インド産業政策との「自由化」効果につ いてー自動車産業の事例ー 総合政策学部2年 田中 一朗 はじめに • インドの自動車産業を具体的事例としてとりあげ る。 • ながれ 産業統制 長期産業停滞の実態と「自由化」の前提 条件 現在の自動車産業の実状と問題点 「産業統制1」 インドの産業政策の特徴=統制的性格が強い 統制手法として輸入規制と外資規制 外資規制 GM,フォードの撤退 しかし、先進国からの技術移転が必須 技術提携のかたちがとられる (ヒンドスタン・モータース社は英のブリティッシュ・モータース 社・ボグゾール自動車・米のGM、プレミア自動車は伊の フィアット社・米のクライスラー社、タタ・エンジニアリング 社は独のダイムラーベンツ社と提携) 「産業統制2」 産業ライセンス制度=(1)新企業の設立 (2)既存企業での生産能力の 大幅拡張 (3)既存企業での新製品の製造 (4)立地の変更 という4つの領域でのライセンス取得義務 目的 社会的公正の実現 「産業停滞」 インドの自動車産業の発展パターン 1,000台 350 300 250 200 150 100 50 0 1950 1954 1958 1962 1966 1970 1974 1978 1982 1986 年 産業統制による悪循環 産業統制 市場競争が疎外 新技術導入に対するインセンティブ喪失 輸入規制 保護された国内市場に安住 産業ライセンス制度 規模の経済を無視 ハイコストの国産車 モデルチェンジがなされない 自由化政策の展開と政策効果 外資規制の緩和 外国メーカーとの資本・技術提携 活発化 etc マルチ・ウドヨグ社 輸入規制の緩和 高度技術が必要な部品の国産化 の後れ 高率の輸入関税が自動車価格を 引き上げた 産業ライセンス規制緩和 生産品目の多様化 「自由化」の条件=市場競争原理と技術進歩 自動車産業の拡大と自由化の影響 ハイコストの産業体質と自由化 ハイコストな産業体質 技術進歩と市場競争による好循環が作用が発揮さ れていない 規模の経済性、良質かつ安定的な部品供給、生産 工程、および製品技術の改良や革新などの欠如 現在の自動車産業 インドでは自動車需要が今後、急激に伸びる その根拠は 1)経済自由化により当面6,7%のGDPの伸びを見込めるこ と 2)既存メーカーの車を購入するのに6~9ヶ月もの予約待 ちがあり、潜在的需要が旺盛 3)ファイナンス会社が充実している 4)欧米型のライフスタイルが浸透している 外資の影響と参入時の問題点・ 課題 影響=競争、創意工夫、効率経営の概念の導入 参入時の問題点=販売時に起こる投機まがいの行為 値引き競争による共倒れの危険性 自動車産業が根付くための課題 =部品等の裾野産業の後れ 輸入関税 結論 自由化政策を進める一方で存在する保護政策 真の意味で自由化できていない 国内の自動車メーカーを国際的な競争の舞台に導 くべき 逆に、外資メーカーは自国のシステム・慣習を押し 付けず、インドの社会・法律・慣習を知ることが重要 今回の研究での限界点 • 自動車産業に限定したため、産業政策が与える 他産業への影響、部品産業との分業関係の変 化、といった点の欠如 • 外国からの技術がどのように需要・吸収されたの か、またそれはこれまでとどこが違ったのかと いった点の欠如
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