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第5回統計教育勉強会
第3章:
「STATISTICAL LITERACY
Meanings, Components, Responsibilities」
Iddo Gal
担当:筑波大学人間総合科学研究科
青山 和裕
章構成
1.緒言と必要性
2.モデル
3.統計的リテラシーの知識要素
3.1
3.2
3.3
3.4
3.5
3.6
リテラシースキル
統計的知識ベース
数学的知識ベース
文脈的/世の中に関する知識ベース
批判的スキル
知識ベースの相互作用
知識要素
リテラシースキル
統計的知識
数学的知識
文脈的知識
批判的問い
気質的要素
批判的姿勢
信念及び態度
4.統計的リテラシーの気質的要素
4.1 批判的姿勢
4.2 信念及び態度
統計的リテラシー
5.議論と示唆
5.1 教育的取り組み
5.2 研究と評価の取り組み
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1.緒言と必要性
統計的リテラシーの重要性
 研究の不足に関する指摘
 「リテラシー」の語用に関する概観
 統計的リテラシーの仮定義

(a)様々な文脈の中で遭遇する統計的情報やデータに関連し
た議論、確率統計的な現象について解釈し、批判的に評価
する能力
(b) (適切な場面で)、情報の意味についての彼らの理解や、
その情報の含意についての意見、もしくは所与の結論の受
諾可能性などについて議論やコミュニケーションする能力

本稿の目的:統計的リテラシーを構成する技能や気
質の性質や特徴の明確化
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2.モデル

「読みの文脈」への焦点化
(「研究の文脈」との区別)


読み手:積極的であれ受動
的であれ行為者、話し手、
書き手、読み手、聞き手な
ど、見る側として読みの文
脈に参加する人々
知識要素
リテラシースキル
統計的知識
数学的知識
文脈的知識
批判的問い
構成要素に関するモデル
の提示

気質的要素
批判的姿勢
信念及び態度
統計的リテラシー
各要素は、相互に重なり合
い、孤立するものではない
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3.統計的リテラシーの知識要素
3.1 リテラシースキル

あらゆる統計的なメッセージは実質的には、記述か口頭での
テキストを通して伝達される、もしくは特定のリテラシースキ
ルの活性化を要するような表やグラフでの情報表示を読み
手が通過することを必要とする






適切な文脈に位置づけるためにテキストの周辺まで理解する必要が
ある
メッセージは作り手の意図により歪められることがある
日常用いられるのとは異なる専門用語の理解
簡略化された断片的な情報を読み手が補う必要がある
様々な国の記事などの抜粋(p.53~p.55)(訳p.6~p.7)
ドキュメントリテラシーに関する研究からの考察


散文、ドキュメント、数量的リテラシー(Kirschら, 1998)
重要なプロセス(locating, cycling, integrating, generating,
inference)
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3.統計的リテラシーの知識要素
3.2 統計的知識ベース

統計的リテラシーのために必要とされる基本的、理想的な知識
とは何であるか


一般のメディアで見られる有理数について調査したJoramら
(1995)の研究



Scheafferら(1998)による提案
パーセントが最も見られる
グラフだけでなく表もよく見られる
統計的知識ベースの5つの重要な部分





なぜデータが必要とされ、どのようにしてデータは作られるのかについて
知ること
記述統計に関する基本的な用語やアイデアについての熟知
グラフや表などの表現に関連する基本的な用語やアイデアについての
熟知
確率の基本的な考えの理解
どのようにして統計的結論や推測が導かれるかについて知ること
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3.統計的リテラシーの知識要素
3.3 数学的知識ベース

統計的リテラシーに必要な数学手知識





大学での初等統計の指導では、統計的アイデア(データ
の必要性やデータ生成の重要性、変動の偏在、変動を説
明し記述する必要性)に焦点を当てるべきである(Cobbら,
1997)
簡単な量的記述(パーセント、平均、確率など)で多くの観
察を要約しようとする試みは、数学的ツールや手法の利
用を必要とするという認識
ナンバーセンス
パーセントや平均を算出するのに用いられる数学的手続
きや計算に関する熟知
成人は少なくともインフォーマルにでも、統計的指標の算
出に関わる数学についてある程度知るべき
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3.統計的リテラシーの知識要素
3.4 文脈的/世の中に関する知識ベース

メッセージの厳密な解釈は、文脈の中にメッセージ
を置き、世の中についての知識にアクセスする能力
に依存する



統計において、文脈は手法を動機付け、データは文脈を
備えた数としてみなされるべきであり、したがって文脈は
意味の源であり、得られた結果の解釈の土台となる
(Moore, 1990)
仮に聞き手や読み手がデータが集められた文脈に対して
なじみがなければ、グループ間の相違に関する報告に対
して、別の解釈が存在する可能性などについて想定する
ことはより難しくなる
統計的なメッセージについて批判的に精察することや、報
告されている発見や数字の含意について理解するための
必須のものである
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3.統計的リテラシーの知識要素
3.5 批判的スキル & 3.6 知識ベースの相互作用

作り手の必要性やねらいによって、メッセージの客
観性は問題ではなくなる


成人はメディアで示される主張について心配すべき
であり、またその合理性について検討すべきである


「ある政策を支持するために用いられるデータが、別のも
のには反対するために用いられる」(Fred Mosteller)
「配慮すべき問い」の見本(p.67)(訳p.18)
5つの知識ベースは独立したものではなく、メッセー
ジの解釈では、すべての知識を連動して活性化す
ることが必要となる

図2の例
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4.統計的リテラシーの気質的要素
4.1 批判的姿勢


量的なメッセージに対して、外的なきっかけがなくとも疑問を投げかける
態度を成人として有してほしい
データに基づいているとされる議論や、調査や実験の結果や結論に関
する報告などに面した際には、自然に自らの持つ「配慮すべき問い」(表
3)を呼び起こせるべき
4.2 信念及び態度



感情(emotion)、態度(attitudes)、信念(beliefs) の区別
生産的な問題解決を可能にするためには、学習者が、探索したり推測
しても差し支えないということを感じ、一時的な混乱や不確実な言明を
快く思うことが必要である
批判的姿勢を保つためには、成人は批判的行為の正統性についての
信念をもたなくてはならない
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5.議論と示唆




5.1 教育的取り組み
カリキュラムの中で統計に対する関心の低さ
TIMSSの調査問題の中での統計に関する課題の達成状況
教育者は、統計を教える(よりよく教える)ことと、異なる目的(付加
的な目的)のために統計を教えることを区別すべきである
統計的リテラシーを支えるすべての知識ベースをうまくカバーす
るためには、時間や教師の準備不足のために通常の統計の課
程では強調されない題材やスキルが扱われなくてはならない





新聞や他のメディアなどで報告される世論調査や標本、実験の結果につい
て理解すること(Landwehr, Swift, & Watkins, 1987; MacCoun, 1998)
新聞や他のメディアなどで報告される危険性や副作用に関する陳述の確
率的側面を理解すること(Clemen & Gregory, 2000)
ジャーナリズム的な報告や広告の様式、慣習、バイアスについて学ぶこと
実際の例(一方的なメッセージや誤解を与えるグラフ)で得る経験や誰か(例
えば教師)が使う様を見ることと合わせて、「配慮すべき問い」(表3)につい
てよく知ること
批判的姿勢や、領域(統計調査の有用性)や自身についてのポジティブな
信念や態度を含む信念を持つこと
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5.議論と示唆

学生や成人の統計的リテラシースキルに関する研究



統計的な題材に焦点化した調査
思考のプロセスや理解、教授効果などに関する質的研究
様々な職務的な環境で必要となる統計的リテラシーに
関する研究


5.2 研究と評価の取り組み
成人が機能しなくてはならないあらゆる領域で必要とされる統
計的リテラシーを明らかにする 必要性
気質的な変数に関する調査

研究方法の開発は、異なる文脈において、統計的にリテラ
シーのある振る舞いを形成する力について理解するために不
可欠である
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