テクニカル・ライティング 第9回 皆さんの課題のレビュー 水野さん① 目標規定文・主題がよくかけてる 目標規定文は文章のミニチュア版になっている必要がある 後の文章の基準になるべきものだから そういう風になっている ものが少なかった 水野さんのはそういうふうになっている 何をどんな順番で書くのかがわかりやすい 目標規定文の中で動詞が4つならんでいる 何をどの順番で書くかがダイジェストされている 非常に具体的にで分かりやすい 特に何をの部分をきちんと具体的に書いている 主題が目標規定文に内容のフォーカスを与えている 水野さん② 秘訣はKJ図にある カードが細かく、情報量が十分 概念の整理もされている KJ法の段階できちんとできている人は目標規定文や主 題がきちんと書かれているという傾向 アウトラインも良かった 粒度を細かくすればするほど長くなっていくし、長くできて しまう 水野さんはちょうど良い粒度だった この程度の粒度だったら書き出しやすいのではないか 並び方もしっかりできている 問題点① KJ法について カードの中に一文で終わっていないカードがある 2文になってしまっている文がある KJ法をやる上で、1カード1センテンスが基準 同じカード上の文が分離する可能性があるから 配 置が直線的で、きれいすぎる きれいに並んでいるということは、自分の予め持って いたストーリーをもとに配置を行ったということ KJ法の意味 自分で気がつかなかったことに気がつく、あるい はもっとベターな配置を探す、ということ 先入観は一度排除すべき 配置が少し恣意的す ぎるという印象をうける あまりにアナーキーな配置をしていくと、非常に 大変なのは分かるが、今は労力をさいてください 問題点② 序論に関しては、まだ混乱が見えた 序論が大事だということに気がついたこと は重要 ただ、まだその書き方が出来上がっていな い いろいろ見えたが、そこで終わってし まっているという感じ 序論と結論の量的割合にセオリーはない ただ、目安として、(あくまで経験の範囲で すが) 7000~12000字の文章の場合 序論にあてる文章の字数は、少なくて 1000~2000字程度 結論については、本 論で述べたことを要約して、課題について 触れる程度なので、800~1200字 総評 研究報告、レポートなどの類に文章では、 妥当な線でしょう 全体的に良かったのは、KJ法が一番で しょう それが全てに現れているという感じだった 徳永さん① KJ法について カードの数、カードの記述の内容から見て、よくできてる KJ法の どの段階が苦しかった? カードを書くこと カードを区別すること ジャンルごとにつくっていった 後で再検討した感じ 発見したこととかは? ここまでつながるとは思わなかった 付け足すかんじでつくっていけた 書きたいことのパーツの関連を考える作業を図解で行うことは、 結局早く良い関連が発見できるという意味で文章よりもよいと思 う 文章は縦にしか書けない 徳永さん② アウトラインについて きれいに、シンプルにまとまっている 目標規定文について 抽象度が高い表現になっているのが気になる 水野さんのよりも一段抽象度が高い それぞれのキーワードのインスタンスが欲しい 世界情勢とは? 経済政動向のバックグラウンドとは? 経済政策とは? だけど、本文ではきちんと具体化され ている 徳永さん③ 目標規定文は具体的に書くほうがよい 抽象度が高いと含みが多くなり、解釈の ゆれが大きくなる タイトな方が、実用的 文章を切り落とす際 に便利 2章は少し漠然としている ひとつの節とし て区切るには大きすぎる 徳永さん④ ※序論、本論、結論は思考の段階のため の枠組み 実際に文章を書く上で厳密にこれを守る必 要はない 本論が3章からなっていてもよい 「本論」という節をつくる必要はない 徳永さん⑤ 2-1は、問題提起 2-2は原因と書かれているが、よくみると解 決も書かれている 「原因と、とりうる解決策」とした方が良い 2-3は考察と書いてあるが提案をしている 考えるだけでなくて積極的に提案する それを主張するタイトルにすべき 徳永さん⑥ 十分な情報量があるが、十分に絞り込めてい ないという印象を受けた 誤読せずにすんだ 目標規定文を書く際に留意しなくてはいけな い点は、動詞 自分は文章の中で何を行うか 牧野さんの目標規定文 KJ法は非常によくできている カードが少な目の印象はうけるが良くできている しかし目標規定文に問題 文章の中で、~をする、 という叙述語は2つしかない 説明する 提案する バランスの悪さ 説明する内容は濃厚であるにも関わらず、提案 する内容はそっけない 説 明する対象は何かが不明確 読むのが困難 ではどのように整理できるか? (私なりの解釈 ) ① 滞在時に得た情報、文献で得た情報と事例 を通して、~ を説明する 途上国ではいまだにマラリアが流行していること その背景には ~ など先進国でよく知られた要因 のほかに、治療薬に対する予算が少ないために69 年間開発されていないこと ~ という派生問題が生まれている ② 科学研究の方向性をレビューして、我々が できる国際支援活動を提案する このレベルで意識して書いてください これがそのまま章になったりする 論文のフォーカスが明確になる 文を書くにあたって意識することが書き出さ ないと分からないのはおかしい 分量の調節など、編集作業も合わせて行っ てしまってもよい 重文・複文のつくりかた 「~こと、」で区切る と良い 修飾語のつき方が唐突だった 文章を書くというレベルになると明らかにま ずい 文の形を厳密に考えていってください 修飾語が何を説明しているのか、何にかかって いるのか? 何人かの人の目標規定文において見られた フォーカスがよく意識されていないものが目立っ た それでも牧野さんのは良い部類であった アウトラインはきちんとしていた 目標規定文がきちんと書かれていないのに、 アウトラインがそれなりに書けてしまうのは、自 分の中に暗黙のうちにストーリーが出来上 がってしまっているから まとめ① KJ法は発見するためにやること 気がついていなかった考え、意識していな かった考えを探す 他人の目で自分を見直す このようにして文章のクオリティをあげる 分かっているとおりに並べてKJ法をやるのは 無駄 まとめ② よくできている人の感想は、大変という感 想が多い 苦労して当然 ここで苦労することが、良い文章を書く上 での近道 KJ法をおろそかにしないでください まとめ③ 目標規定文は文を作るうえでのガイドになるも のでなければならない 具体性を持つ フォーカスを定める 何をどの順番でやるのかを把握できるように つくる 目標規定文がきちんとできていて、KJ法で十 分な情報がでていれば、アウトラインはそれな りができる まとめ④ アウトラインは文章を書く上で必須 アウトラインなしで文章を書くのはほぼ不可 能 あるのとないので文章のできはぜんぜん変 わってくる 価値のある文書をつくるために テーマを選ぶときにひとつだけ考える 自身の中だけで消費される文はかかない ある程度公にされる文を書くことがお約束 公に出す価値のある文章とは? この教室では、有用性のある文章をつくるのがお約束 有用な情報を伝達することが目的 共有可能 新しさ独自性 コミュニティーへの貢献 文章をつくる段階でこれを目指してください 文章の価値は 読み手が決める
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