参与観察/ドキュメント調査 【教科書第4章 p111-】

参与観察/ドキュメント調査
【教科書第4章 p111-】
第14回
1月28日
1.参与観察
参与観察の広がり
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文化人類学
社会学
ルポライター
日常生活の中で
「エスノグラフィー」
感情移入して読む
シカゴ学派の背景
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デューイ等のプラグマティズム
G.ジンメル 形式主義
自然主義
参与観察の定義
調査者があるがままの場で、
いろいろな側面において
比較的長期にわたり
社会との関係を築く過程で
見聞きする
これにより、ある社会について科学的理解を深める
視角の混合
• 視角は方法を決定づけるものでなく、方法の
中身を充実させるもの
参与観察の利点
• 自分の現実の捉え方を押付けることはほとん
どない
• 人々が行為を理解する過程、人々の変化の
理由を捉える
• 言葉や文化の違いが明らかにあることがある
調査者の役割
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通常、一人で調査
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そこで何が起こっているか。
自分自身をふくむ人びとが社会的状況の中で
どのように行為し、どのように解釈するのか
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自らを省みる(reflexivity)を含める
参与観察の評価・悩み
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学問なのか、学問になるのか
たまたまの現実の描写に過ぎないのでは
自由気ままで、本当に実際のものに深く
迫っているのか 証明なし
我々の感情に訴えるものは多い
参与観察の分類
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完全な参与
観察者としての参与
参与者としての観察者
完全な観察者
• 自らが既に属している集団の観察?
参与観察調査の実践
• 調査者個人にかかる負担が極めて大きい
• 多様な選択の可能性がある生活様式を人び
とがどのように理解しているのか
接触
• 「入り込む」
観察に入り込む入り口の意味に留意
柔軟性の活用
• 途中でうまくいっていない質問に気付けば、
翌日確かめることができる
フィールドノーツ
• データをコツコツ記録する
主観の適合性
• 十分な広がりを持って理解できたか
• その場で働くルールを他人に伝えることがで
きるか
2.アクションリサーチ
教科書p112-
• 実践を通しての研究
問題の解決策を提示しない傍観者のそしりも
ある
• 実践に関する研究
実践することをしっかりと位置付け
調査の背景には活動がある
• インタビュー調査・・・・ワークショップ
• 参与観察・・・・アクションリサーチ
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学術・・・・社会理解
実践・・・・社会貢献
運動・・・・社会改革
利益・・・・事業活動
3.ドキュメント調査
ドキュメントとは
• 第三者によって、既に記録され、
• 物理的な媒体によって、保存表示されているもの。
• 社会での出来事に特定の読解をしたもの
社会調査での位置付け
• これまで重要視されてこなかった(軽視)
豊かな洞察があっても価値ある情報源とみな
され難い
どのように使うか議論されてこなかった
• 再認識
実証主義の基盤の揺るぎ
インターネットによる情報の増加
情報源
• 多様
多様さこそ社会調査にとって価値ある一面
物的証拠が他の方法論のアプローチと
併用されるとかなり役立つ
記録時点による区分
• 歴史的なドキュメント
• 同時代を記録したドキュメント
記録主体による区分
• 政府
法令、各種報告書、議事録等
• 一般に流通するドキュメント マス・メディア、詳
説、演劇、図書、写真、・
• 個人的ドキュメント 伝記、自伝、日記、手紙、・・・
記録した出来事と記録者の
関係での区分
• 1次的ドキュメント
目撃・体験者の記録
• 2次的ドキュメント
出来事の後に1次的ドキュメント等を利用して記録
• 3次的ドキュメント
情報源を探すためのドキュメント
図書目録、検索サイト
公私の区分
• 公的ドキュメント
行政の立場による記録
も含む
• 私的ドキュメント
一般の人が作成
住民登録、課税等
アクセスの可能性による区
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非公開
制限公開
館内公開
出版公開
主体性による区分
• 依頼型ドキュメント
調査とうい目的を念頭に作成
本音が出難い
• 非依頼型ドキュメント
個人的用途
調査の捉え方
社会調査の資源か主題か
• 資源派
ある社会現象を説明する資源(一つの資料)
として位置付け
• 主題派
それ自体が興味深い社会調査の対象
社会の組織化など
記録と保存性
• 記録に際しての取捨選択
排除されたことは何か
• 社会の権力の表現媒体
望ましい現実を構築しようとする動機
• 選択性は隠蔽されている
一般に事実と捉えられる
意味の読解
• 解釈する者の主題が入る
むしろ積極的に必要
• 解釈の手順
系統立てた整理
作成時の社会の文脈への位置付け
作成過程の諸要因
各ドキュメント独自の表現法等の理解
意味解釈の3つのレベル
• 意図した意味
込められた作者の意図
• 内的な意味
テクストの内部で完結している意味
作者から独立して動く
• 受容された意味
受け手によって構築された意味
ドキュメントの利用
調査の試行錯誤
• 調査者の視角のみでなく利用可能性に制限
(時間、資源、目的、出会い)
ドキュメントの質の評価
• 真偽
判定・・誤り、一貫性、多様な版、転写可能性
• 信憑性
証拠の歪曲、偽り、ごまかしの程度
• 代表性
調査対象の現象をどれくらい代表しているか
• 意味
分析者にとっての明晰さ、理解しやすさ
• 参与観察の長所と短所を述べなさい