卒論の進め方 - New Virtual Private Server

平成25年12月9日
1

およそ半年の間、一つのテーマを追求し、
その検討結果を、人に発表できるレベルの
レポートにまとめる訓練

大学での勉強の集大成

まとめた論文は、きちんと製本します。
将来、良い記念になります。
2



11~12月:卒論テーマ議論(個別相談)
1月:卒論テーマ発表(ゼミ最終週)
2~3月:卒論テーマ実施計画発表(合宿)
 ゼミ進級テストを兼ねる。
 2年生、3年生による相互評価




7月:進捗発表
9月:進捗発表(合宿)
12月:卒論発表(ゼミ連)
1月:卒論提出
3


タイトル
背景
発表:7分
質疑応答:5分
 世の中の状況
 解決したい課題、達成したい目標




研究する内容
最終的なアウトプット
既存の取り組み(概要レベル)
アプローチ
 どこから着手するのか
 どのように攻めるのか
 どう評価してもらうのか
4


「卒論テーマプレゼン」に
発表:10分
以下の内容を肉付け
質疑応答:5分
質疑応答で出たコメントを反映

「世の中の状況」、「既存の取り組み」、
「アプローチ」などを詳細化

「具体的な計画」を追加。計画は、以下を考
慮すること。
 週単位の計画表をExcelでつくる。
 どのような作業をするかではなく(それも重要だ
が)、いつまでにどのようなアウトプットを出す
かを明確にする。
5

次のような情報を整理してみよう
目標
評価基準
(優先順位)
世の中の状況(実
施中の対策を含む)
解決すべき問題・課
題
前提条件・制
約条件
原因
アプローチ
・対策の評価
アプローチ
・対策
残された課題と
解決の見通し
目標に対して、アプローチ・対策の評価が一番高く、残された課題も存在し
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ないか重大ではないから、そのアプローチ・対策が支持できる。
目標
評価基準
世の中の状況
安く楽しく
旅行したい
◎交通費
△日数
○満足度
解決
すべき
課題
交通費が
7000円かかる
評価
提案
評価表
(P6)
フリーパス
行動範囲狭める
7
三泊四日
遊覧船
ロープウェー
ロマンスカー
娯楽施設
交通費を
6000円以下にする
積み上げるとかかる
原因
前提条件
残課題
•二泊三日
•帰りはロマンスカー
を使わない
評価尺度
交通費
対策
フリーパス
△
宿泊可能数
△
(5800円、帰り (三日か二日
のロマンス
のフリーパス
カーを諦める) のみ)
行動範囲を狭 ○
める
(5000円、遊
覧船を諦め
る)
8
○
満足度
○
(三日間なら
交通機関に乗
り放題、娯楽
施設の割引も
あり)
×
(一番乗りた
かった遊覧船
に乗れない)

提案の具体化に向けてやるべき作業を決める
 どうやって調べる?
 どこにヒアリングする?
 どうやって人に見せる
など

計画表を作る
 いつ、誰が、何をやるか?

必要なリソースを明らかにする
 若干のお金はあります。研究費として使えるもの
(書籍、ソフトなど)
これらを含めて、計画を発表する
9

次のような形態がある(これに限らない)
 サービス提案型:新しいサービス提案を企画書と
してまとめたもの(例:産学チャレンジ)
 方法論提案型:新しい方法論や方式を考案し、そ
の有効性を検証したもの(業務からマニュアルを作
る方法を考える)
 調査分析型:世の中の事象を調査・分析し、その
結果から、
 将来を予測する
 将来への提言を導き出す
 事象を分類整理する
(例:マッチングサービスがどんな条件により違いが
10
出るのか調べる)



業界には拘らない。
ITを活用した提案にしたい。
風呂敷を広げすぎない。
 結論や方向性が打ち出せるもの
 第三者が評価できるもの
11

分量:
 40ページ以上(付録を除く)
 40文字×30行/ページ(1ページに行を詰め
過ぎないこと)

原則、一人一テーマとする。複数人で一つの
テーマを分担する場合には、分担を明確にす
ること。全体像については共有しても良い。
12
目次
 はじめに
・目次は自動生成すること
・章節番号は、適宜付与
 テーマを選んだ背景、理由
 テーマの目的と概要

××の現状と課題




・調査はとことんやる
・アンケート、文献調査、
実地調査、サービス調査
調査の範囲、調査方法
調査の観点(評価項目)
調査結果の分析結果
調査結果から得られた課題、方向性
13

××の解決の考え方
 課題解決の考え方
 前提条件
 評価の方法
(評価軸の選定)

××サービスの提案




サービス概要
適用対象分野、顧客層
サービス機能の具体化
典型的なシナリオ

××手法の提案




手法概要
手法の利用局面
手法の具体化
典型的シナリオ
14

××サービス/手法の提案(続き)
 ビジネスモデル評価






市場分析
収支評価
サービス拡充計画
競合分析
マーケティング方法
手法の場合には、ビジ
ネスモデル評価は不要
評価
 何が確認でき、何が確認できなかったのか
 第三者評価結果と考察
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 おわりに
 今後の課題
 まとめ
 謝辞
書式が決まっているので、最初
からその形式で整理しておく
 参考文献
 (付録)調査、検討の詳細結果
16

何といっても、まずテーマ選定が重要。たく
さんの案を出した上で、1~2個に絞ろう。

テーマとは、誰も提案していなかった何かを
提案し解決すること。

世の中にとっての重要性があれば、さらによ
い。

これがはっきりするためには、ミニチュア版
で、調査から解決までを1回やってみて、行
けそうというあたりをつける必要がある。
17

テーマの案を出すアプローチには、2種類ある。
 シーズ志向:おもしろい技術があるので、それを
使って、あるいはそれを発展させて、現実の何かに
適用できないかと考える。ただし、「高度な技術が
あれば、何かができます」というやり方だと、その
技術の中身に立ち入れる訳ではないので、そこで止
まってしまって、先に進まなくなるので注意するこ
と。(クラウドソーシング、ライフログ、AR等)
 課題志向:何かの課題を見つけて、それを解いて行
く。その課題が重要であることの説明は必要。医療
業界、アパレル業界など、まず業界を決めて、その
後、課題を見つけるという方法もあり。
18

調査項目表を作り、文献を調べながら、記入
してゆこう。例えば、
 出典(タイトル、執筆者、雑誌名、巻号、ペー
ジ、年号)
 サービス(サービス名、内容、市場規模、対象顧
客、ビジネス性、解決しようとしている課題、残
された課題)
 特徴的なこと、気になる点、所感、備考
 調査した人、年月日
など
19


参考文献の一覧は、最初から作っておこう。
卒論に使える。
調査項目表は、卒論の付録として使える。
20

解決策(複数のポイントからなる)と課題が
対応しているかどうかをダイアグラムで書い
て、整合が取れているか見てみよう。

「複数の解決策を必ず考えて、その中から一
番良いアイデアを評価して選ぶ」、ことを実
践しよう。そのためには、評価項目が重要
評価はなるべく定量的に

21

サービスや手法がなるべくリアルに見えるよ
うに工夫しよう。
 サービス:最低でも、画面イメージがほしい。そ
れを発展させ実現する方法としては、以下がある。
 ネット上のフリーのサービスを活用(例:Wiki)
 AccessやExcelを使って、PC上で実現する。Excelの場
合、Visual Basicでのプログラミングが必要(植竹ゼ
ミのアプローチ)。 Accessもプログラミングができ
れば、さらに発展させられる(少し勉強が必要) 。
 ネット上でプログラミングする(大分勉強が必要)。
 手法:何かの具体的な事例に適用して、良くなっ
た結果のイメージがほしい。実例に適用し、定量
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評価できればさらに良い。

第三者評価は、必須。その道の人に聞けるの
がベスト。

その道の人が聞いてくれるためには、課題認
識や調査結果、検討結果に本気さが必要。い
い加減な提案には、付き合ってくれない。
⇒検討結果のプレゼン資料が必要(卒論の発
表会資料にも転用可能)
23

まず卒論の目次案をつくろう。

その目次に、検討結果が順次収まるように検
討を進めよう。必要なら目次を修正する。
⇒Wordを利用のこと
(見出しから目次を自動生成可能)


最初から文章を書くのではなく、段落毎の要
約を書いて、それを眺めた時、矛盾がないか
どうかを確認する。例えば、・・・・
24
 狙いと、調査内容や調査項目が整合しているか
 課題に対して解決案が整合しているか
 解決案を、狙いに即した観点で評価しているか
など




なるべく箇条書きで、全体構成がわかるよう
にしよう。
事実と、自分の評価を分けよう。
人の意見と、自分の意見を区別しよう。人の
意見なら、出典を明記すること。
箇条書きをなるべく使おう。
25

誰が読者かを考えよう。⇒その分野の知識を
必ずしももっていない学生(特に後輩)、教
員

その読者が理解できるようにするためには、
自分が当然と思っていることも、予備知識と
して植えつけておく必要がある。

逆に、卒論の理解に必要のない知識は、書く
必要がない。どうしても書きたければ、付録
に書く。
26

段落間の関係を明確にしよう。前の段落で
言ったことについて、






詳しく言い直す
例示する
理由、原因を説明する
前提条件を述べる
結果を言う
比較する
27






タイトル:16ポイント、MSPゴシック、中
央揃え
著者名: 14ポイント、MSPゴシック、中央
揃え
章節タイトル:10.5ポイント、MSPゴ
シック、左揃え
本文:10.5ポイント、MSP明朝、左揃え
参考文献: 10.5ポイント、MSP明朝、左
揃え
図表タイトル: 10.5ポイント、MSP明朝、
中央揃え
28

章節番号
例
1.サービス機能
1.1 サービスの具体的機能
1.1.1 アカウント登録機能
①機能概要
統一性があれば、自由
な体系で良い。
29

図:図の下にタイトル、論文全体で通し番号

表:図の上にタイトル、論文全体で通し番号
(表とは別)
30

アルファベット、数字:
 半角で記入
 ただし、一文字なら全角

句読点
 「、」と「。」
 学会によっては、「,」や「.」を使うところも
 読点の場所
 主語の後
 引用の後
もう疲れた、と彼は言った
 係り受けを断ち切るため(後出)
31

口調
 「だ、である」調
 話し言葉は禁止。体言止めも禁止

略称は、初めて出現した時に、正式表記を書
く。
Augumented Reality(ARと略す、仮想現実)は、
・・・・
ARに関する技術研究は、この数年で進歩している
32

参考文献
 著者名のアイウエオ順(出現順も可)
 本文での引用は、この番号で。 例 文献[1]では
 [番号]著者名、「タイトル」、出版社名、書名、巻
#、号#、頁#(年号).
[1]関根純、末永高志、・・・、「ビジネス・インテリジェ
ンス・システムにおける情報要求の抽出手法」、情報処
理学会論文誌、Vol.50、No.12、pp. 2990-3000(2009).
[2]Sekine, J., Suenaga, T・・・: A Business Process-IT
Alignment Method for Business Intelligence, 10th Workshop
on Business Process Modeling, Development, and Support ,
pp. 46-57(2009).
33

専修大学の卒論として認められるためには、
表紙が以下の書式になっている必要がある。






20XX年 卒業論文(左上)
タイトル(中央)
提出年月日(下)
専修大学 経営学 経営学科(下)
学籍番号 氏名(下)
指導教官 関根 純 教授(下)
34

章や節が始まる前に1行空けること。

段落の最初は、1文字空けること。その他、
インデントが適切かどうか、注意を払うこと。

目次が生成できるように、章節番号のスタイ
ルを設定すること(産学でやった筈)。
 見出し1⇒章
 見出し2⇒節
 見出し3⇒項
尚、章のスタイルを自分流にアレンジした後、
そのスタイルのところで右クリックして、「選択
箇所と一致するようスタイル××を変更」を選ぶと、
35
同じスタイルのところは、全て変更される。
「知のツールボックス」をよく読もう。


主語と述語の関係は適切か
接続詞は、問題ないか。特に、「が」
 気になるお値段だが、安めにしました。
 食べてみたが、まずかった。
36

複雑な係り受けは避ける。
例1
 証人は容疑者が店員が外の物音に気を取られてい
る最中に盗んだのを見たと言った。
 店員が外の物音に気を取られている最中に、容疑
者が盗んだのを、証人は見たと言った。
例2
 平安時代の蔵で見つけた貴重な地図です。
 蔵で見つけた、平安時代の貴重な地図です。
37

逆茂木型の文章構造は理解しずらい。
 哺乳類は動物である。犬は哺乳類である。故に犬
は動物である。
 犬は哺乳類である。哺乳類は動物である。故に犬
は動物である。
 コンビニの売上は地域の人口に影響されます。
・・・また、駅からの距離にも影響されます。
 コンビニの売上に影響する2つの要因がありま
す。ひとつは地域の人口であり、もう一つは駅か
らの距離です。まず、地域の人口について言う
と、
38
・・・次に、


似ているが異なる言葉を使わない。同じ内容
なら同じ言葉を使おう。
体言止めは使わない。
 悪い例:規則正しい生活を送るよう指導。
 良い例:規則正しい生活を送るよう指導した。

口語は使わない。
 例:なので⇒従って
39

引用したら必ず参考文献の番号を書くこと。
 例:日本の人口は減っていると言われている(文
献[1])。⇒括弧の後に句点を入れること。
 例:田中(文献[1])によれば、人口は減ってい
る。

他の文献から図表をそのままコピーすること
は極力避けること。面倒でも入力し直すこ
と。引用したら必ず参考文献をタイトルに付
けること。
40

片面印刷のものを2部準備すること。

その内の1部を、卒論提出時に持って行く。
これは後ほど表紙に確認の印を押されて先生
に返却される。それと合わせて、2部を製本
に出す。出来上がりは、2月中旬

「前ゼミ長」はとりまとめて、ゼミ生分を提
出のこと。

大半は、大学から補助があるが、製本代が若
干必要な場合がある。
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