質的調査の分析 p139第15回 2月2日 視点 • 自省・柔軟性はフィールドの途中での分析、 フィールド後に本格的分析 ・「どのような問題意識、概念、指標を選んで定 義するのか」 ・「ある現象がどのくらいの頻度で、また、どのよ うな範囲で起こっているのか」 ・「発見された個々の知見を、研究しているある いは一般化されたモデルに組み込む」 ◎分析手順 • 記録~文字化(前段階) • • • • • 切片化 コーディング(ラベリング) データの結合 図解化 文章化 記録 • 発話の記録 メモ、録音 • 見聞きした行為、相互行為の記録 • ドキュメントからの抽出 この過程自体に取捨選択がある 現場 可能な限りの記録 直近の空いた時間 将来思い出せるように補足 記録媒体 • • • • 電子記録 フィールドノーツ 記録用紙 調査日誌 文字化 • どの程度、逐一、文字化するか 電子的記録の文字転換 メモの補完、注釈の付与 • インタビュー 全文文字化? • 参与観察 何まで文章化? • ドキュメント どの程度抽出? データの読込み • まず全体を何度も読み返す 切片化 断片を作っていく • インタビュー 全文記述 要素分割 • 参与観察 メモ 最小限の整理(同一内容の統合) • ドキュメント データ抽出 テキスト化 コーディング(ラベリング) • 簡潔な見出しを作る ◎KJ法 多様な事柄が渾然と並ぶ場で、その内容を整理し、 その構造、課題を見つけだしていくための手法。 川喜田二郎著「発想法」中公新書1967年 同「続発想法」1970年 KJ法 事例 情報化の最近の動向 ―新聞記事によるドキュメント分析― ①名刺大程度の紙片に最小単位 (単一の意味内容)に区分した事柄を記し、 ②床一面に並べ、 ③個々の紙片相互の繋がりを一つずつ検討し、 ④関係深いものの位置を個々に近づけ (先入観によるグループ化などはせず) 、 ⑤次第に部分的な構造を作り上げ、 ⑥さらに大きな配置を検討し、 ⑦全体配置を整理し、 ⑧必要に応じ相互関係の矢印等を加え、 ⑨最期に全体を文章化していく。 コンパクトシティー戦略 ◎グラウンデッドセオリー • A.ストラウス、B.グレーザーが案出し、1967年 に紹介された質的調査の方法論 • 質的調査の科学的手法を念頭に置き、デー タに根ざした理論の形成を目指した方法論。 • このために、データ収集をいかに深く行うか、 収集データに基づきつついかに理論化してい くかを述べている。 ・テーマの設定 ・データの収集 話し手・観察対象の設定、質問項目・観察項 目の設定、質問・観察 ・分析 収集情報の切片化、ラベルを付与 ・理論化 オープンコーディング アクシャルコーディング セレクティブコーディング、理論 ・ストリートライト 単位(unit)の利用・・・プロパティ 意味 慣習的行為 エピソード 出会い 役割 関係 ディメンジョン 集団 組織 居住地 社会的世界 ライフスタイル オープンコーディング 切片化 • 要素分割・・・どの程度細かくするか • 文節単位? • 文章単位? ・・・一つの内容 アクシャルコーディング 類似切片の整理(データの結合) • データに語らせる 最小単位の切片から積み上げていく セレクティブコーディング 相互関係の整理(図解化) • 部分から全体へ • 同時に図化を進める ストーリ・ライト • 内容の文章による記述 他者によるチェック • メンバーチェック • ピアチェック 世界遺産相倉集落の今後 グラウンディッドセオリーの事例 ◎質的データ分析の革新 コンピュータ・プログラムの利用 索引など、コードの利活用 →説得力の向上 ◎報告書の作成 エスノグラフィーを書くということ • 何についての研究か • データを見放す • データの欠落は避けられない • 一人称で書く • 過去形を使う • 具体的な事例を取り上げる • 読者を想定する • 簡潔に書く 「その調査のおかげで、研究対象となっている人びとに ついてどのようなことがわかるのか」 報告書の構成 • • • • • • • • • • 表題 要約 目次 目的(関心事) 作業仮説 方法 結果 事実の記述 考察 (結論) 参考資料 知見の提示 データ解釈の根拠・方法の説明 説得力を増す手段 説明場所 冒頭で自分の用いた方法を説明 各所で方法を説明 脚注 煩雑 例証形式 解釈の根拠の説明 サンプリング 情報源、推論方法 事例の選択理由 分析の手順全般の説明 ※一部始終を透明にしておく
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