第4章 原因③ 部下を動かすために恐怖をあおる F班:石井、宮澤、松尾 2014年10月22日 わざと恐怖心をあおる経営手法 恐怖心や不信感を経営手法と考えるリーダーや企業がいまだに多い。 アルバート・ダンラップ • 職場に恐怖心や驚異を植えつける経営手法で知られる。 • サンビームのCEOに就任すると株価は急上昇、ウォール街でマネジメントの天才と呼ばれる。 • その後サンビームの経理不正発覚によりダンラップは後退。 アンドリュー・グローブ:インテルの元CEOでいまもマネジメントの象徴とされている。 “従業員が熱中できる職場の環境を維持するために恐怖心の果たす役割は大きい。“ →失敗を恐れる気持ちは従業員のやる気につながるという考え。 ※求人難の影響で従業員の機嫌を取る企業もあるが問題が解消されればいじめ体質に戻る →従業員の福利厚生に力を入れる企業はおろかで競争力がないと思われる風潮 恐怖心に基づくマネジメントの蔓延 〈職場に恐怖心と不信感がどれだけひろがっているかに関する調査〉 就業している成人2400名を対象に調査(1994) • 解雇されてもすぐ再就職できると思う・・・38% • 会社は約束を守ってくれると思う・・・38% • 従業員の解雇を恐れ仕事の効率を上げる提案を控えた経験がある・・・16% この他の調査でも同じような結果。 →試行錯誤での挑戦を奨励しない雰囲気では知識の共有は望めない。 →ひどい恐怖心と不信感が蔓延する職場の光景が見えてくる。 恐怖心と不信感はなぜ知識と行動のギャップを生むのか① *恐怖心は職場の士気を高めるどころか逆効果 しかし!!プレッシャーをかけ将来の不安をあおる恐怖政治が良い経営手法と信じる経営者 〈恐怖心や不信感は実際に組織の業績に与える影響〉 • 集積回路メーカーの総合的品質管理(TQM)プログラムの失敗 • ヒューレット・パッカード(HP)のサプライヤー・ベストテンのトップの工場が1991年ワースト2位 →どちらもレイオフによる失業の脅威からくる恐怖心や抵抗が原因 →仕事の効率化が本来の目的であるビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)もレイオフを 連想させるためうまくいかない 〈恐怖心は知識を実行に移せなくさせる〉 MUM効果:恐怖心のために知識を実行に移す能力が麻痺してしまうこと。 ・・・上司を恐れ、やっかいな問題を持ち込む役割をやりたがらなくなる→改善案も提案できない 恐怖心と不信感はなぜ知識と行動のギャップを生むのか② HPのローズヒル工場の場合 • 長期的に見れば雇用を守るには業績アップが必要 • しかし業績アップにつながる改革案は雇用不安におびえる従業員に失業、減俸、降格などを連 想させ長期的な改革に取り組む余裕をなくす →まずは従業員の頭から恐怖心を追放させることが不可欠 ダンラップの失墜:粉飾決算の疑いによるサンビームCEO解雇(未回収の代金が収入に計上) • プレッシャーと恐怖心から社員は目先の業績をあげるために手段を選ばない • 全体の成功より個人の保身を願う傾向 →そのためCEOであるダンラップも知らないところで不正が働かれる結果となった。 ・・・恐怖心と不信感の漂う職場では互いのあらを探すばかりで全体の利益のために協調する雰 囲気はなくなってしまう。
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