なぜ日本は経済大国になれたのか?

なぜ日本は経済大国になれたのか?
~「日本の奇跡」の背景を知ろう~
(3時間)
1 戦争直後の日本経済
2 高度経済成長
(本時)
3 高度経済成長のその背景
2 高度経済成長
●今日の学習のねらい
戦前の経済水準まで回復した「経済復興」の後,
年間平均10%という驚異的なペースでGNPを伸ば
し続け,資本主義諸国で世界第2位という経済大国
にまで発展したわが国の高度経済成長の流れを理
解しよう。
「高度経済成長」とは
1950年代後半から1970年代前半まで,GNP(国
民総生産)が年平均10%アップした経済成長のこと。
STEP 1
第一次高度成長期
(a) 神武景気
・・・石油化学工業・合成繊維産業の拡大
「三種の神器」ブーム 冷蔵庫・洗濯機・白黒テレビ
↓
(b) なべ底不況 ・・・原材料の輸入過多で金融引締め政策
(輸出による黒字がまだ少ないから・・・)
↓
(c) 岩戸景気 ・・・「国民所得倍増計画」(池田勇人内閣)
投資が投資を呼び,実現してしまう!
STEP 2
転換期
(a) 東京オリンピック景気 ・・・設備投資拡大・上昇機運!
↓
(b) 昭和40年不況(反動不況)
・・・オリンピックの過剰生産・過剰投資・消費低迷
何が転換したのか?
第一次高度成長
(1955~61年)は
第二次高度成長
(1966~70年)は
民間主導型
政府主導型
・・・民間企業による設備
投資中心
・・・ 公共投資が増加
高速道路等の公共事業
内需主導型
→
・・・生産物は国内市場で
主に消費
“ Made in Japan,へ
の信頼アップ
外需主導型
・・・輸出産業が伸びる
カラーテレビ
STEP 3
クーラー
第二次高度成長期
いざなぎ景気
自家用車
・・・戦後最大57ヵ月の大型景気
重化学工業の発展
輸出主導型の経済成長の実現
「新三種の神器」(3C)ブーム 自家用車・カラーテレビ・クーラー
※1963年には,GNPで西ドイツを抜いて,アメリカに次ぐ資本
主義諸国第2位の経済大国に!
次回予告
さて,次回は,なぜわが国がこのような高
度経済成長をとげることができたのかその背
景を学習しよう。