仕事と家事の二重役割 - 慶應義塾大学 湘南

「二重労働」、「二十役割」の定義
1.a 「生産労働」 + b 「再生産労働」
2.a 職場での仕事 + b 家庭での仕事(家事労働)
3.a 有償労働 + b 「シャドー・ワーク」(無償労働)
社会規範による「男性役割」
a 生産労働、職場での仕事、
有償労働
社会規範による「女性役割」
b 再生産労働、家事労働、
無償労働
a + b 生産 + 再生産
職場 + 家事
1
低賃金 + 無償労働
仕事と家事の二重役割
•
家庭と仕事の間に、選択肢がある?…
・止むを得ず仕事しなければならない場合,その理由?
“家族”
・止むを得ず仕事をやめなければならない場合、その理由?
家族?いや、“家事の性別分配意識”
2
仕事と家事の二重役割
• 国レベルの制度と女性の二重役割:
1. 近代労働制度・職場の制度:
例えば、母性保護規定の「不備」。
保育園と労働時間との「不整合」。
近代法の「世帯主」は主に男性。
2.近代賃金(報酬)制度:「世帯主優先」。男性は生計を支持す
る報酬を得ることが優先される。
3.近代税制度も「世帯主優先」。
既婚女性が働く場合「扶養者」として見なされるために、
家族全体の収入に補う扶養者(=母)の報酬が税法で定めた
限定金額を超える場合、税が倍増する。
そのために高等教育を受けた女性でも低賃金またはパートに従事
することが多い。
3
仕事と家事の二重役割
•
性別別共働き・非共働き生活時間寄与【表4-1】:
1.
2.
3.
個人の必要な活動への時間:睡眠,食事、身体のまわりの用事
義務への時間:仕事,家事,育児(他人のため)
余暇への時間:ニュースを聞く、娯楽、休養、ストレスの開放、運動
•
就業における家事(料理、掃除、洗濯、他)の省略
【表4-2】:
1. 無職の場合
2. 有職(自営業か家族従業・民間・官公庁・パート)の場合
結果:省略なし=40%~60%
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仕事と家事の二重役割
•
家事(食事の仕度)の女性への集中度:国際比較
【表4-3】
1. 無職
2. フルタイム
3. パート
一般的な結論:国別、職業有無にほぼ関係なし、
食事仕度の平均80%~98%は女性
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仕事と家事の二重役割
•
1.
2.
3.
4.
就業女性の緊急時の「授助者」【表4-4】
自分の親(女性:母など)
夫の親(女性:姑など)
隣人、友人(女性)
ベビーシッター(女性)
企業が女性労働力をより求めると、
「授助」する女性もより求められる
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仕事と家事の二重役割
「子育て」という仕事」:近代以降、なぜ「仕事っぽく」なった
か?
「自分が子供のスケジュールに合わせない場合、働く女性に【も、
男性にも】 とってもっともつらい」
p163
以下の「子供という仕事」は、かかる時間をどう計算するか
1. 定期検査・摂取
2. 疾患の時の看病
3. 疾患の時の通院
4. 保育園への送りと迎え
5. 学校の行事(ぎょうじ)
6. PTA
7. 受験における親ぐるみ
出られない・できない場合、「授助」の人はいないのか?
7
仕事と家事の二重役割
• 結果・結論:
1. 職場にとっての不利を認めるパートの女性
が生まれて来たか、
2. 「責任ある仕事」をしたくなくなるか、
3. 他よりも家事を一手に引き受けるか、そして
4. 二重労働をせざるを得なくなるかを、
いずれかを選ばなければならない。
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仕事と家事の二重役割
• 疑問点:
• 1.多くの女性が働かない場合,国の経済が進められるか?
– ① 払われる仕事
– ②
払われない仕事(「再生産」労働=育児、
又はシャドー・ワーク)
• 2. 男性が家事に参加する場合とその理由
–
–
–
–
①
②
③
④
家事・育児が男女平等で「やりたい」
フレックス・タイムのある仕事をもつ
子供の母はいない
他
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