資料-2 府 域 水 道 の 将 来 像 ① ~「運営基盤の強化」に関する追加資料~ 平成22年11月19日 大阪府健康医療部環境衛生課 1 本日の説明内容 ■ 広域化推進期における段階的な広域化の 進め方について 2 ■大阪府域における水道広域化イメー ジ 広域化推進期 大阪府営水道 (用水供給事業) 最終目標 大阪広域水道 企業団 (用水供給事業) A町水道事業 (末端給水事業) B町水道事業 C市水道事業 D市水道事業 E市水道事業 この期間のプロセス (広域化の進め方)が課題 【広域化の形態】 ・業務の共同化 ・経営の一体化 ・事業統合 府域一水道 (末端給水事業) 【選択のポイント】 ・段階的な広域化の推進 ・地域に応じたアプローチ F市水道事業 大阪市水道事業 (末端給水事業) 大阪市水道事業 3 ■広域化推進期におけるプロセス 地域、事業体間の温度差 地域、事業体間で求められる広域化の 形態やプロセスが異なる。 広域化推進期に、大きく 2つの段階(ステップ)を設定 ステップ1 業務の共同化 全体最適を見据えつつ、 地域に応じたアプローチから 段階的に広域化を推進 広域化対象範囲 (地域、内容) の拡大 ステップ2 経営の一体化、事業統合 効果 更なる広域化の推進に向けた 統合条件の調整 ※大阪府域では、受水市町村 で構成する大阪広域水道企 業団を中心とした「業務の共 同化」から着手 利用者の理解と合意 4 ■広域化推進期におけるプロセス 短期 (~10年後) ■主な課題■ 〔技術基盤の強化〕 施設の老朽化 対策・耐震化 ・施設の更新 ・適切な維持管理 技術力の低下 ・人材、技術力 の確保 中期 (10~20年後) 長期 (20年後~) 【ステップ1:業務の共同化】 《特徴、メリットなど》 ・業務毎、地域毎に、緊急性・必要性に応じた選択が可能。 ・経営主体が変わらない。各事業者の適切な負担により モラルハザード(他事業体への過度な依存)を抑制できる。 ・業務によっては既存の広域水道ネットワークを活用できる。 広域化の形態 事業統合 経営の一体化 業務の共同化 ◇課題の改善効果(一部の業務・範囲に限定) ◇更なる広域化に向けた共通基盤の整備 ◇事業体間格差(施設水準等)の縮減、平準化 〔経営基盤の強化〕 経営効率化の 限界 【ステップ2:経営の一体化、事業統合】 ・広域化による 経営の効率化 関係事業体の共通基盤、統合条件等が 整った上で実施 府 域 一 水 道 へ 5 ■広域化推進期(ステップ1)のロードマッ プ(案) 短期 (~10年後) 中期 (10~20年後) 長期 (20年後~) 水質検査の共同化 水質・水運用 施設運転管理の共同化 管理の共同化 水運用管理の共同化 水質管理の共同化 施設管理(メンテナンス)の共同化 水道施設・資材等 管路管理(メンテナンス)の共同化 の管理の共同化 緊急資機材・薬品管理の共同化 災害対策の共同化 危機管理体制の共同整備 利用者サービスの 共同化 営業関係業務の共同化 事務(業務システム) の共同化 施設の共同整備 給水装置管理の共同化 総務・経理関係業務の共同化 建設・工務関係業務の共同化 ス テ ッ プ 2 経 営 の 一 体 化 ・ 事 業 統 合 水道施設の共同建設・整備 6 ■水質検査の共同化イメー ジ 現 状 A ・・・市町村水道事業者 水質検査の流れ 共同化過程のイメージ A A 共同検査 (一部) B D C 共同化 A検査室(一部) 企業団が受託 B (共同検査の改善、拡大) B検査室(全部) 企業団検査室 C 外部委託 (一部) C検査室 一部 委託 E 一部委託 E検査室 ・希望する市町村から水質検査を企業団が受託(共同化) C検査室(一部) 共同検査(一部) 共同化のイメージ D A 外部委託(一部) B D C E 共同化 E 企業団が受託(水質検査室の一括管理) E検査室(全部) 課題:既存ストック(検査機器等)・人材の有効活用 地域(特に大阪南部)の水質検査体制の改善 水質検査室 効果 水質検査室 水質検査室 水質検査機器、水質技術者の共有による効率化 7 ■施設運転管理の共同化イメージ A ・・・A市町村 水の流れ 人の動き 施設運転管理の現状 水道事業(市町村) 用水供給事業(企業団) A A浄水場 民間委託 配水池 委託監督 企業団 浄水場 送水 ポンプ場 広域 浄水池 A受水池 A市職員 適宜出動 配水池 企業団職員 (設備技術者) 適宜出動 B B市職員 適宜出動 B配水池 (受水池兼用) 共同化のイメージ 企業団施設 企業団職員 の直営管理 (設備技術者) 共同化 ・設備技術者の共有 ・一部業務の民間一括発注 効果 ・運転管理技術の向上・平準化 ・安定給水の強化 企業団が受託 (全体) (一部) 運転管理の 共同化 民間業者への委託監督 配水池等の直営管理 配水池等の直営管理 民間業者への委託監督 配水池等の直営管理 民間業者への委託監督 8 ■水運用管理の共同化イメージ A ・・・A市町村 情報 監視制御 水運用管理の現状 用水供給事業(企業団) 企業団送水管理 センター 水道事業(市町村) 用供 施設 用供運用の一元管理 A A配水管理室 ⇒ A市送配水運用(一元管理) B B配水管理室 ⇒ B市送配水運用(一元管理) C 水道 局 配水池 配水池 ⇒ C市送配水運用(個別管理) 共同化のイメージ 用供 施設 水運用センター (旧送水管理センター) 水運用 管理の一体化 企業団が受託(全体) 企業団が受託(一部) 送配水運用 地域管理室 A配水管理室 A B B配水管理室 C 共同化 ・水運用センターにおける情報の集約 ・地域管理室における監視制御 効果 ・送配水の一体運用による効率化 ・安定給水の強化 送配水運用 地域管理室 D配水管理室 D E配水管理室 E F配水管理室 F 9 ■水質・水運用管理の共同化イメージ 短期 水 質 検 査 施 設 運 転 管 理 水 運 用 管 理 水 質 管 理 イメー ジ 効果 イメー ジ 効果 イメー ジ 効果 イメー ジ 効果 中長期 •企業団一部受託(共同検査改善拡大) •企業団と市町村検査室の連携 ・企業団による水質検査全般の受託 (市町村検査室の運営受託含む) ・緊急時対応の強化、市町村の利便性向上 ・検査機器・水質技術者の共有・効率化等 コスト △ 管理 ○ 緊急時 ○ サービス △ コスト ○ 管理 ◎ 緊急時 ◎ サービス △ ・企業団による運転管理業務の受託【一部】 (一部業務の民間一括発注を含む) ・企業団による運転管理業務の受託【全体】 (一部業務の民間一括発注を含む) ・運転管理技術の向上、市町村の負担軽減 ・設備技術者共有・民間委託スケールメリット コスト △ 管理 ○ 緊急時 ○ サービス △ コスト ○ 管理 ◎ 緊急時 ◎ サービス △ ・企業団による水運用管理の受託 【一部】 ・企業団による水運用管理の受託 【全体】 ・一部地域の監視制御の効率化 ・送配水一体運用による効率化等 コスト × 管理 ○ 緊急時 ○ サービス △ コスト △ 管理 ◎ 緊急時 ◎ サービス △ ・企業団による水道水品質の一元管理 【一部】 ・水安全計画(広域)の整備【一部】 ・企業団による水道水品質の一元管理 【全体】 ・水安全計画(広域)の整備【全体】 ・水安全管理の向上、市町村の負担軽減 ・水道水の安全度の向上 コスト △ 管理 ○ 緊急時 ○ サービス ○ コスト ○ 管理 ◎ 緊急時 ◎ サービス ◎ ※効果は定性的な評価とし、「◎:ある」「○:ややある」「△:あまりない」「×:マイナス」に分類。レベルアップ効果の「管理」は人材・技術力の確保 や管理体制の強化等、「緊急時」は緊急時体制の強化等、「サービス」は利用者の利便性向上等を示す(参考文献:広域化の手引き(P46))。 10 ■広域化推進期(ステップ1)のロードマッ プ(案) 短期 (~10年後) 中期 (10~20年後) 長期 (20年後~) 水質検査の共同化 水質・水運用 施設運転管理の共同化 管理の共同化 水運用管理の共同化 水質管理の共同化 施設管理(メンテナンス)の共同化 水道施設・資材等 管路管理(メンテナンス)の共同化 の管理の共同化 緊急資機材・薬品管理の共同化 災害対策の共同化 危機管理体制の共同整備 利用者サービスの 共同化 営業関係業務の共同化 事務(業務システム) の共同化 施設の共同整備 給水装置管理の共同化 総務・経理関係業務の共同化 建設・工務関係業務の共同化 ス テ ッ プ 2 経 営 の 一 体 化 ・ 事 業 統 合 水道施設の共同建設・整備 11 ■施設の共同整備のイメージ 用水供給事業(企業団) A ・・・市町村 水の流れ 水道事業(市町村) 現状 配水池 A受水池 企業団 浄水場 送水 ポンプ場 広域 浄水池 AA 配水池 配水池等の 共同整備 BB B配水池 (受水池兼用) 課題:配水池・受水池の老朽化、施設配置の効率化、更新費用の削減 用水供給事業(企業団) 共同施設 水道事業(市町村) 共同整備のイメージ 配水池 A受水池 A 配水池 企業団 浄水場 広域浄水池兼配水池等 共同施設 送水 ポンプ場 広域 浄水池 B B配水池 (受水池兼用) 効果:スケールメリットによる更新費削減、効率化による 維持管理費の削減、施設水準の向上・平準化 コスト ◎ 管理 ◎ 緊急時 ◎ サービス △ 12 ■広域化推進期(ステップ1)のロードマッ プ(案) 短期 (~10年後) 中期 (10~20年後) 長期 (20年後~) 水質検査の共同化 水質・水運用 施設運転管理の共同化 管理の共同化 水運用管理の共同化 水質管理の共同化 施設管理(メンテナンス)の共同化 水道施設・資材等 管路管理(メンテナンス)の共同化 の管理の共同化 緊急資機材・薬品管理の共同化 災害対策の共同化 危機管理体制の共同整備 利用者サービスの 共同化 営業関係業務の共同化 事務(業務システム) の共同化 施設の共同整備 給水装置管理の共同化 総務・経理関係業務の共同化 建設・工務関係業務の共同化 ス テ ッ プ 2 経 営 の 一 体 化 ・ 事 業 統 合 水道施設の共同建設・整備 13 ■その他の共同化イメージ(1) 水道施設・資材等の管理の共同化イメージ 短期 施 設 メ ン テ 管 路 メ ン テ イメー ジ 効果 中長期 ・企業団による施設管理業務の受託【一部】 (一部業務の民間一括発注を含む) ・企業団による施設管理業務の受託【全体】 (一部業務の民間一括発注を含む) ・緊急時対応の強化、市町村の利便性向上 ・設備技術者共有・民間委託スケールメリット コスト △ 管理 ○ 緊急時 ○ サービス △ イメー ジ 効果 コスト ○ イメー ジ 効果 緊急時 ◎ サービス △ •管路情報システムの構築・改善(企業団・未 導入の市町村) •共同コールセンターの設置(夜間休日対応) •管路情報システムのネットワーク化 •企業団による管路管理業務の受託 (一部業務の民間一括発注を含む) •管理水準の向上・平準化 •利用者利便性の向上 •管路の設計管理の効率化 •漏水位置確認等、利便性の向上 コスト △ 緊 急 資 機 材 等 管理 ◎ 管理 ◎ 緊急時 ◎ サービス ○ ・緊急資機材、薬品管理の情報共有 ・希望市町村と企業団による一括購入 ・緊急資機材・薬品等の一括購入拡大 ・緊急資機材管理業務の企業団受託 ・技術力向上、コスト削減、市町村負担軽減 ・コスト削減、人材・ストック共有、管理水準向上 コスト ○ 管理 △ 緊急時 ○ サービス △ コスト ○ 管理 ○ 緊急時 ○ コスト ○ 管理 ◎ 緊急時 ◎ サービス ○ サービス △ ※効果は定性的な評価とし、「◎:ある」「○:ややある」「△:あまりない」「×:マイナス」に分類。レベルアップ効果の「管理」は人材・技術力の確保 や管理体制の強化等、「緊急時」は緊急時体制の強化等、「サービス」は利用者の利便性向上等を示す(参考文献:広域化の手引き(P46))。 14 ■その他の共同化イメージ(2) 災害対策,利用者サービス,事務(業務システム)の共同化イメージ〔主な もの〕 短期 災 害 対 策 危 機 管 理 体 制 イメー ジ 効果 利 用 者 サ | ビ ス 営 業 関 係 業 務 イメー ジ 効果 中長期 〔ソフト面の体制強化〕 •危機管理マニュアルの共同作成 •アクアネット大阪の防災機能強化 •防災合同訓練・研修の企画・運営 •水道関連メーカー等との災害時応援協定の 一括締結 〔ハード面の体制強化〕 •緊急時用連絡管の整備 ・緊急時対応の強化、市町村の利便性向上 ・防災体制の強化、安定給水の強化 コスト △ 管理 △ 緊急時 ○ サービス △ コスト × 管理 ○ 緊急時 ◎ •窓口、検針、料金調定・収納、閉開栓等の業 務に関する「共同コールセンター」の設置 (民間業者委託。問い合わせ内容により市町 村担当窓口へ連絡。) •企業団による営業関係業務の受託 (一部業務の民間一括発注を含む) •利用者の利便性向上 •業務の効率化 •利用者利便性の向上 •管理水準の向上・平準化 コスト △ 管理 ○ 緊急時 △ サービス ○ コスト ○ 管理 ○ 緊急時 △ サービス △ サービス ◎ ※効果は定性的な評価とし、「◎:ある」「○:ややある」「△:あまりない」「×:マイナス」に分類。レベルアップ効果の「管理」は人材・技術力の確保 や管理体制の強化等、「緊急時」は緊急時体制の強化等、「サービス」は利用者の利便性向上等を示す(参考文献:広域化の手引き(P46))。 15 ■広域化推進期(ステップ2)への移行時期と効果 ステップ1の業務の共同化では、主に技術基盤(管理・緊急時)のレベルアップや平 準化が期待できる。 一方で、コスト(費用削減効果)やサービスの向上は、一定の効果はあるが、ステップ 2へ移行することで更なる効果が期待できる。 《移行時期》 ステップ1において事業体間格差の縮減を進め、関係事業者の統合条件等が整った 時点でステップ2への移行を検討する。 《期待される効果》 全体→ステップ1の効果範囲が事業全体に拡大 施設→水需給の不均衡解消・水源の多元化、施設の効率化、最適化(施設配置・能力等) 管理→人材・技術力の統合と適正配置、組織の再構築 経営→投資の効率化、重点化 広域水道システムの再構築としての「浄水場更新計画」のイメージを示す 16 ■ステップ2における浄水場更新計画のイ メージ 水 現状(仮想) 全 体 能力 420 給水量 260 率 62% A浄水場(2系統) ■ ■ A給水区域 B浄水場(1系統) ■ B給水区域 ■更新前 □更新中 ■更新後 源 C浄水場(2系統) ■ ■ C給水区域 D浄水場(1系統) ■ D給水区域 ・全体稼働率が62% と低い。 ・更新時には浄水場 能力が半減又は休 止となる。 給水量(260)/能力(420) [62%] ※全体 更新事業 中のイメー ジ 全 体 能力 300 給水量 260 率 87% 水 A浄水場(2系統) ■ □ 体 能力 320 給水量 260 率 81% C浄水場(2系 統) ■ □ 給水量(260)/能力(300) [87%] 水 更新後の イ メ ー ジ 全 B浄水場(1系統) ■ 源 A浄水場(4系統) ■ ■ ■ ■ B浄水場(2系統) ■ ■ D浄水場(1系統) ■ 浄水場の一体的運用 ・その間、他の浄水場 でカバーする。(全 体稼働率は87%) ・全体稼働率が81% に改善される。 源 C浄水場(4系 統 ) ■ ■ ■ ■ 給水量(260)/能力(320) [81%] ・2系統の浄水場を半 量運転とし、更新を 行う。 D浄水場(1系統) ■ 浄水場廃止 浄水場の一体的運用 ・浄水場数を削減でき る。 ・多系統化により、次 期更新時も他の浄 水場でカバーが可 能となる。 効果:広域水道全体を見据えた浄水場更新計画が可能となる。 施設配置・運転の効率化、イニシャル・ランニングコストの削減、給水安定性の向上等 17
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