情報セキュリティ: 2007年7月20日

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情報セキュリティ
第14回:2007年7月20日(金)
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本日の内容

質問に答えます
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

授業について
授業内容(発展的)について
試験について
研究室配属について
おさらい問題の解説
あらためて,試験について

おさらい問題(問題文のPDFファイル)は,試験終
了後にWeb公開します.
2
授業について

DES,ハッシュについてもう一度説明してほしい
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DESの要点
 1970年代に米国で選定された対称暗号
 現在はAESに取って代わっている
 ファイステル構造を16ラウンド
一方向ハッシュ関数の要点
 入力は可変長ビット列,出力は固定長ビット列
 一方向性,弱衝突耐性,強衝突耐性
 アルゴリズムの例は,MD5,SHA-1など
3
授業の発展的内容について

セキュリティソフトについて教えてほしい
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ウイルス対策ソフトウェアを一つ,導入しましょう.
 一般に,一つのPCに複数のウイルス対策ソフトウェアを入
れる(同時に動かす)ことはできません.
不要なファイルを削除するソフトウェアを使うと,一時ファイル,
クッキー,履歴などの情報を消すことができます.
 ネットカフェを運営するなら必須です.
暗号化された通信路を確保したいなら,VPNの勉強をおすすめ
します.
4
試験について

「アルファベット3文字で何というか?」「フルスペルを書きな
さい」といった問題が出るのか?
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試験では出しません.
同じものに異なる表現を用いているところ(「改ざん」と「man-inthe-middle攻撃」,「%」と「mod」,「プライベート鍵」と「復号鍵」
など)には注意してください.
5
研究室配属について

研究室の定員は?
q

9月26日(水)の全体説明会のときに出欠をとり,その人数で,
各研究室の定員が決まります.
第1希望面接の結果は,その日のうちに出る?
q
q
はい,その日のうちに決まります.
配属が決まらなかった人のみ,他の(空きのある)研究室に希
望を出して,次の日にまた面接を受けます.

対象者の皆さんへ:9月下旬は
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1日1回以上,メールを読むようにしてください.
旅行やアルバイトを入れている人は,スケジュール
変更してください.
6
研究室配属について

研究室の詳しい情報がほしい(研究内容,就職先など)
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研究室や教員個人のWebページを読みましょう.受験生向けに
拡充していますが,配属前の学生にも,参考になる情報がある
と思います.
(この項目は削除しました)
 教員から話を聞きたいときは,アポをとりましょう.
7
研究室配属について

必修科目を2,3落としているが,配属されるか?
q
q
2,3なら問題ありません.
3年前期までの修得単位数が少ないと,配属できなかったり,
研究室配属よりも授業を多く取るよう,面接時にアドバイスを受
けたりするかもしれません.
8
研究室配属について

村川研究室で定員を超える希望者が出た場合,どのように
して選ぶか?
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村川研究室では昨年,①村川の授業科目(情報処理Ⅱ,情報
ネットワーク演習,情報セキュリティ)の成績で全希望者を順位
付け,②面接内容で全希望者を順位付け,③以上2つの順位
を合計して,上位からとりました.
(この項目は削除しました)
希望者数≦定員 の場合にも,面接をします.
9
研究室配属について

研究室に配属後,何をするのか?
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q
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研究室によってさまざまです.
原則は,「その研究室で卒業研究をするための基礎となる知識
や技術を身につける」ことです.
中川・吉廣・井上研究室と村川研究室では合同で,データベー
ス設計(班ごとに設計・実装,3~4週間に1回発表)を行ってい
ます.研究のお手伝いもしてもらいます.
10
おさらい問題

配点が書かれていますが,「おさらい問題」は成績対象外で
す.試験での目安と思ってください.
11
試験について

試験の形式は?
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おさらい問題と(たぶん)同じ形式
 選択問題
 RSAアルゴリズム関連
q

べき剰余,拡張ユークリッドの互除法,特徴の記述
セキュリティ技術
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q
図示
記述または論述
12
おさらい問題の解説:大問2(1)

115 % 35 を求める.
q
q
q
初期値: a = 11, b = 5, m = 35, r = 1, s = a = 11, t = b = 5
反復: t が奇数のとき r ← r * s % m
t の偶奇に関係なく,s ← s * s % m, t ← t / 2
各値の変化は以下の通り.
r
t
1
11
5
11
16
2
↓
11
1
16
q
s
0
t=0 になった時点の r が解である.したがって C=16
13
おさらい問題の解説:大問2(2)

解答例
q
104x+231y=gcd(104,231) を満たす整数解(x,y)の一つを,拡
張ユークリッドの互除法で求めると,下表から,y=v=-9,
x=(t-231*v)/104=20 となる.また gcd(104,231)=t=1 であり,
題意に合う.よって x=20.
s
t
104 231
231 104
104 23
23 12
12 11
11
1
u
0
1
0
1
-4
5
v
1
0
1
-4
5
-9
q
r
0 104
2 23
4 12
1 11
1
1
11
0
w
0
1
-4
5
-9
14
おさらい問題の解説:大問2(3)

解答例
q
q
q

ディジタル署名の根拠となる数式は以下の通りである.
(MD % N)E % N = M
ここで公開鍵が(E,N),プライベート鍵が(D,N)である.またMは
署名対象のメッセージであり,署名者が作成する.
この式は,「プライベート鍵で署名をして,公開鍵で復元するこ
とで,元のメッセージが得られる」ことを意味する. RSAの暗号
化と復号には (ME % N)D % N = M という関係があるが,指数
法則から,上式に変形できる.
問うこと(予定)
q
q
鍵ペア生成の流れ
素因数分解ができれば,RSAの公開鍵から,プライベート鍵が
入手できること
15
おさらい問題の解説:大問3(1)

解答例
送信
受信
敵

解説
q
q
物事を簡潔に(本質だけを切り出して)図にできるように.
「偽造」と「改ざん」を間違えないこと.
16
おさらい問題の解説:大問3(2)

解答例
暗号化鍵
復号鍵
セッション
鍵
暗号化1
暗号文1
復号1
セッション
鍵
平文
暗号化2
暗号文2
復号2
平文
q
q
セッション鍵は,暗号化のたびに生成するランダムなビット列
暗号化1と復号1には公開鍵暗号を,暗号化2と復号2には対
称暗号を使用するので「ハイブリッド暗号」と呼ばれる.
17
おさらい問題の解説:大問3(3)

①の解答例
q
q
q

Diffie-Hellman鍵交換は,考案当初は離散対数問題に基づき
安全であるとみなされていたが,man-in-the-middle攻撃により
安全でないことが分かっている.
man-in-the-middle攻撃とは,正当なエンティティの間に敵が入
り,通信内容の一部または全部を別のものにするというもので
ある.
Diffie-Hellman鍵交換にman-in-the-middle攻撃を適用すると,
当事者間で秘密の情報を共有していると信じているにも関わら
ず,実際には,それぞれと敵との間で情報を共有する.
①の補足
q
日本語で説明できるようになっておくこと.「図示のみ」は減点す
る.
18
おさらい問題の解説:大問3(3)

④の解答例
q
q

時間計算量がO(log n)ということは,ハッシュ値の計算におい
て,入力の中で参照していないビットがあることになる.
入力Mを固定し,Mのiビット目だけ反転させたビット列M'を求め,
MとM'のハッシュ値を比較する.これにより,どこかのiでハッ
シュ値は一致する.これは,この一方向ハッシュ関数が弱衝突
耐性を持たないことを意味する.
④の補足
q
q
ハッシュ値を求める時間は通常,入力のビット長に比例する
ハッシュ値の長さは通常,入力のビット長に依存しない固定長
である
19
おさらい問題の解説:大問3(3)

解説
q
q
「手順」や「流れ」の説明は,読む側が理解できる(検証できる)
ように並べる.
オーダ記法を使った問題も出す.
 記述問題に限らない.
 厳密な定義の式については出題しない.
20
おさらい問題の解説:大問1

解答
q

1:①,2:①,3:②,4:②, 5:①,6:①,7:②,8:②,9:①,
10:①,11:①,12:②,13:②,14:②,15:①
解説
q
q
q
q
「許可されていない人は情報にアクセスできない」のは機密性.
SSHの公開鍵認証で「ログイン用のパスワード」がいらないの
は,公開鍵を登録する(リモートホストの適切な位置に記述す
る)ときに,あらかじめ認証を受けているため.
オプトイン/オプトアウトは,個人情報保護法の前からある「情
報コントロール」の概念である.
紛らわしいもの(小問3など)は,選択肢を当てはめて黙読する.
21
試験について

日時と場所
q

7月27日(金) 9:10~10:40,A104
試験時間は90分?
q
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①持ち込みチェック,
②解答用紙・問題用紙の配布
③解答
の合計が90分
持ち込みチェックで時間をかけると,皆に迷惑!
遅刻は9:40まで,答案提出も9:40から
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試験の持ち込み物について

自筆ノート1冊のみ持ち込み可
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
ルーズリーフOK?
q

以下の条件をすべて満たすならOK
 すべて自筆(印刷物やコピーがない)
 バインダに綴じ,試験中取り出さない
復習問題をすべて書き写しておいていい?
q

教科書不可
授業中に配布した資料も不可
ノートへの貼り付けも不可
いいが,努力の方向としては感心しない.
○○は可?
q
事前相談を.
23
最後に,お願い


「技術」を適切に説明する能力を身につけてください.
1年半(以上?)の学生生活を左右する「研究室配属」は
時間をかけて検討・選択し,研究室で活躍してください.
q

配属決定方法(プロトコル)で不審な点があれば,相談ください.
専門科目アンケートに協力ください.
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http://www.sys.wakayama-u.ac.jp/enquete/
採点完了後に回答内容を見て,来年度の授業に役立てたいと
考えています.
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