なぜ日本は経済大国になれたのか? ~「日本の奇跡」の背景を知ろう~ (3時間) 1 戦争直後の日本経済 (本時) 2 高度経済成長 3 高度経済成長のその背景 ※ 今回の学習のテーマ 日本は,太平洋戦争で敗戦し,空襲で都市部は焼 け野原となり,企業・工場や鉄道・港湾なども壊滅的 な状況となった。 しかし,1945年に終戦してわずか,6年間で戦前 の鉱工業生産水準を回復。 1968年には資本主義諸国の中で,GNPが第2位 の経済大国となる。 それはなぜなのか? その背景を学習していこう。 1 戦争直後の日本経済 ●今日の学習のねらい 1945年の第2次世界大戦の敗戦直後から,わず か約10年後,1956年の経済白書では「もはや戦 後ではない」と記されるようになった,日本の戦後の 急速な「経済復興」の流れと背景を理解しよう。 第2次世界大戦の敗戦 ● 多くの都市は焼け野原になり, 「国富」の4分の1を喪失 ● 鉱工業生産は,戦前の約5分の1に低下 ● 燃料・原材料・食料等の供給の極端な不足 ● 軍事費をまかなうために大量に発行された国債 → ハイパー=インフレーション の発生 STEP 1 3つの「経済の民主化」政策の実施 GHQ (連合国軍総司令部)による (a) 財閥解体 → (b) 農地改革 → 経済活動の活発化 自作農育成・食料の増産 (C) 労働組合の育成 → 労働条件の改善 ↓ 国民の所得が向上,高度成長期の消費の前提となる STEP 2 アメリカと日本の両方からの 経済再建 竹馬経済 経済復興の具体策 (a)傾斜生産方式 ・・・ 石炭・鉄鋼・電力・肥料 ← 財源は復興金融公庫からの融資 (b) ガリオア資金(占領地域救済政府資金) アメリカからの生活物資への援助金 (C) エロア資金(占領地域経済復興援助資金) アメリカからの産業復興への援助金 ハイパーインフレーション収束のためには? 経済復興の具体策 (つづき) (d)旧円から新円への切り替え (e)ドッジ=ライン・・・アメリカから招かれたドッジ氏による 1948年のGHQの「経済安定9原則」を具体化 ・・・超均衡財政 を行う 復興金融公庫の業務停止 赤字国債の発行禁止 固定為替レート(1ドル=360円) ↓ インフレは収束・・・・しかし,安定恐慌に陥る STEP 3 あるできごとが安定恐慌を克服する背景に 1950年 朝鮮戦争 勃発 米ソの勢力争いが,朝鮮半島を南北二分する戦争になる。 ↓ アメリカは苦戦し,物資の調達を日本に頼った。 「金へん,糸へん景気」(兵器・金属工業と繊維工業に注文多し) ↓ 朝鮮特需 といわれる。 ※特需契約高 1953年(休戦)までに13億ドル 1956年の『経済白書』 ・・・「もはや戦後ではない」 STEP 2 と STEP 3 をあわせて 戦後の 「経済復興」という 経済復興 の具体策 安定恐慌の克服 次回予告 年平均10%もの高度経済成長について 学習します。いよいよ先進国への仲間入りを果たします。 どのように成長を果たしたのだろう!?
© Copyright 2024 ExpyDoc