冠位十二階

冠位十二階
冠位十二階は603(推古天皇11)年に制定したもので、徳・
仁・礼・信・義・智をそれぞれ大小にわけて十二階の冠位
名とし、各階ごとにきめられた色のきれで縫った冠を授け
た。大化の改新後の位階もこれをもとにして定められてい
る。冠位は、これまでのように各氏に固定し世襲された姓
とは違って、個人の才能や功績によって与えられ、一代限
りのものであり、昇進も可能であった。太子はこれによっ
て、家柄によって政治を独占した氏姓制度の弊害を打ち破
り、人材を登用しようとしたのである。
笠原一男 『詳説日本史研究』 52頁