山口 同じ天体半径のBHと比較 (δ = 175°) グラバスター ブラックホール ブラックホールの場合は内側の像がない →光が吸い込まれて観測者に届かない 15.10.10 BH地平面研究会@山口 光度の変化 グラバスター特有の像があることがわかった。 しかし、像の形の違いを捉えるには非常に高精度な分解能 が必要。 BHとグラバスターとの違いを像の形の違いからではなく 光の量から区別するとすると、どう違うか。 →歪んだ像の面積の計算 15.10.10 BH地平面研究会@山口 Intensity 伴星が背後に回り込むほど面積の差は大きくなり、δ=180°のときではおよそ2倍 ぐらい差がある。 15.10.10 BH地平面研究会@山口 まとめ BH疑似天体として考えられたグラバスターというもの があり、ホライズンがない場合の光源の像の変化を計算し た。 内側に現れた像の分、観測者に届く光度がブラックホール の場合と違っていた。 ・課題 別の真空で透明な天体(ボゾンスター等)を考えてみたい。 15.10.10 BH地平面研究会@山口
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