児童労働問題とILOの取り組み ー条約の重要性ー 総合政策学部2年 会田さやか 79800058 児童の定義 最低年齢 一般原則 例外 就業最低年 齢の原則 危険な仕事 の場合 軽易な仕事 の場合 15 歳 14 歳 18 歳 16 歳 12 ~ 15 12~14 歳 歳 児童労働の定義 基本的人権に反する仕事 人体に有害な仕事 労働条件や環境が有害な仕事 児童労働と貧困の相関関係 10~14才の児童労働者数 の同年齢人口に対する割合 (%) 児童労働と貧困の相関関係 50 40 30 Y 予測値: Y 20 10 0 -10 0 10000 20000 30000 -20 一人当たりのGNP(米ドル) 40000 出生力(女性一 人当たりの子供 の数)(人) 出生力と児童労働の相関関係 出生力と児童労働の相関関係 10 5 0 0 20 40 60 10才から14才の児童労働者数の同 年齢人口に対得る割合(%) Y 予測値: Y 初等教育普及と児童労働の 相関関係 10~14才の児 童労働者数の 同年齢人口に 対する割合(%) 初等教育普及率と児童労働の相関関係 150 100 50 0 Y 予測値: Y 0 20 40 初等教育就学率(%) 60 児童労働サイクル 児童労働 未就学 低技術職 搾取的賃金 成人雇用否定 早期の体力衰退 早期結婚・多出産 不安定な経済力 低い生活水準 貧困の蔓延 児童労働の主な要因 (供給と需要) <児童労働 供給の側面> 貧困 教育制度 社会的・文化的環境 児童労働の主な要因 (供給と需要) <児童労働 需要の側面> 生産のインフォーマル化 児童労働のコスト 労働組合の力量 児童労働に対する望ましい アプローチ(予防と保護) 児童労働 予防アプローチ ・法的禁止 ・経済の開発と所得の 公正分配 ・社会保障と救援政策 ・公的教育制度 保護アプローチ ・保護とリハビリ ・作業への保護と監督 ・有害労働の是正 ・家族による保護 ILO条約の果たす役割 条約の制定-基本的アプローチの、それ ぞれのアプローチの第1ステップに。 条約遵守の促進-牙を持つ監視システム <2段階の監視機構> 加盟国政府 ↓報告書 条約勧告適用専門家委員会 ↓報告書に対する判断や見解 基準適用総会委員会(政労使三者) 条約の批准促進、拘束力を 弱める要素(1) 包括的すぎるILO条約 ←条約の特性に原因が。 政労使三者構成主義 ←ILOの組織上の問題に原因が。 条約の批准促進、拘束力を 弱める要素(2) ILOが目的とすること ・条約批准推進 途上国にとって包括的 すぎる条約がネックに ・条約遵守促進 三者構成主義がネック 包括的すぎるILO条約(1) 138号条約(就業の最低年齢に関する条約) ・経済活動の全部門において一律な最低年 齢を定めることを要求 ・部門ごとではなくすべての児童労働に対し ての条約 法制面、実態面から見て批准は困難 →条約の細分化し、各国の実状に見合った段 階的な取り組みを可能に。ILOは各国の優 先分野を明確化することも重要。 包括的すぎるILO条約(2) 条約が求める様々な義務を遂行する 資金力が無い→批准を避ける、条約違反 <従来>条約で貧困に言及することを回避 抵抗を和らげるために国際協力を条約に含め て、義務の分担をグローバル化 三者構成主義(1) 政府 報告書提出 条約勧告適用専門家委員会 報告書への判断や見解 基準適用総会委員会(政労使) 本来の労働組合の役割-各国政府が提出した報 告書に、異議を唱え、実態を伝えて国際的な場 で政府に問いただす、追求する。監視システム の要となる。 三者構成主義(2) 問題点 労働組合の独立性が維持されていない現状 ー労使関係上のパートナー ー政府の社会的パートナー 監視システムの弱体化、条約を遵守されな い可能性 専門的かつ独立した存在のNGOの参加 →本来の牙を持つ監視システムの本領発揮 結論 児童労働には様々な要因が絡んでおり、そ れに対するアプローチも多角的に進めてい かなければならない。様々なアプローチを 進める第一ステップが国際条約であり、ILO は従来のような、児童労働撲滅のための単 一的な条約ではなく、各国に見合った細分 化された条約を制定することが望ましい。ま た、その監視能力においても、NGOを加え ることによって、より強化する必要がある。
© Copyright 2024 ExpyDoc