ケーススタディ5(頸椎) 5班 新井 岡本 小田 小林 桜井 高森 中村 野澤 牧野 松永 山田 小山 症例 【症例】74歳女性 【主訴】両手しびれ、歩行障害 【現病歴】数年前から時折両手のしびれ、書字がしにく い、ペットボトルのふたが開けにくいと感じていた。今年 に入ってから徐々に手のしびれが増強し、箸が使いにく くなった。また歩行時のふらつきが出現し、転びやすく なったため、整形外科を受診した。 身長160㎝、体重72㎏。 1.単純X線所見について C1 C2 C3 C4 C5 C6 C7 1.単純X線所見について ①C5-6間の椎間板腔狭小化 C5 C6 ③後方骨棘(C5,C6) ②前方骨棘(C5,C6) 2.頚椎MRI T2強調像 矢状断像 椎体縁骨硬化 クモ膜下腔狭窄、脊髄圧迫 2.頚椎MRI T2強調像 横断像 中心の脊髄形態と クモ膜下腔が保たれて いる 脊髄扁平化 クモ膜下腔の消失 椎間孔狭窄 3.この症状が生じる病態について 主訴・現病歴から、 • 両手のしびれ • 書字がしにくい、 ペットボトルの蓋が開けにくい →手指巧緻運動障害 • 歩行障害(歩行時のふらつき、転びやすい) 脊髄症 • 感覚障害は脊髄伝導路障害による →手指全体の感覚障害や、手掌全体に及ぶ しびれ感 →手指巧緻運動障害clumsiness (書字、ボタンかけ、箸使い動作など) →痙性歩行障害 (→膀胱直腸障害) 神経根症 • 神経根の圧迫 →上肢のしびれ →放散痛 →痛覚異常 →神経脱落症状 (感覚鈍麻、脱失、上肢の脱力) 病名 頚椎症性神経根症と 頚椎症性脊髄症の合併 頚椎症性神経根症・頚椎症性脊髄症 椎間板の退行変性に基づき、椎間板腔の狭小化、椎 体辺縁の骨硬化・骨棘形成、脊椎関節の狭小化など の所見が認められる。 神経根症を呈する状態→頚椎症性神経根症 脊髄症を呈する状態→頚椎症性脊髄症 本症例の治療法 本症例では、進行性の麻痺が見られるため、手術療法を 行う。神経組織の除圧を目的とする! 前方法・・・前方から脊髄圧迫の因子を取り除く。 後方法・・・神経組織の後方移動によって除圧。 鑑別診断 手のしびれ、上肢の巧緻運動障害、 歩行障害がみられる病気 •頚椎症性神経根症 •頚椎椎間板ヘルニア •頚椎後縦靱帯骨化症 頚椎椎間板ヘルニア 多くは椎間板の退行変性に基づく線維輪断裂部からの椎 間板組織の脱出である。通常後方ないし後側方へ脱出し、 神経根や脊髄を圧迫する。 頚椎後縦靱帯骨化症 後縦靱帯が肥厚・骨化し、脊髄を徐々に圧迫して脊髄症 状を引き起こす。
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