99年秋学期 個人研究

99年秋学期 個人研究
 EU統合に向けた中・東欧諸
国の環境政策
~EU法の定める基準は?
~東欧経済の現状は?
~経済的手法の有効性と
は何か?
EU法の定める基準
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EU法の10%は規制によって成り立ってい
る。
大気汚染、水質汚染、土壌汚染、産業汚
染、自然保護、騒音対策、科学物質の規
制など多岐にわたっている。
特に越境汚染に関連するものは
「厳しい」
の一言。とにかく厳格な規制が要求さ
れる。
EU内やEU加盟国の環境政策
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イギリス:エネルギー転換政策
排出権取引市場
デンマーク:環境税
自由取り決め協定
EU:ACEAと連携して域内を移動する新車
のCO2の削減を狙うプロジェクト
→いずれも経済的手法+企業との連携
中・東欧諸国の環境の現状
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大気汚染、水質汚染など健康レベルに関
わるもの、つまり公害が局地的に存在する。
特に工場から排出されるSO2(亜硫酸ガ
ス)の排出量は日本の1.5倍。
ただし、経済規模の関係からCO2などの
排出量は比較的少ない。
下水処理施設の不足など基本的な環境イ
ンフラの整備が行き届いていない。
中・東欧諸国の環境の現状
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情報・人材の欠如
環境法の体裁は整っていても、その法に
照らし合わせて取り締まりを行う人材が政
府にいない。
→えっ
と、まず何をどれくらい測るの?
どう
やって測るの?
なに
が必要なんだっけ?
企業も同じで、企業会計の仕方がしっかり
定まっていない。設備の環境への影響
中・東欧諸国の環境政策
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チェコでは1990年代から罰金を主に工場
から排出される物質に課して、それを環境
政策の財源にまわしていた。
比較的有効に機能していた。
しかし、インフレが進むたびに罰金が陳腐
化する上に、金額を上げるたびに排出量
の再測定をしなければならない。
ソフィア・イニシアテイブ
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1991年からヨーロッパ規模での環境大臣
会議が開催されていた。
中でも1995年にブルガリアのソファアで
開催された会議ではいくつかの重要な政
策提言が為された。
その中に経済的手法の効果的運用につい
ての提言があった。
経済的手法とは?
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通常、経済的手法は環境税と排出権取引
とに分けられるが、中・東欧諸国の現状で
は。。。。。
「環境税の導入」が最善!!
環境税によるメリット
1.罰金よりメンテナンス性がいい
2.税制改革へのインセンテイブが働く
3.環境に悪影響を与える補助金や税
金の廃止してその代替とする。
具体的には?
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環境税の導入によって財政、税制状のスリ
ムアップもできれば一石二鳥だ。
しかし、技術的な問題や財政上の問題を
経済的手法だけで解決するのは無理だ。
また、現実的に早期解決が望まれる公害
や越境汚染に対してはやはり「直接規制」
も必要なのではないのか?
望まれる環境政策
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短期的に解決が望まれるものについては
「直接規制」を強化するのと同時に、データ
や規格の統一をおこなってEU法への統合
に備える。
長期的には環境税の導入と大幅な税制改
革、人材育成、積極的な技術受け入れに
よる持続的な政策を行うことが必要だ。
望まれる環境政策2