テクニカル・ライティング

テクニカル・ライティング
第5回
1、文章の主題
2、目標規定文
3、アウトラインを書く
その前におさらいです。
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KJ法について
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物事を考えるにあたっての2つのアプローチが混在 ・
演繹的な頭の働かせ方 ・帰納的な頭の働かせ方
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グループの配置
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どこに別のグループを置くかの指針
ひとつのグループがあったときに、それに隣接するエ
リアは8つ
上下左右それぞれの間
このどこかに別のグループをおくことを留意せよ そう
しないと収拾つかなくなる 。
グループ同士の関係線
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線がクロスしないように
クロスするくらいなら配置換えをせよ
線が交差しないような配置を工夫する
これらの指針で配置がうまくいかない場合は、どこか
に無理がある
グルーピングを再検討する必要がある
1、文章の主題
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文章のテーマは最初に大雑把に決める
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何を書くかはこの段階(事前準備をして、KJ法により分析)にな
らないと定まらない。
テーマになりそうなことはKJ図から導き出せる 。
KJ法のマップにおいて真ん中に集まってきているもの 関係線
が集中しているもの
重要なことは、マップを見て、何を書くかを考えると同時に、何
を省くかを吟味すること
マップにおいて、頭にあったけど端に追いやられたもの、 グ
ルーピングされずに中途半端な状態にあるものは省いてしまう
→主題という点ではプライオリティが低いため そうしてテーマ
を決める
テーマの定型
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「~を主張する」
「~を提案する」
「~を説明する」
「~を報告する」
「~を指示する」
「~を教育する」
このうちのどれかに収まる形で中身が考えられれば
良い
逆にこういった語尾がつかないとなると、まだきちんと
練れていない、あるいは絞られていないということ
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KJ図からこのようなことを読み取る
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マップの中心にあるもの
関係線が集まっているもの
関係線の起点が集中しているもの
目標規定文を先に書いても良い
目標規定文を先に書いても良い
目標規定文とは
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「自分は何を目標に文章を書き、そこで何を主張するの
か?」
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木下是雄「レポートの書き方」より
これを書き、その中から一番すわりの良い言葉を捜して、タイ
トルを設定する
目標規定文は一文で書くことが基本
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その一文には、書かなければならないことが全て盛り込まれていなけ
ればならない
そのくらい吟味して書く ほとんど全ての文が重文の形をとる。 すなわ
ち、
「(~は)~が~であることを~する」
主 主 述
述
「~が~である」ということをKJ法から読み取る
目標規定文を書くことのメリット
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① 主題が一体どういうものなのかを詳細なレ
ベルで明らかに出来る。
② 構成を考えて文章を書き出すにあたり、その
手段の検討における基準になる。
文章を書くにあたって、余計なことを書いてし
まったり、構成を誤るといったミスを、 ある程度
未然に防ぐことができる 。
文章を書き出すにあたっての手順
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① KJ図を書く
② 主題を見つける
③ 目標規定文を書く
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②と③はどっちが先でもよい
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必要に応じて行ったりきたりする
アウトライン
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一番大事なのは
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「何を 」
「どんな順番で 」
「どれくらいの分量で」
議論するのか
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<配布資料2枚目>
序論、本論それぞれについて階層構造を
つくっていく
1 ・・・・
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1.1 ・・・・
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1.1.1 ・・・・というような感じ
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<配布資料3枚目>
序論はつかみ
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最初しか目をとおしてもらえないことが多々ある
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忙しい人 ・偉い人
序論がつまらない内容だと、その時点で却下
される
序論は序論としての機能を意識して書く必要
がある
序論の重要性
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文全体に関してもいえる
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今後パラグラフ(段落)という単位で書くことを行う
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忙しい人はパラグラフの最初の一文のみ読む!
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それくらいシビア
序論・本論・結論
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序論はこの文のダイジェストをきちんと分かるようにす
ることが一番大事
そして(余裕があれば)魅力的にすること
本論は事実中心、結論は主観(本論を筆者がどうとらえ
るか)
結論において将来を展望を含めると説得力がある
物事に完全に結論付けられることはありえない
筆者がどの程度の射程で物事を捕らえているかがわ
かるようにする
文章を書くにあたって足りないものがあったら前のス
テップに戻ることは前提
物事を説明する文章の構成例
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1、時間順
2、(空間的・心理的)位置の順
3、複雑さの順
4、重要な順
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若い番号ほど客観的、物理的、プリミティブ 何も考えずに
書いていくと、このようになる
得てして、収拾のつかない文章になりがち
重要なものを先に話してしまうほうが分かりやすい
高度な説得力を求める場合は、周辺から固めていくことも
あるが、やらないほうが無難
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5、論理的な順→因果
序論では結果から原因へ
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逆だと飽きさせてしまう
今日のおさらい(1)
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KJ法から主題を読み取り、決める
目標規定文を書く
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自分の目標を明確する
その後の成否を左右する
ここに書かれないことは文章に書かれない
言葉の吟味は慎重に
アウトラインを組み立てる
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背後には文章の型、
説明の順序がある
それを意識しつつ、KJ法でくみ上げた素材を構成していく
今日のおさらい(2)おまけ
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アウトラインプロセッサ」というソフトがある
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アウトラインをつくるための、箇条書きを支援
する
フリーウェア、シェアウェア等で落ちているは
ず