外来化学療法室における STAS‐Jの活用と今後の課題 筑波大学附属病院 緩和ケアセンター・外来化学療法室 緩和ケア認定看護師 入江 佳子 1.はじめに • 外来化学療法を受ける患者に対する早期緩 和ケア導入を目的として、2007年4月より外 来化学療法室に緩和ケアチームに所属する 緩和ケア認定看護師が配置されている。 • 緩和ケアチーム介入患者のケア評価として STAS-Jを使用している。 • 活用の実際と今後の課題について報告し、 助言いただきたい。 筑波大学附属病院概要 • 病床数:800床 (一般759、精神41) 一般病棟736 急性期病棟(ICU:8、NICU:9,MFICU:6) • 外来患者数:平均1350人/日 • 診療科:23科(33診療グループ) • 全職員数:1100名 医師:420名 看護師:535名 緩和ケアセンター • 2004年 緩和ケアコンサルテーション開始 • 2005年7月 緩和ケアセンター設置 • チームメンバー 緩和ケア医師2名(専任・兼任) 精神科医師 1名(兼任) 緩和ケア認定看護師3名(専従2名・兼任1名) 外来化学療法室 • 病床数:13床 リクライニングシート10床 ベッド3床 • • • • 患者数:1日平均25人 がん化学療法患者:1日平均17人 その他:補液・輸血など スタッフ 看護師:3名 薬剤師:2名 診療科別患者割合 婦人科 その他 7% 血液内科 消化器外科 3 % 18% 16% 23% 33% 代謝外科 消化器内科 2.介入の実際 患者・家族・ カルテから情報収集 アセスメント 主治医に打診 STAS-J 主治医から コンサルテーション 看護師から コンサルテーション 患者・家族からの 介入希望 緩和ケアチーム として介入 許 可 主治医 に打診 許 可 主治医に再打診 情報提供 観察 2.介入の実際 【介入患者】 • 外来化学療法中の患者:16名 • コンサルテーション:9名 【介入理由】 • • • • • • 疼痛 疼痛以外の身体症状(リンパ浮腫など) 患者・家族の不安 意思決定支援 社会資源の導入 家族の支援調整 3.介入前後のSTAS-Jの比較 4 3 2 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 介入後 介入後 介入前 問題点 • 情報不足により評価が困難である項目が多 い。 • 関係スタッフと十分に情報共有を図ることが できず、評価に偏りがある可能性がある。 • 療養の場が変わると、継続して評価できない ことが多く、評価したデータを十分活用する ことができていない。 今後の課題 • 情報共有できるためのカンファレンスの実行 や時間の確保 • 継続して評価していくための方法を検討 • スタッフにSTAS‐Jを浸透させていくこと まとめ • 外来化学療法における緩和ケア導入によ り、介入後にSTAS-Jの評価に改善が見られ た。 • STAS-Jを他部門のスタッフと共有すること ができると、継続した評価が可能であり、継 続したケアにつながると考えられる。
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